【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における国内の設備投資は、前期に引き続き半導体関連産業を中心に堅調に推移しました。一方海外においては、半導体製造装置市場において一部需要にかげりがではじめましたが、半導体関連の工場建設需要は引き続き伸長しました。半導体デバイスにおいても、需要は比較的堅調に推移しているものの一部メモリ分野において減速が見られました。国内自動車生産は、継続して半導体不足の影響を受けましたが前年を上回る生産台数となりました。また、国内の建設機械の生産台数は堅調に推移しました。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は56,379百万円(前年同期比+19.4%)となり、営業利益は8,473百万円(前年同期比+76.2%)、経常利益は8,744百万円(前年同期比+72.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、5,789百万円(前年同期比+71.6%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 管材システム事業管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。国内の設備投資において景況感に変化はなく、樹脂バルブ等の基幹製品については半導体関連の大型工事案件に支えられて販売が堅調に推移しました。樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業についても堅調に推移しました。その結果、国内の売上は前年を上回りました。海外では、米国、中国において半導体をはじめとした電子関連産業の設備投資に伴う好調な需要が継続しました。また円安の影響もあり売上は前年を上回りました。半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、韓国において需要の停滞が見え始めたものの、国内・海外ともに販売は伸長したことから、売上は前年を大きく上回りました。利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、国内外で売上高が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を大きく上回りました。この結果、当セグメントの売上高は35,722百万円(前年同期比+30.4%)、営業利益は7,846百万円(前年同期比+122.1%)となりました。
② 樹脂事業自動車や建設機械等に必要な鋳物製造に用いる素形材製品は、お客様の作業環境の改善や、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでいます。国内においては、お客様の製造品質の向上や作業時に発生する臭気低減につながる提案と新規のお客様への営業活動を行い、海外ではお客様の製造プロセスにおける歩留まり向上や品質を高める提案活動を継続して推進したことで売上は前年を上回りました。発泡材料製品は、現場施工により最終製品となる製品であることから、施工のしやすさに加え、吹付施工後の品質の向上に取り組むことで、お客様へ安心・安全を提供しています。現場発泡断熱材においては、当社の得意とするビル・マンション等の建築着工案件に対して、その需要を取り込むため製品の設計折込みに注力したことや、トンネル掘削用の土木材料では、施工現場に適した製品の提案型営業活動に取組んだことで、売上は前年を上回りました。電子材料用途を主力製品とする高機能樹脂は、最先端の半導体に必要な電子材料の低メタル化精製技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。半導体の微細化に対応している国内大手レジストメーカー向けの低メタル製品に加え、レガシー半導体向けの製品の需要が引き続き堅調に推移しました。FPD用途向けに加え、メモリ半導体用途の需要の減速が見られたものの、売上は前年を上回りました。利益面においては、高機能樹脂は前年を上回りましたが、素形材や発泡材料において原材料価格の上昇は落ち着いたものの、販売価格への反映が追いつかず、樹脂事業全体では前年を下回りました。この結果、当セグメントの売上高は15,122百万円(前年同期比+10.1%)、営業利益は436百万円(前年同期比△40.0%)となりました。
③ 水処理・資源開発事業水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水処理設備や、水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を行っています。請負工事案件の一部において着工の遅れに加え、半導体等の部材不足の影響で施工中の工事案件の進捗遅れが継続しました。また、前年度は大型の設備工事を行っていたこともあり売上は前年を大きく下回りました。資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。温泉設備工事において工事進捗の遅れがあったものの、地熱発電の掘削工事における大型案件が計画通りに進捗したことで、売上は前年を上回りました。メンテナンス事業及び環境薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は修繕工事案件が順調に進捗したこと、環境薬剤事業は、製品出荷量が増加したことにより売上は前年を上回りました。利益面においては、売上高の減少に加え固定費が増加したことにより前年を下回りました。この結果、当セグメントの売上高は5,535百万円(前年同期比△9.3%)、営業利益は142百万円(前年同期比△61.4%)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の資産は85,126百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,201百万円増加しました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産や電子記録債権、棚卸資産などの流動資産の増加によるものです。負債は26,358百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,300百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金や電子記録債務などの流動負債の増加によるものです。純資産は58,768百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,901百万円増加しました。これは主に利益剰余金や為替換算調整勘定の増加によるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は964百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。