【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度は、長期ビジョン“Century
2025”の最終フェーズである4ヵ年の中期経営計画“Century
2025” Phase3の初年度にあたり、Phase1の「質」を高める取り組み及びPhase2の「信頼」を高める取り組みを継続しつつ、社会のサステナビリティへの貢献や働き方改革、次世代に向けた投資など新たな施策を実施し、「選ばれ続ける企業」を目指してまいりました。また、引き続き環境変化に柔軟に対応できる企業体制を構築しつつ、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け鋭意努力を重ねてまいりました。その結果、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。(財政状態)
(単位:百万円)
2021年度末(前連結会計年度末)
2022年度末(当連結会計年度末)
増減
増減率
主な増減要因
流動資産
125,742
115,512
△10,230
△8.1%
協力会社への支払条件の改善に伴い現金預金が減少
固定資産
57,866
56,793
△1,073
△1.9%
総資産
183,609
172,305
△11,303
△6.2%
流動負債
79,210
69,649
△9,560
△12.1%
協力会社への支払条件の改善に伴い電子記録債務や工事未払金が減少及び借入金の返済に伴い短期借入金が減少
固定負債
10,121
11,742
1,620
16.0%
負債計
89,331
81,392
△7,939
△8.9%
純資産
94,278
90,913
△3,364
△3.6%
自己株式の取得及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少
(経営成績)
(単位:百万円)
2021年度
2022年度
増減
増減率
主な増減要因
受注高
202,250
228,554
26,303
13.0%
次項<主要セグメント別経営成績>に記載のとおりであります。
次期繰越受注高
150,737
188,426
37,688
25.0%
売上高
193,189
190,865
△2,323
△1.2%
売上総利益
30,223
27,012
△3,211
△10.6%
(率)
(15.6%)
(14.2%)
(△1.4%)
営業利益
9,112
5,409
△3,703
△40.6%
(率)
(4.7%)
(2.8%)
(△1.9%)
経常利益
9,817
6,247
△3,570
△36.4%
(率)
(5.1%)
(3.3%)
(△1.8%)
親会社株主に帰属する当期純利益(率)
6,489(3.4%)
4,750(2.5%)
△1,738(△0.9%)
△26.8%
(注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。
<主要セグメント別経営成績>
〇建築設備事業
(単位:百万円)
ビル空調衛生、主に工場向けの空調設備を中心とする産業空調、電気設備及びファシリティシステムに関する事業等で構成されております。受注高は、ビル空調衛生及び産業空調の大型工事の受注により増加しました。売上高は前年同期並み、セグメント利益は工事完成時に利益改善傾向があるが、完成売上となる物件が減少したことで工事採算の改善が進まなかったこと等により減益となりました。
2021年度
2022年度
増減
増減率
受注高
160,504
194,809
34,304
21.4%
売上高
155,484
155,778
294
0.2%
セグメント利益
8,825
5,497
△3,327
△37.7%
〇機械システム事業
(単位:百万円)
主に搬送システム及び搬送機器に関する製造販売事業で構成されております。受注高は、大型工事を受注したことにより増加したものの、前期からの繰越工事が減少したことや大型の搬送設備工事が少なかったこと等により減収となり、セグメント損失は悪化しました。
2021年度
2022年度
増減
増減率
受注高
8,914
11,654
2,739
30.7%
売上高
9,666
7,661
△2,005
△20.7%
セグメント利益(△は損失)
△193
△1,055
△862
-
〇環境システム事業
(単位:百万円)
主に官公庁発注の上下水道施設及び廃棄物処理施設に関する事業で構成されております。受注高は、主に前年同期に大型の維持管理業務を受託及び廃棄物処理施設を受注したことによる反動等で減少しました。売上高は減収となりましたが、工事の採算性が全体として改善したこと等によりセグメント損益は改善しました。
2021年度
2022年度
増減
増減率
受注高
30,640
19,929
△10,710
△35.0%
売上高
25,842
25,200
△642
△2.5%
セグメント利益
184
805
620
335.6%
〇不動産事業
(単位:百万円)
主に保有不動産の賃貸業務と建物管理にかかわる事業を行っております。テナント賃貸収入が増加し増収となりましたが、光熱費が増加したこと等により減益となりました。
2021年度
2022年度
増減
増減率
受注高
2,410
2,471
61
2.5%
売上高
2,410
2,471
61
2.5%
セグメント利益
798
724
△74
△9.3%
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー(C/F)の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2021年度
2022年度
当期C/Fの増減要因
現金及び現金同等物期首残高
37,087
44,779
営業活動C/F
18,529
△10,584
主に売上債権の増加、取引先に対する支払条件の改善及び税金等の支払いを行ったことによるものであります。
投資活動C/F
△3,384
△969
主に有形・無形固定資産の取得が投資有価証券の売却を上回ったことによるものであります。
財務活動C/F
△7,518
△8,327
主に財務・資本政策に基づく配当金の支払い及び自己株式の取得によるものであります。
現金及び現金同等物に係る換算差額など
64
51
現金及び現金同等物期末残高
44,779
24,949
③ 生産、受注及び販売の実績当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。また、当社グループにおいては設備工事事業以外では受注生産形態をとっておりません。よって受注及び販売の状況については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。受注高及び売上高の状況a.受注高、売上高及び繰越高
