【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことなどから、企業や消費者の動きが活発となり正常化へ向かっております。しかし、世界経済においては、原油をはじめとした原材料価格の高騰や米国のインフレ加速、ウクライナ情勢の悪化・長期化といった様々な下振れリスクが残っており、景気の動向は依然として不透明であります。このような経済環境の中、当社グループが属するIT業界は、業種・業態を問わず各企業へデジタル化の波が押し寄せている背景もあり、当社が得意とする人工知能(AI)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用・推進は、企業規模を問わずニーズが増加しています。その中でもChatGPTを代表とする生成系AI領域への注目が集まっており、業務活用の重要性は日々高まっております。反面、生産労働人口の減少は顕著に推移しており、あらゆる業界でITエンジニアを含むデジタル人材の獲得が行われ、人材不足への対応は喫緊の課題となっております。当社グループは、採用強化と合わせて海外子会社の設立を行い、人材確保を順調に推し進めております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、引き続き幅広い業界からAIソリューション事業の需要があり、その中でも製造業、建設業、リテール業界などを中心に当社グループの強みである一気通貫モデルの案件が複数並行で進行しております。引き続きアライアンス戦略の推進によって、大手企業の顧客基盤強化が順調に進んでおります。
AIインテグレーションサービス 顧客が提供するサービスやデバイスに対してAI機能(画像解析や機械学習、音声認識など)を実装する形で、プラットフォーム作りやサービス開発が推進されております。製造業界、建設業界、リテール業界など、幅広い業界から受注を獲得しており、売上高は462,804千円(前年同期比176.1%増)となりました。当社が提供するAIインテグレーションサービスでは、AIの中でもIoTやエッジ領域に関わるAI案件が中心となっており、エンタープライズ系企業との取り引きが多くなっていることから1案件あたりの案件規模が拡大中です。また、当第2四半期連結累計期間から生成AIの受注も発生しており、引き合いも順調に増加しております。当社では自社サービスのSyncLectを活用し、顧客の要望に合わせてカスタマイズすることでより業務にフィットしたAIソリューションを提供しております。
DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス Microsoft Azureを中心としたクラウドサービスのシステム開発や顧客がサービス提供するプラットフォーム構築、スマートフォンアプリ開発など、順調に売上を伸ばし続けております。前年度から続く既存顧客からのシステム改修案件に加えて、マイクロソフト社のPower Platform案件は業務の効率化や自動化を進めたい顧客からのニーズも高く、将来のデジタル人材育成に向けた教育案件をはじめ幅広く案件が実施されており、ますます需要は高まっております。その結果、DXサービス売上高は523,936千円(前年同期比45.2%増)となりました。今までの要件が定まった一般的なシステム開発に加えて、コンサルティング業務やプロジェクト支援業務など顧客と一緒にプロジェクトを推進する支援案件も徐々に増加しており、単価の押し上げ、総利益率の改善に貢献しております。
プロダクトサービス プロダクトサービスは、ライセンスビジネスを含む自社サービス、クラウドサービス利用料、エッジ端末の機器販売など人月ビジネスに紐づかない売上で構成されております。Power Platform内製化支援サービスやSyncLectサービスなどの自社サービスやクラウド利用料の売上は安定している一方、一時的に発生したAI大型案件の機器販売がひと段落したことから売上額は前年度の水準に戻っております。その結果、プロダクトサービス売上高は53,171千円(前年同期比18.7%増)となりました。今後も引き続きAIインテグレーションサービス、DXサービスの開発案件を中心にクラウドサービスの利用料を増やし、並行してライセンスビジネスのサービスラインナップを強化することで、売上の向上に取り組んで参ります。
OPSサービス 運用保守業務を行うOPSサービスでは、既存案件の多くで安定した売上・利益を確保できている一方で、一部契約の見直しや顧客提供サービスの計画変更により案件終了が発生しております。その結果、当第2四半期連結累計期間のOPSサービス売上高は118,300千円(前年同期比62.7%増)となりました。今後も引き続き安定した運用保守業務の遂行と顧客接点を活かしたクロスセル、アップセルを推進してストック売上の向上を目指して参ります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,158,212千円(前年同期比79.3%増)、営業利益は46,724千円(前年同期比2,954.3%増)、経常利益は47,857千円(前年同四半期は経常損失7,410千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は30,166千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失8,774千円)となりました。当社グループでは、AIを活用し更なる顧客サービスの実現を目指すAIソリューション事業の単一セグメントで推進しております。
(2) 財政状況の分析(資産)当第2四半期連結会計期間末の総資産は、1,284,968千円となり、前連結会計年度末と比較して115,726千円の増加となりました。流動資産は1,215,155千円となり、前連結会計年度末と比較して112,051千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金27,477千円、売掛金及び契約資産61,665千円、仕掛品14,054千円が増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して3,674千円増加し、69,812千円となりました。主な要因は、無形固定資産1,340千円減少したものの、有形固定資産5,052千円増加したことによるものであります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債合計は369,380千円となり、前連結会計年度末と比較して75,581千円の増加となりました。これは主に、買掛金44,808千円、未払費用6,034千円、未払消費税等5,637千円、契約負債が16,827千円増加したことによるものであります。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産合計915,587千円となり、前連結会計年度末と比較し40,144千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が30,166千円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、27,477千円増加し846,087千円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、35,290千円(前年同四半期は12,577千円の獲得)となりました。主な要因は、売上債権及び契約資産の増加61,665千円、法人税等の支払額20,764千円があったものの、税金等調整前四半期純利益47,857千円、減価償却費6,235千円、仕入債務の増加44,808千円、契約負債の増加16,827千円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、8,004千円(前年同四半期は29,557千円の支出)となりました。主な要因は、非支配株主からの払込みによる収入2,744千円があったものの、有形固定資産の取得10,749千円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、発生しておりません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9,842千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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