【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における国内の設備投資は、前期に引き続き半導体関連産業を中心に堅調に推移しました。海外においても、半導体関連産業を中心に設備投資需要が伸長しました。半導体デバイスについても、引き続き堅調な需要が続きました。国内自動車生産は、上海ロックダウン解除後も継続する半導体不足の影響を受けましたが前年並みの生産台数となりました。また、国内の建設機械の生産台数は堅調に推移しました。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は35,938百万円(前年同期比+22.1%)となり、営業利益は5,339百万円(前年同期比+114.2%)、経常利益は5,839百万円(前年同期比+121.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、3,813百万円(前年同期比+112.2%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① 管材システム事業管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。国内の設備投資においては、前期より景況感に変化はなく、樹脂バルブ等の基幹製品については、半導体関連の大型工事案件に支えられて販売が堅調に推移しました。樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業についても堅調に推移しました。なお、高騰する原材料価格に対しては、製品価格の改定を行うなどの対応を取っております。それらの結果、国内の売上は前年を上回りました。海外では、中国においてロックダウンの影響を受けたものの、米国、韓国において半導体関連産業をはじめとした設備投資に伴う好調な需要が継続しました。また、円安の影響や製品価格の改定もあり、売上は前年を上回りました。半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、日本をはじめ、韓国、台湾、中国向けの販売が伸長したことから、売上は前年を大きく上回りました。利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、国内外で売上高が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を大きく上回りました。この結果、当セグメントの売上高は22,787百万円(前年同期比+33.5%)、営業利益は5,050百万円(前年同期比+165.8%)となりました。
② 樹脂事業
自動車や建設機械等に必要な鋳物に用いる素形材製品は、お客様の作業環境の改善や、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでおります。国内においては、お客様の製造品質の向上や作業時に発生する臭気低減につながる提案と新規のお客様への営業活動を行い、海外ではお客様の製造プロセスにおける歩留まり向上など品質を高める提案活動を継続して推進したことで売上は前年を上回りました。発泡材料製品は、現場施工により最終製品となる製品であることから、施工のしやすさに加え、吹付施工後の製品品質の向上に取り組むことで、お客様へ安心・安全を提供しています。現場発泡断熱材においては、当社の得意とするビル・マンション等の建築着工は前年に引続き堅調に推移しており、その需要を取り込むため、製品の設計折込みに注力したことや、トンネル掘削用の土木材料では、施工現場に適した製品の提案型営業活動に取組んだことで、売上は前年を上回りました。電子材料用途を主力製品とする高機能樹脂は、最先端の半導体に必要な電子材料の低メタル化精製技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。半導体の微細化に対応している国内大手レジストメーカー向けの低メタル製品に加え、レガシー半導体向けの製品の需要が引き続き堅調に推移しました。FPD用途向けの製品において需要の減速が見られましたが、半導体用途向けの販売が増えたことから売上は前年を上回りました。利益面においては、高機能材料は前年を上回りましたが、素形材や発泡材料において引き続き高騰する原材料価格への対応が追いつかず、全体では前年を下回りました。この結果、当セグメントの売上高は9,661百万円(前年同期比+10.0%)、営業利益は221百万円(前年同期比△52.0%)となりました。
③ 水処理・資源開発事業水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水資源を有効に活用できる水処理・水再生システムの設計・施工を行っています。施工中の請負工事案件の一部において、半導体等の部材不足の影響が収束せず、工事進捗の遅れが継続しました。また、前年度は大型の設備工事を行っていたこともあり売上は前年を大きく下回りました。資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。温泉設備工事において工事着工の遅れが発生したものの、地熱発電の掘削工事における大型案件が着工・進捗したことで、売上は前年を上回りました。メンテナンス事業及び環境薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は修繕工事案件の受注が増え、それらの工事に着手できたこと、環境薬剤事業は新たに公共施設向けの案件を落札し製品の納入を始めたことから、売上は前年を上回りました。利益面においては、売上高の減少に加え固定費が増加したことにより前年を下回りました。この結果、当セグメントの売上高は3,491百万円(前年同期比△2.4%)、営業利益は22百万円(前年同期比△59.3%)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の資産は80,407百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,482百万円増加しました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産などの流動資産の増加によるものです。負債は23,759百万円となり、前連結会計年度末に比べ701百万円増加しました。これは主に短期借入金などの流動負債の増加によるものです。純資産は56,648百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,781百万円増加しました。これは主に利益剰余金や為替換算調整勘定の増加によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ567百万円増加し、14,878百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は税金等調整前四半期純利益や減価償却費などによる資金増により、1,096百万円(前年同期は3,864百万円の資金獲得)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、有形及び無形固定資産の取得による支出などがあったため、1,106百万円(前年同期は841百万円の資金使用)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、配当金の支払いによる資金減などにより、260百万円(前年同期は1,499百万円の資金使用)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は599百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。