【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、COVID-19が5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行したことにより、経済回復が期待される一方で、主要産油国の原油増産抑制および急激な円安進行等による物価の上昇に加えて、ウクライナ情勢についても緊迫した状況が長期化するなど、先行きの見通しも不透明な状況にあります。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、COVID-19の感染拡大の影響を大きく受けておりましたが、昨年下半期以降徐々に需要が回復傾向にある状況下で4月29日に日本における渡航制限が撤廃されたのを背景に、海外旅行におきましては、2023年1月から6月における出国日本人者数は前年同期比で476.1%増の361万人となり、日本発着の国際線定期便がコロナ禍前の約6割まで運航便数が回復したことにより大幅に増加する結果となりました。また、新たな観光立国推進基本計画(2023年3月31日閣議決定)等を踏まえ、2022年10月からの入国制限の撤廃、東アジアを中心に増便・復便が続いたことで韓国及びシンガポールといったアジア地域からの増加に加え、欧米豪中東地域では特に米国や豪州等において2019年同月比を超える回復を見せるなどの顕著な増加傾向は続いており、訪日外客数は前年同期比で2,010.2%増の1,071万人と出国日本人数と同様に大幅に上回っております。(出典:日本政府観光局(JNTO))。また、国内旅行におきましては、ウィズコロナ政策の下で2022年10月から始まった「全国旅行支援」による政府の需要喚起策を受け、著しい回復傾向が見られました。
当社グループは、国内及び世界150か国の現地体験ツアーを専門に販売する日本最大級の旅行オンラインサービスを展開しており、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、(1)当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、(2)観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。
このような事業環境のもと、2023年5月のCOVID-19の5類への移行や海外諸国の渡航制限や入国制限の撤廃等を受け、海外、国内旅行ともに旅行マインドの高まりにより旅行需要が顕著に回復しつつあり、海外旅行事業における予約数は、2019年同期比で55%まで回復を示し、国内旅行事業及びHawaii Activitiesの事業においては、2019年同期の水準を大幅に上回る状態で推移しております。また、足元における訪日外客数の大幅な増加により、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業の取扱高も大きく伸長しております。
この結果、当第2四半期連結累計期間の営業収益は1,157,902千円(前年同期比225.6%増)となりました。なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業が919,989千円(前年同期比211.0%増)、観光IT事業が237,912千円(前年同期比297.9%増)となりました。
利益につきましては、COVID-19の全世界的な感染拡大が顕在化した2020年3月以降、全社的なコスト見直しと徹底的なコストコントロールに努めてまいりましたが、2022年第3四半期以降において、旅行需要の回復に応じた人員の増強及び収益獲得のための広告宣伝の強化の投資を進めており、コストの水準は徐々に増加傾向にあります。
以上により、営業損失は203,114千円(前年同期488,639千円の営業損失)、経常損失は233,003千円(前年同期435,721千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は254,505千円(前年同期464,502千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と、損益状況につきましては前年同期と比較して改善しております。
また、当社グループは、旅行関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態の分析
(流動資産) 当第2四半期連結会計期間末における流動資産は5,164,850千円と、前連結会計年度末比1,485,898千円増加しました。これは主に、現金及び預金が265,962千円、営業未収入金が1,147,169千円それぞれ増加したことによるものです。
(固定資産) 当第2四半期連結会計期間末における固定資産は601,973千円と、前連結会計年度末比228,981千円増加しました。これは主に、投資その他の資産に含まれる投資有価証券が100,000千円、差入保証金が119,037千円それぞれ増加したことによるものです。
(流動負債) 当第2四半期連結会計期間末における流動負債は4,581,251千円と、前連結会計年度末比1,910,506千円増加しました。これは主に、営業未払金が607,649千円、前受金が1,286,075千円それぞれ増加したことによるものです。
(固定負債) 当第2四半期連結会計期間末における固定負債は68千円と、前連結会計年度末から僅少な増加となりました。
(純資産) 当第2四半期連結会計期間末における純資産は1,185,504千円と、前連結会計年度末比195,627千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失254,505千円を計上したことによる利益剰余金の減少によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より265,962千円増加し、3,065,127千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動の結果増加した資金は499,333千円(前年同期は42,619千円の減少)となりました。これは主に、減価償却費70,732千円、仕入債務の増加596,587千円、前受金の増加1,273,559千円などの増加要因と、売上債権の増加1,140,770千円、税金等調整前四半期純損失233,003千円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動の結果減少した資金は303,520千円(前年同期は6,840千円の増加)となりました。これは、固定資産の取得による支出84,170千円、差入保証金の差入による支出119,350千円及び投資有価証券の取得による支出100,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動の結果増加した資金は4,648千円(前年同期は674,721千円の増加)となりました。これは、株式の発行による収入4,648千円によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
#C7048JP #ベルトラ #サービス業セクター