【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済につきましては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され明るい兆しが見られたものの、感染の再拡大や欧米諸国と日本の金融政策の違いによる急激な円安や資源価格の高騰等により物価が上昇し、個人消費や民間設備投資をはじめとする経済活動は引き続き緩慢となりました。
石油業界におきましても、国内需要は一部の油種に回復の動きがあったものの、石油製品全体では本格的な需要の回復には至らず前年並みの需要にとどまりました。
このような厳しい経営環境の下で、石油事業では、新規顧客の獲得に努め、引き続き増販と徹底したマージン管理を行い収益の改善を図ってまいりました。また、ホームエネルギー事業では、増加した仕入コストを製品販売価格への転嫁に努める一方、将来の安定的な収益基盤構築のため、積極的な新規投資により供給戸数の拡大を図ってまいりました。レンタル事業では、顧客ニーズにあわせた営業活動の継続とレンタル建設機材のラインナップ拡充に力を注いでまいりました。
これにより、ホームエネルギー事業、レンタル事業の各事業においては、前年同期を上回る業績をあげることが出来ました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は、石油事業における販売数量の増加と原油価格高騰に伴う製品販売価格の上昇により前年同期比66億円(29.7%)増加の291億円となりました。損益面では、レンタル事業の好調などにより、売上総利益は、前年同期比28百万円(1.6%)増加の1,855百万円となりましたが、買収による取得関連費用もあり、営業利益は前年同期比18百万円(14.0%)増加の153百万円にとどまりました。また、経常利益は、2022年3月に千葉県船橋市に所有しておりました土地・建物の譲渡による賃貸料減少等により、前年同期比6百万円(3.5%)減少の165百万円となりましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益は、受取保険金の増加や前年には公開買付対応費用の計上という特殊事情もあったことから、前年同期比78百万円(92.7%)増加の163百万円となりました。
なお、当社グループは、「お客様が必要とするエネルギーの安定供給と、エネルギーの効率使用や環境負荷の低減に資する商品の提供を通じ、よりよい社会づくりを支える企業でありたい」という長期ビジョンの実現に向けて、今中期経営計画(2021~2023年度)では、主力事業である石油事業のサプライチェーンの拡充・強化、その他事業も含めた既存事業の周辺領域を念頭に置いた環境負荷低減に資する新たな収益の柱の創出について検討を行ってまいりました。その結果の一つといたしまして、10月3日付で環境開発工業株式会社(以下「環境開発工業」という)の自己株式を除く発行済みの全株式を取得(子会社化)いたしました。
環境開発工業は、「よりよい環境を次世代に継いで行く」を基本理念に、北海道において廃油、廃プラスチック等の再資源化をはじめとする廃棄物のリユース、リサイクルに積極的に取り組むなど環境保全活動に貢献している企業であり、当社グループの長期ビジョンと中期経営計画の目的や目指す方向性である「環境負荷の低減」が合致するとともに、北海道は当社グループにとって石油事業、ホームエネルギー事業、レンタル事業を展開する重要な事業エリアであり、ここに環境開発工業を当社グループに加えグループ内での相互連携によるシナジー効果の取り込みに着手しております。
さらに、同社の有する事業ノウハウ、営業基盤、経営資源と石油事業が連携・融合することにより、エネルギー企業としての新たな価値の提供や「未利用資源の活用」、「リサイクル」という文脈での新規事業の推進により、当社グループの中長期的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。
また、当第2四半期連結累計期間における業績の計画対比につきましては、石油事業が計画を下回ったものの、ホームエネルギー事業、レンタル事業、環境関連事業の各事業においては計画を上回る業績をあげており、グループ全体での営業利益は買収にかかる取得関連費用を除くと計画通りに進捗しており、グループ全体での親会社株主に帰属する四半期純利益は計画を上回りました。
セグメント別の業績の概要は、次のとおりであります。
「石油事業」
石油業界におきましては、ドバイ原油価格がロシアのウクライナ侵攻による需給ひっ迫懸念と産油国の減産維持等から、期初より100ドル/バーレルを超える高い水準で推移しておりましたが、9月に入ると世界的な需要減少懸念から90ドル/バーレル台にやや下落いたしました。しかしながら、為替は期初の120円/ドル台から、当第2四半期連結会計期間末では140円/ドル台と急速な円安が進みました。
国内の石油製品需要は、一部の油種に回復の動きがあったものの、石油製品全体としては前年並みの需要であり、特に当社の主力商品である灯油やアスファルトは前年を大きく下回る低調な動きとなりました。
年初から原油価格が高止まりする環境の下で、当社グループは、仕入コストを販売価格へ転嫁することを最優先事項としてマージンの改善に取り組む一方、次世代液体エネルギーの供給を見据えた顧客の拡大に向けた営業展開の加速、増販活動を展開してまいりました。また、配送体制並びに自社基地の効率活用等によるサプライチェーンの強化に努めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は、増販施策の実施により、当社の主力商品である中間三品(灯油・軽油・A重油)の販売数量は前年同期比115%となり、アスファルトも需要期である8月以降は国内需要を上回りました。また、製品販売価格も上昇したことから前年同期比64億円(31.4%)増加の268億円となりました。営業利益はマージンの改善に努めたものの急激な円安による仕入コストの上昇に価格転嫁が間に合わず収益を圧迫いたしました。さらに買収による取得関連費用の負担が加わり、前年同期比50百万円減少して135百万円の損失となりました。
当社グループの主力事業であります石油事業は、冬季に需要が増加する灯油・A重油が中心であるため業績に季節的変動があり、売上高・利益ともに第1・2四半期が少なく、第3・4四半期が多くなる傾向にあります。需要期に入る第3・4四半期につきましては、引き続き新規顧客の獲得と増販によるシェア拡大により国内需要を上回る販売と、徹底したマージン管理を行い収益の改善を図ってまいります。
「ホームエネルギー事業」