期別
部門別
前期繰越高(百万円)
当期受注高(百万円)
計(百万円)
当期売上高(百万円)
次期繰越高(百万円)
前事業年度(自2021年4月1日至2022年3月31日)
設備工事事業
建築設備
ビ ル空調衛生
53,075
54,318
107,394
57,750
49,643
産業空調
26,466
59,915
86,382
55,176
31,205
電 気
15,040
27,552
42,592
24,599
17,993
ファシリティシステム
3,308
9,960
13,268
10,436
2,832
計
97,890
151,747
249,638
147,962
101,675
プラント設備
機 械システム
3,547
8,318
11,865
9,081
2,783
環 境システム
25,535
14,703
40,238
14,090
26,147
計
29,082
23,021
52,103
23,172
28,931
計
126,973
174,769
301,742
171,134
130,607
不動産事業
-
2,410
2,410
2,410
-
合計
126,973
177,179
304,152
173,544
130,607
当事業年度(自2022年4月1日至2023年3月31日)
設備工事事業
建築設備
ビ ル空調衛生
49,643
69,987
119,631
54,763
64,868
産業空調
31,205
75,548
106,753
56,159
50,594
電 気
17,993
28,370
46,364
25,515
20,849
ファシリティシステム
2,832
12,560
15,392
10,986
4,406
計
101,675
186,466
288,142
147,423
140,718
プラント設備
機 械システム
2,783
10,853
13,637
6,979
6,657
環 境システム
26,147
9,471
35,619
12,241
23,377
計
28,931
20,325
49,256
19,221
30,035
計
130,607
206,791
337,399
166,644
170,754
不動産事業
-
2,471
2,471
2,471
-
合計
130,607
209,263
339,870
169,116
170,754
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)に一致しております。
b.受注工事高
期別
区分
官公庁(百万円)
民間(百万円)
計(百万円)
前事業年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
建築設備
13,425
138,322
151,747
プラント設備
14,386
8,635
23,021
計
27,811
146,958
174,769
当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
建築設備
9,576
176,890
186,466
プラント設備
9,432
10,893
20,325
計
19,008
187,783
206,791
受注方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
期別
区分
特命(%)
競争(%)
計(%)
前事業年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
建築設備
55.9
44.1
100
プラント設備
19.5
80.5
100
当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
建築設備
55.7
44.3
100
プラント設備
29.0
71.0
100
c.完成工事高
期別
区分
官公庁(百万円)
民間(百万円)
計(百万円)
前事業年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
建築設備
17,607
130,355
147,962
プラント設備
14,311
8,861
23,172
計
31,918
139,216
171,134
当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
建築設備
12,581
134,842
147,423
プラント設備
11,920
7,301
19,221
計
24,501
142,143
166,644
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 前事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
㈱三越伊勢丹
三越日本橋本店施設総合CMプロジェクト 空調・衛生設備工事
大成建設㈱
栗田工業株式会社 Kurita Innovation Hub Technology Innovation Center 空調設備工事
清水建設㈱
豊田自動織機 石浜工場第Ⅰ期 空調・衛生設備工事
地方共同法人 日本下水道事業団
仙台市南蒲生浄化センター4号汚泥焼却設備工事 上下水設備工事
㈱大林組
Toyota Technical CenterShimoyama 衛生・電気設備工事
当事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
邑智郡総合事務組合
邑智クリーンセンター新可燃ごみ共同処理施設建設工事
㈱熊谷組
日本電産株式会社向日町プロジェクトC棟建築他工事
㈱大林組
日本生命新淀屋橋ビル新築工事
三井住友信託銀行㈱
大手町野村ビル
大成建設㈱
成田空港T3南側増築・アクセス通路他整備工事
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
d.次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
区分
官公庁(百万円)
民間(百万円)
計(百万円)
建築設備
12,585
128,133
140,718
プラント設備
19,269
10,766
30,035
計
31,854
138,900
170,754
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
清水建設㈱
