【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における国内の設備投資は、全体として堅調に推移しました。海外においては、前年度後半から半導体製造装置市場において需要にかげりが出始めましたが、半導体関連の工場建設需要は引き続き伸長しました。一方、半導体デバイス用途においては、前年度下期後半から需要が減速しました。国内自動車生産は、半導体不足や新型コロナウィルス感染拡大に伴う海外からの部品供給調達難といった生産への影響が徐々に改善され、前年を上回る台数となりました。また、国内の建築着工についても前年に比べ増加しました。こうした経営環境の中、当第1四半期連結累計期間の売上高は21,037百万円(前年同期比+25.5%)、営業利益は4,074百万円(前年同期比+97.0%)、経常利益は4,353百万円(前年同期比+79.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,765百万円(前年同期比+80.0%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
① 管材システム事業管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。樹脂バルブ等の基幹製品の販売は、引き続き半導体関連の大型工事案件に支えられ堅調に推移しました。樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業についても堅調に推移しました。その結果、国内の売上は前年を上回りました。海外では、米国、中国において半導体をはじめとした電子関連産業の設備投資に伴う好調な需要が継続し、また円安の影響もあり売上は前年を上回りました。半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、前年度下期後半から韓国における需要の停滞が継続しており、売上は前年を下回りました。利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、国内外で売上が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を上回りました。この結果、当セグメントの売上高は14,170百万円(前年同期比+31.0%)、営業利益は3,871百万円(前年同期比+85.1%)となりました。
② 樹脂事業自動車や建設機械等に必要な鋳物製造に用いる素形材製品では、お客様の製造品質や生産性の向上、臭気低減による作業環境の改善など、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでいます。また新規のお客様への営業活動を積極的に行っており、更に自動車生産台数の回復に伴い販売が堅調に推移して、売上は前年を上回りました。発泡材料製品は、現場施工により最終製品となることから、施工のしやすさに加え施工後の品質向上に取り組むことで、お客様への安心・安全の提供に取り組んでいます。現場発泡断熱材においては、ビル・マンション等の断熱施工案件に対してその需要を取り込むため当社の得意とする製品の設計折込みに注力し、またトンネル掘削用の土木材料では、施工現場に適した製品や工法の提案に積極的に取組み、売上は前年を上回りました。電子材料用途を主力製品とする高機能樹脂は、最先端の半導体に必要な電子材料の低メタル化精製技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。半導体の微細化に対応している国内大手レジストメーカー向けの低メタル製品の需要が引き続き堅調に推移し、売上は前年を上回りました。利益面においては、国内外で売上が増加したことや製品価格の改定を実施したことにより前年を上回りました。この結果、当セグメントの売上高は5,272百万円(前年同期比+13.8%)、営業利益は259百万円(前年同期比519.3%)となりました。
③ 水処理・資源開発事業水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水処理設備や、水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を行っています。半導体等の部材不足の影響で工事進捗が遅れていた一部の官庁及び民間工事において当該部材の入荷が改善し、工事完工件数の増加や工事が順調に進捗したことにより売上は前年を上回りました。資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。地熱発電に伴う掘削工事は着工案件が減少しましたが、温泉設備工事が順調に進捗したことにより、売上は前年を上回りました。メンテナンス事業及び環境薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は、計画通りに維持管理、修繕工事案件が進捗したことにより売上は前年並みとなり、環境薬剤事業は製品出荷量が増加したことにより売上は前年を上回りました。利益面においては、売上が増加したことで前年に比べ営業損失が減少しました。この結果、当セグメントの売上高は1,595百万円(前年同期比+21.1%)、営業損失は26百万円(前年同期の営業損失は83百万円)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の資産は87,865百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,609百万円増加しました。これは主に現金及び預金、棚卸資産などの流動資産の増加によるものです。負債は24,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ573百万円減少しました。これは主に未払法人税等などの流動負債の減少によるものです。純資産は63,361百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,182百万円増加しました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は357百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。