【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され持ち直しの期待がある中で、世界的な金融引き締めやそれに伴う為替変動、ならびにインフレ、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による燃料輸入価格の上昇等の不透明感もあり、景気の先行きが懸念されます。 情報産業につきましても、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大影響を受け、国内外問わずリモートワークやオンライン教育、またデジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が後押しとなり、2022年の世界におけるIT支出額は4兆5,000億ドル増加の昨年対比5.1%増の伸長が見込まれています。ビジネス向けソフトウェアに至っては、今後もオフィスや自宅、また別の場所でと複雑さを増すハイブリッドな働き方への対応が続くことから、クラウドの利用増やSaaSへのシフトを背景に11.0%の成長が予測されております。 セキュリティ業界におきましては、引き続き国家機関等を狙ったサイバー攻撃、企業の機密情報の漏洩の被害、暗号資産の流出等をはじめとする特定の企業や組織を狙う標的型攻撃、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を利用したフィッシング詐欺や、中でも暴露型の二重脅迫を行うランサムウェアといわれるサイバー攻撃が目立ちました。日本におきましても大企業の取引会社を攻撃し、結果として全工場等の稼働の停止が余儀なくされるなど、事業が多くの企業の連携で構成されるようなサプライチェーン環境を狙ったインシデントが特に注目を集めました。このような背景を受け、セキュリティ対策は従来のような各端末の防御や、ネットワーク環境下を各領域に分けた境界線によって守る境界防御対策だけではもはや十分な対策と言えない状況に変化してきており、侵入を前提とした脅威の可視化や深い分析による事後対策も含む対応等の需要が拡大しております。加えて、デジタル環境の進化で生活様式も法人・個人を問わず急速に変化していく中で一層セキュリティ意識が問われる風潮が高まっております。 このような環境下、当社グループの経営状況は、以下のようなものでありました。
日本地域につきましては、引き続き携帯電話ショップでの販売が好調など、個人向けビジネスが好調で同地域全体の増収に大きく貢献しました。法人向けビジネスはエンドポイントセキュリティが低調だったもののクラウドセキュリティやサービスビジネスが好調でした。その結果、同地域の売上高は60,955百万円(前年同期比7.1%増)と増収となりました。 従前の北米地域並びに中南米地域を統合したアメリカズ地域につきましては、企業向けビジネスにおいてエンドポイントセキュリティの競争環境は激しくなりつつありますが、SaaS関連ビジネスが引き続き好調だったほか、当社のセキュリティオペレーション:Trend Micro Vision One(以下、Vision One)に対する需要を背景にクラウドセキュリティが好調でした。加えて円安の影響もあり、その結果、同地域の売上高は37,849百万円(前年同期比21.1%増) と二桁増収となりました。 欧州地域につきましても企業向けビジネスにおいてVision Oneの需要増を背景にクラウドセキュリティを中心にネットワーク製品なども含め全般的に大きく伸張しました。その結果、同地域の売上高は29,496百万円(前年同期比17.2%増)と二桁増収となりました。 アジア・パシフィック地域につきましては全体において好調でした。企業向けビジネスはVisionOneの需要増を背景にネットワークセキュリティが大きく伸長し、クラウドセキュリティも好調でした。地域的には中東、オーストラリア、台湾が同地域の売上を牽引しました。加えて円安の影響も受け、その結果、同地域の売上高は33,798百万円(前年同期比30.9%増)と二桁増収となり全地域において最も高く伸長しました。 その結果、当社グループ全体の当第3四半期連結累計期間における売上高は162,100百万円(前年同期比16.5%増)となりました。
一方費用につきましては、円安影響も大きく受けた人件費の大幅増や携帯電話ショップでの個人向けビジネスの好調に伴った外注費が増加したこと等により、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用は136,230百万円(前年同期比30.3%増)と大きく増加し、当第3四半期連結累計期間の営業利益は25,870百万円(前年同期比25.3%減)と減益となりました。 また、当第3四半期連結累計期間の経常利益は為替差益等があったものの30,408百万円(前年同期比14.2%減)の減益となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は関係会社株式売却益があったこと等により28,492百万円(前年同期比11.0%増)の増益となりました。
当社が重要な経営指標として意識しているPre-GAAP(繰延収益考慮前売上高)ベースの営業利益額は28,523百万円となり、前年同期に比べ6,082百万円減少(前年同期比17.6%減)となりました。これは先行投資的側面の強い人的投資や個人向けビジネスの好調に伴う外注費の増加などによる売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用の増加が、 二桁成長したPre-GAAP以上に大きかったことによるものです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。この結果、従来の方法に比べて、当第3四半期連結累計期間の売上高が43百万円減少、販売費及び一般管理費が1,224百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益がそれぞれ1,268百万円減少しております。
(2)財政状態の分析 当第3四半期連結会計期間末の現金及び預金の残高は167,061百万円となり、前連結会計年度末に比べ30,668百万円減少いたしました。現金及び預金等が減少した一方、投資有価証券や有価証券が大幅に増加したこと等により、当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ49,865百万円増加の470,322百万円となりました。 当第3四半期連結会計期間末の負債は、繰延収益の大幅な増加等により、前連結会計年度末に比べ30,636百万円増加の229,660百万円となりました。 当第3四半期連結会計期間末の純資産は、配当金の支払いがあったものの為替換算調整勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ19,228百万円増加の240,662百万円となりました。 なお、「収益認識会計基準」等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。この結果、利益剰余金の期首残高が10,427百万円減少しております。
(3)キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間と比較して、4,426百万円収入が増加して46,562百万円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益や減価償却費が増加したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間と比較して、64,749百万円支出が増加して65,405百万円のマイナスとなりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものであります。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間と比較して、7,005百万円支出が増加して24,776百万円のマイナスとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したことによるものであります。これらの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた結果、当第3四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物の残高は214,206百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,475百万円減少しました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、4,387百万円であります。
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