日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発
<2026年3月完成予定>
双葉地方広域市町村圏組合
双葉地方広域市町村圏組合 南部衛生センター焼却施設整備工事
<2025年3月完成予定>
虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合
虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業に係るB-1街区施設建築物等新築(全体共用等工区)
<2024年6月完成予定>
㈱大林組
(仮称)天神一丁目北14番街区ビル新築工事
<2025年3月完成予定>
㈱竹中工務店
下山Ⅳ期施設建設工事 3号館
<2023年10月完成予定>
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態)
(単位:億円)
2020年度末
2021年度末(前連結会計年度末)
2022年度末(当連結会計年度末)
増減
総資産
1,713
1,836
1,723
△113
純資産
916
942
909
△33
自己資本
914
939
907
△32
自己資本比率
53.4%
51.2%
52.6%
1.4%
前連結会計年度との主な増減要因については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは次項「(経営成績)」に記載のとおり、中期経営計画“Century2025” Phase3で策定、開示した財務・資本政策に則り、資本効率の向上に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、自己株式の取得や、積極的な株主還元(増配)など資本効率の向上に努めてまいりました。
(経営成績)前連結会計年度との主な増減要因については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(単位:億円)
2020年度
2021年度
2022年度
増減
売上高
1,900
1,931
1,908
△23
売上総利益
287
302
270
△32
(率)
(15.1%)
(15.6%)
(14.2%)
(△1.4%)
経常利益
81
98
62
△35
(率)
(4.3%)
(5.1%)
(3.3%)
(△1.8%)
(注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。
当期は次の施策を実施してまいりました。○セグメント別の施策<建築設備事業>・都市部における大型再開発や、半導体、自動車関連で将来のレガシーとなる案件を多数受注・ファシリティシステム事業では、スタートアップ企業と連携し、業容拡大に向けた新サービスを開発中<機械システム事業>・物流市場向け新製品「リバースソータ®」「メリス・ビアンカ®」を開発、市場投入<環境システム事業>・下水処理場向け散気装置「エアロウイング」の世界販売好調 オーストラリアの大規模下水処理場で省エネルギー型散気装置を受注・「AIごみクレーンシステム」を納入・環境省「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」に参画・国土交通省「令和4年度下水道革新的技術実証事業」の実現可能性調査に、当社を含む共同研究体が提案した 「下水汚泥焼却灰の低コスト肥料化技術」が採択
上記施策のほか、次の全社的な施策を実施いたしました。 ・原価管理の徹底(内部統制プロセスの徹底)・協力会社との関係強化 支払条件を変更し、電子記録債権等による支払サイトを120日から60日に短縮 三機スーパーマイスター制度の実施 三機ベストパートナー制度の実施
また、“Century2025”Phase3の目標及び当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。Phase3最終年度(2025年度)の目標
(単位:億円)
2025年度
売上高
2,200
売上総利益
360
(率)
(16.5%)
経常利益
120
(率)
(5.5%)
(注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。
Phase3期間中の目標と結果
期間中の目標
実績
2022年度
経常利益率
5.0%以上
3.3%
配当性向
50%以上
87.4%
配当
年70円以上/株
年75円/株
自己株式取得
500万株程度(※2)
150万株
ROE(※1)
8.0%以上
5.1%
成長投資
200億円程度(※2)
32億円
※1 ROE=自己資本当期純利益率※2 計画期間中の累計
2022年度の成果・売上高の減少及び工事採算の改善が見込まれる完成売上物件の減少に伴う減益の影響により、経常利益率及び ROEの計画値については未達
・年間配当金は、中期経営計画目標値70円以上に対して75円に増配 ・自己株式は、計画値の30%を取得 ・成長投資は、IT投資等に32億円を実施
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金需要のうち主なものは、工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の支払によるものであります。運転資金等の必要資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。すなわち、貸倒引当金、完成工事補償引当金等各種引当金及び法人税等、並びに履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり収益を認識する方法を適用した工事の予定利益率等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社グループは建設業を営んでおり、収益計上の殆どを履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり収益を認識する方法により計上しております。そのため、同方法に基づき適正に計上することは当社グループにとって重要なプロセスであると認識しております。当社グループでは、同方法に基づき個々の工事契約について契約の締結状況、予定原価の見直し、工事進捗に応じた原価計上がされているかを精査のうえ、会計処理を行っております。これら手続きは標準的なプロセスとして整備・運用し、当連結会計年度においても適正な手続きを経て連結財務諸表に反映しております。なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
