【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析及び検討内容は下記のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
セグメントの名称
前第2四半期累計
当第2四半期累計
前年同期比較
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
増減額(百万円)
増減率(%)
化粧品事業
105,588
80.8
117,021
81.1
11,433
10.8
コスメタリー事業
24,159
18.5
26,246
18.2
2,087
8.6
その他
856
0.7
1,027
0.7
171
20.0
売上高計
130,604
100.0
144,295
100.0
13,691
10.5
区分
前第2四半期累計
当第2四半期累計
前年同期比較
金額(百万円)
売上比(%)
金額(百万円)
売上比(%)
増減額(百万円)
増減率(%)
営業利益
7,209
5.5
10,420
7.2
3,211
44.5
経常利益
15,158
11.6
14,062
9.7
△1,096
△7.2
親会社株主に帰属する四半期純利益
8,883
6.8
8,697
6.0
△185
△2.1
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年6月30日まで)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5月に「5類感染症」へ移行され、外食、旅行などのサービスを中心とした個人消費の増加や、円安効果に後押しされたインバウンド需要の増加などが寄与し、景気の緩やかな回復基調が続いております。
当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済においては、中国では景気に持ち直しの動きがみられるものの、雇用環境の悪化や節約志向の高まりにより、個人消費の伸びが減速し、成長率は鈍化傾向にあります。それ以外のアジア地域では、安定的な経済成長がみられます。米国においては、雇用環境や個人消費に底堅い動きが見られるものの、金融引き締めや高インフレによる景気後退懸念は依然として残ります。
日本の化粧品市場においては、マスク着用の自由化に伴い、メイクアップ商品の需要が大きく回復し、売上が伸長しております。さらには、訪日外国人客によるインバウンド需要の回復なども、化粧品需要の本格回復を後押しするものと期待されております。アジアの化粧品市場においては、中国では期初に新型コロナウイルス感染症再拡大により需要回復に遅れが見られましたが、その後、緩やかな回復傾向にあります。それ以外のアジア各国についても、一部地域では弱さがみられるものの、全体では堅調に推移しております。米国の化粧品市場は、底堅い個人消費に支えられ順調に成長しておりますが、高止まりする市場金利やインフレ率による個人消費への影響が懸念されます。
このような市場環境の中、当社グループは中長期ビジョン「VISION2026」を推進しており、「世界で存在感のある企業への進化」を目指しております。当期は「PHASEⅡ:世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求」の2年目に入り、基本戦略の下、グローバルな事業展開の促進、事業領域および顧客層の拡大、デジタルコミュニケーションの強化、成長を支える経営基盤の構築に取り組んでおります。
① 財政状態当第2四半期連結会計期間末の流動比率は400.2%、当座比率は271.8%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ38.4ポイント、21.7ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。資産は、前連結会計年度末に比べ3,611百万円の増加となりました。現金及び預金の増加9,674百万円、商品及び製品の増加4,208百万円、ソフトウエアの増加702百万円、受取手形及び売掛金の減少9,695百万円、原材料及び貯蔵品の減少1,147百万円、建物及び構築物の減少903百万円等によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ4,420百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金の増加1,892百万円、未払金の減少5,280百万円、未払費用の減少1,938百万円、短期借入金の減少861百万円等によるものであります。なお、有利子負債残高は10,258百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。
② 経営成績当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績については、流通企業による仕入れ抑制が続く韓国において減収となりましたが、日本の百貨店・専門店チャネルにおけるハイプレステージ、欧米を中心に展開する「タルト」が実績を牽引したことにより、売上高は前年同期比10.5%増の144,295百万円(為替の影響を除くと前年同期比7.1%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の割合は39.3%となりました。営業利益は、原価率の低減により10,420百万円(前年同期比44.5%増)となりましたが、為替差益の減少により、経常利益は14,062百万円(同7.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,697百万円(同2.1%減)となりました。
a.化粧品事業化粧品事業のハイプレステージにおいては、「コスメデコルテ」が韓国で苦戦しましたが、日本では引き続き好調に推移いたしました。それ以外のブランドでは、メイクアップブランドの「ジル スチュアート」、「アディクション」が伸長いたしました。欧米で展開する「タルト」は、主力商品とともに新商品が増収に寄与いたしました。プレステージの主力ブランド、「雪肌精」や「ONE BY KOSÉ」も回復基調が継続しております。これらの結果、売上高は117,021百万円(前年同期比10.8%増)となり、営業利益は11,662百万円(同17.0%増)となりました。b.コスメタリー事業コスメタリー事業においては、「ヴィセ」やコーセーコスメポート㈱の「クリアターン」などが好調だったため、売上高は26,246百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益は1,153百万円(前年同期は563百万円の営業損失)となりました。c.その他その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売が増加したため、売上高は1,027百万円(前年同期比20.0%増)、営業利益はマーケティングコストの増加により、441百万円(同3.1%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物は、前第2四半期連結累計期間より21,690百万円増加し103,109百万円(前年同期比26.6%増)となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、17,398百万円の収入(同629.3%増)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益13,636百万円、非資金費用である減価償却費4,629百万円、売上債権の減少10,339百万円、棚卸資産の増加1,793百万円、仕入債務の増加2,472百万円、返金負債の減少732百万円、その他の負債の減少6,212百万円及び法人税等の支払い4,511百万円等であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、5,236百万円の支出(同22.8%減)となりました。主な要因は、定期預金の預入による支出14,423百万円、定期預金の払戻による収入13,840百万円、有形固定資産の取得による支出2,334百万円、無形固定資産の取得による支出1,308百万円、投資有価証券の取得による支出671百万円等であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、5,440百万円の支出(同295.4%増)となりました。主な要因は、配当金の支払い3,993百万円、短期借入金の純減少額1,042百万円、非支配株主への配当金の支払い219百万円等であります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間に支出した研究開発費の総額は3,175百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
(8) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。