【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における市場概況については以下の通りです。管材システム事業においては、基幹製品に関連する国内の設備投資は、全体として堅調に推移しました。海外においては、半導体関連の工場建設需要が引き続き伸長した一方で、ダイマトリックス製品に関連する半導体製造装置市場においては、前年度後半から引き続き需要が減速しました。樹脂事業においては、電子材料製品に関わる半導体デバイス市場にて、前年度下期後半からの市場停滞が続き需要が減速しました。素形材製品に関連する市場の国内自動車生産は、海外からの部品供給調達難が解消傾向にあり、また半導体不足の影響も徐々に改善され前年を上回る台数となりました。発泡材料製品に関連する国内の建築着工についても前年に比べ増加しました。こうした経営環境の中、当第2四半期連結累計期間の売上高は43,844百万円(前年同期比+22.0%)となり、営業利益は8,291百万円(前年同期比+55.3%)、経常利益は8,560百万円(前年同期比+46.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、5,471百万円(前年同期比+43.5%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① 管材システム事業管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。樹脂バルブ等の基幹製品の販売は、引き続き半導体関連の大型工事案件に支えられ堅調に推移しました。樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業についても堅調に推移しました。その結果、国内の売上は前年を上回りました。海外では、米国、中国において、主に半導体を中心とした電子関連産業の工場建設に関わる設備投資に伴う好調な需要が継続したことや、円安の影響もあり売上は前年を上回りました。半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、韓国における需要停滞の継続、米中摩擦による中国での投資遅延の影響により、売上は前年を下回りました。利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、主に海外で売上が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を上回りました。この結果、当セグメントの売上高は29,742百万円(前年同期比+30.5%)、営業利益は7,633百万円(前年同期比+51.1%)となりました。
② 樹脂事業
自動車や建設機械等に必要な鋳物製造に用いる素形材料製品では、お客様の製造品質や生産性の向上、臭気低減による作業環境の改善など、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでいます。新規のお客様への営業活動を積極的に行ったことや、自動車生産台数の回復に伴い販売が堅調に推移したことから、売上は前年を上回りました。発泡材料製品は、現場施工により最終製品となることから、施工のしやすさに加え施工後の品質向上に取り組むことで、お客様への安心・安全の提供に取り組んでいます。現場発泡断熱材においては、ビル・マンション等の断熱施工案件に対して製品の設計折込みに注力し、またトンネル掘削用の土木材料においては、施工現場に適した製品や工法の提案に積極的に取組み、売上は前年を上回りました。電子材料製品は、半導体デバイス用途となる最先端の半導体に必要な電子材料の低メタル化精製技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。半導体デバイス需要の停滞と販売先における在庫調整の影響を受け、売上は前年を下回りました。利益面においては、電子材料製品は前年を下回りましたが、素形材製品や発泡材料製品においては利益が増加し、樹脂事業全体では前年を上回りました。この結果、当セグメントの売上高は10,731百万円(前年同期比+11.1%)、営業利益は663百万円(前年同期比+199.6%)となりました。
③ 水処理・資源開発事業水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水処理設備や、水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を行っています。官庁及び民間工事は共に、工事完工件数の増加や工事が順調に進捗したことにより売上は前年を上回りました。資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。温泉開発工事においては延期されていた案件が順調に進捗しました。一方で地熱掘削工事は案件の延期により、売上は前年を下回りました。メンテナンス事業及び環境薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は、計画通りに維持管理、修繕工事案件が進捗し、売上は前年を上回りました。環境薬剤事業は製品出荷量が増加したことにより売上は前年を上回りました。利益面においては、水処理事業における官庁・民間工事、温泉設備工事及び環境薬剤事業の売上が増加したことにより前年を上回りました。この結果、当セグメントの売上高は3,371百万円(前年同期比△3.4%)、営業利益は26百万円(前年同期比+20.6%)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の資産は95,586百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,330百万円増加しました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産や棚卸資産などの流動資産の増加によるものです。負債は28,221百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,144百万円増加しました。これは主に短期借入金などの流動負債の増加によるものです。純資産は67,365百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,186百万円増加しました。これは主に利益剰余金や為替換算調整勘定の増加によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ882百万円増加し、14,810百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は税金等調整前四半期純利益や減価償却費などによる資金増により、3,577百万円(前年同期は1,096百万円の資金獲得)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、有形及び無形固定資産の取得による支出などがあったため、2,967百万円(前年同期は1,106百万円の資金使用)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、配当金の支払いによる資金減などにより、25百万円(前年同期は260百万円の資金使用)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は709百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。