【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループに関する財政状態、経営成績の分析及び検討内容は下記のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。前連結会計年度より、当社及び3月決算であった連結対象会社は、決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。この変更に伴い、当社とすべての連結子会社の決算日が統一され、当第3四半期連結累計期間は、2022年1月1日から2022年9月30日までとなっております。
セグメントの名称
(調整後)前年同期
当第3四半期累計
(調整後)前年同期比較
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
増減額(百万円)
増減率(%)
化粧品事業
148,158
79.3
160,749
80.0
12,590
8.5
コスメタリー事業
37,255
19.9
38,833
19.3
1,578
4.2
その他
1,380
0.7
1,304
0.7
△76
△5.5
売上高計
186,794
100.0
200,887
100.0
14,092
7.5
区分
(調整後)前年同期
当第3四半期累計
(調整後)前年同期比較
金額(百万円)
売上比(%)
金額(百万円)
売上比(%)
増減額(百万円)
増減率(%)
営業利益
6,616
3.5
12,481
6.2
5,865
88.6
経常利益
10,564
5.7
22,549
11.2
11,985
113.4
親会社株主に帰属する四半期純利益
4,294
2.3
13,841
6.9
9,546
222.3
(注) 1.上記前年同期比較(調整後増減率)は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を遡及適用したと仮定して前年同一期間(2021年1月1日から2021年9月30日)と比較した増減であります。2.第80期は変則決算のため、第3四半期連結財務諸表を作成しておらず、前第3四半期連結累計期間については記載しておりません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日から2022年9月30日まで)における日本経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められ、経済社会活動の正常化が進み、景気回復の兆しがみられました。しかしながら、資源価格上昇や日米金利差拡大を受けた円安によって物価上昇圧力がかかり、消費者心理を悪化させております。 当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済においては、中国では一部地域でゼロコロナ政策による経済活動抑制の影響が残るものの、緩慢ながら持ち直しの動きがみられます。それ以外のアジアでは着実に景気回復がみられます。米国においては、インフレに対して金融引き締め策が講じられ、景気下振れの懸念があります。
日本の化粧品市場においては、行動制限の緩和による消費活動の再開により、引き続き緩やかな回復傾向にあります。アジアの化粧品市場においては、中国では、上海等におけるロックダウンが6月に解除されたことにより、海南島を中心としたトラベルリテールでの需要が回復傾向にあるものの、ゼロコロナ政策により市場全体の回復には時間を要する見通しであります。それ以外のアジアについては、一部地域では厳しい状況にありますが、全体では着実に回復しております。米国の化粧品市場は、底堅い個人消費に支えられ順調に成長しておりますが、金融引き締めによる景気減速懸念は根強く残っております。
このような市場環境の中、当社グループは中長期ビジョン「VISION2026」を推進しており、「世界で存在感のある企業への進化」を目指しております。2022年度からは「PHASEⅡ:世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求」の段階に入り、基本戦略の下、グローバルな事業展開の促進、事業領域および顧客層の拡大、デジタルコミュニケーションの強化、成長を支える経営基盤の構築に取り組んでおります。
① 財政状態当第3四半期連結会計期間末の流動比率は381.9%、前連結会計年度末に比べ14.4ポイント増加、当座比率は247.4%、前連結会計年度末に比べ5.4ポイントの減少となりました。主な理由は下記のとおりであります。資産は、前連結会計年度末に比べ23,569百万円の増加となりました。現金及び預金の増加4,411百万円、商品及び製品の増加6,796百万円、原材料及び貯蔵品の増加5,130百万円、投資有価証券の増加3,060百万円、退職給付に係る資産の増加794百万円、受取手形及び売掛金の減少521百万円、建物及び構築物の減少1,279百万円、機械装置及び運搬具の減少886百万円、工具、器具及び備品の減少624百万円等によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ6,185百万円の増加となりました。電子記録債務の増加2,550百万円、未払法人税等の増加2,167百万円、短期借入金の増加1,780百万円、未払金の減少4,153百万円等によるものであります。なお、有利子負債残高は6,130百万円、デット・エクイティ・レシオは0.02倍となりました。
② 経営成績当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績については、中国での断続的なロックダウンの影響、および韓国での売上が大幅に減少したものの、日本の専門店・百貨店チャネルにおけるハイプレステージ、欧米を中心に展開する「タルト」が実績を牽引したことにより、売上高は調整後前年同期比7.5%増の200,887百万円(為替の影響を除くと調整後前年同期比3.3%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の割合は41.8%となりました。利益については、下期のイベントやホリデー商戦向けに販売促進費・広告宣伝費は増加した一方で、原価率が低下したことにより、営業利益は12,481百万円(調整後前年同期比88.6%増)、経常利益は為替差益の大幅な増加により22,549百万円(同113.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,841百万円(同222.3%増)となりました。
a.化粧品事業化粧品事業においては、「デコルテ」や「アルビオン」が日本で引き続き好調に推移いたしましたが、中国(トラベルリテール事業を除く)や韓国では苦戦いたしました。それ以外の主要ブランドでは、「ジルスチュアート」、「アディクション」が、日本のメイクアップ市場の需要回復に伴い、業績が伸長いたしました。「タルト」は、主力商品や新商品の売上を伸ばしました。また、「カルテHD」は敏感肌市場の成長とともに、着実に業績を拡大し、主力ブランドの「雪肌精」も回復の兆しがあります。これらの結果、売上高は160,749百万円(調整後前年同期比8.5%増)となり、営業利益は15,450百万円(同44.9%増)となりました。b.コスメタリー事業コスメタリー事業においては、ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」、コーセーコスメポート㈱の「クリアターン」などが好調に推移した結果、売上高は38,833百万円(調整後前年同期比4.2%増)、営業利益は266百万円(調整後前年同期は457百万円の営業損失)となりました。c.その他その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売やOEM生産の受注が減少したものの、販管費を抑制したことにより、売上高は1,304百万円(調整後前年同期比5.5%減)、営業利益は784百万円(同55.4%増)となりました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
(3) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間に支出した研究開発費の総額は4,487百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
(7) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。