北海道道央地域に営業基盤を有するホームエネルギー事業(LPG・灯油など家庭用燃料小売事業)におきましては、前年から続く原油価格や資源価格の上昇、円安により、LPG・灯油などの仕入価格が上昇したことによる値上げや、今春先の気温の暖かさなどの影響により、消費者の節約志向が高まりました。また、コロナウイルス感染症に起因するサプライチェーンの混乱により一部商品の品薄、各種機器や材料費・工事費などの上昇など、厳しい環境が継続しております。
このような経営環境の下、当社グループは、上昇した製品仕入価格の製品販売価格への転嫁と商品の供給体制維持に努めてまいりました。また、将来の収益獲得に向けた新規顧客獲得のための新規投資、お客様が安全にご利用いただくための保安投資に力を入れてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は販売価格上昇により前年同期比78百万円(12.7%)増加の694百万円となりました。営業利益は増加した仕入コストの転嫁と投資経費の減少などの影響により前年同期比45百万円増加の8百万円の損失となりました。
第3四半期以降につきましても、引き続き投資効率の良い投資による新規顧客の獲得並びに既存顧客の維持、灯油配送業務の充実などに努め、顧客数の拡大を図るとともに各種保安点検、各種機器の交換やアフターメンテナンスなど保安投資に力を入れていきます。
また、安定的な収益確保を目指したビジネスモデルの構築、自社ローリーを積極活用した灯油の増販、安定した供給体制の維持と構築に努め、「安全・安心・安定」を柱に収益の拡大を図ってまいります。
「レンタル事業」
北海道道央地域に営業基盤を有する建設機材レンタル事業におきましては、事業と関係性の深い公共工事受注額が前期と比べて期首から大幅に減少しておりましたが、夏場以降増加に転じてまいりました。しかしながら、第2四半期累計期間での公共工事需要は依然として前年を下回る厳しい環境にありました。
このような環境の下で、当社グループは、公共工事の増加の機会を素早く捉え、レンタル建設機材需要の取り込みに最大限の注力をいたしました。また、きめ細かい営業活動により顧客毎のニーズを捉え、販売に繋げるとともに、レンタル建設機材のラインナップ拡充にも努めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は、前年同期比97百万円(10.3%)増加の1,038百万円となり、営業利益は、前年同期比24百万円(16.2%)増加の177百万円となりました。
年度末に工期を迎える公共工事が集中する第3四半期につきましては、需要の取り込みに全力で努めるとともに、引き続き顧客のニーズに沿った営業活動を展開し、収益の拡大を図ってまいります。
「環境関連事業」
当社グループが取り組んでいる環境関連事業のうち、メガソーラー発電事業につきましては、期首より好天が続いておりましたが、夏場以降天候不順が続いたことにより前年同期を下回る発電量となりました。また、グリーン商品であるアドブルーの販売につきましては、公共工事減少等による需要減少により販売数量が前年同期を下回りました。
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は、アドブルーの仕入コストの増加を販売価格へ転嫁したことにより、前年同期比71百万円(14.6%)増加の564百万円となりました。また、営業利益は、メガソーラー発電事業における売電収入の減少があったものの、アドブルー販売においてマージンの向上に努めたことにより、ほぼ前年並みの120百万円となりました。
第3四半期のアドブルー販売につきましては、仕入先との良好な関係を維持・強化し安定供給を確立したうえで、更なる新規顧客の獲得に努めてまいります。
※アドブルー(AdBlue):ディーゼル車の排ガス中の窒素酸化物(NOx)を無害化する「SCRシステム」に使われる高品位尿素水。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,177百万円減少の16,826百万円となりました。この主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少2,265百万円や現金及び預金の減少1,006百万円などの減少要因の合計額が、有形固定資産の増加85百万円などの増加要因の合計額を上回ったことによるものであります。
また、負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,781百万円減少の7,452百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の減少2,225百万円や預り金の減少173百万円、未払法人税等の減少52百万円などの減少要因によるものであります。
純資産合計は、配当金の支払いなどにより利益剰余金が401百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ396百万円減少の9,374百万円となりました。
なお、資産及び負債の減少は、主に季節的変動によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動、投資活動及び財務活動により資金を使用し、当第2四半期連結会計期間末の資金残高は前連結会計年度末に比べ1,006百万円減少して3,032百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は111百万円(前年同期は681百万円の使用)となりました。これは売上債権の減少額2,265百万円などの資金増加要因と減価償却費371百万円などの非資金項目の合計額が、仕入債務の減少額2,228百万円や法人税等の支払額167百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は552百万円(前年同期は389百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出465百万円や無形固定資産の取得による支出159百万円などの資金減少要因の合計額が、有形固定資産の売却による収入62百万円などの資金増加要因の合計額を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は565百万円(前年同期は821百万円の使用)となりました。これは配当金の支払額565百万円によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社グループは、研究開発活動を行っておりません。