【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢などを要因としたエネルギー価格高騰や物価上昇の中、主要各国において政策金利引き上げによるインフレ抑制策がとられるなど、不透明感の強い状況が続きました。わが国においては、為替が大きく変動する中、物価上昇や供給面の制約等の影響が見られました。一方、新型コロナウイルス感染症による経済への影響は収束に向かいました。
当社グループ(当社及び連結子会社)の主要取引先である鉄鋼、電子部品、化学、半導体、印刷・紙加工、食品など各メーカーの設備投資は、業種により強弱はあるものの一定の回復基調が続き、混乱が続いていたサプライチェーンの制約状態にも一部の半導体を除き緩和の兆しが見られました。
このような状況の下、当社グループはいかなる環境下においても成長できる企業グループの実現を目指し、当社グループのコア技術である画像処理、センシング及び光学技術の強化を進めたほか、生産性の向上や部材調達についての取り組みなどに努めました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて849百万円増加し17,002百万円となりました。負債は前連結会計年度末に比べて95百万円増加し2,397百万円となりました。純資産は前連結会計年度末に比べて754百万円増加し14,605百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、売上高9,155百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益1,182百万円(前年同期比109.7%増)、経常利益1,255百万円(前年同期比93.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益860百万円(前年同期比111.9%増)となりました。また、受注残高は5,529百万円(前年同期比26.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
プロセス事業
当事業においては、鉄鋼メーカーの設備投資意欲に回復の動きが見られ、受注が回復するとともに、売上高も前年同期比で増加しました。利益面においては、収益性の高い製品の割合が高かったことにより前年同期比で増加しました。
その結果、当事業の売上高は2,411百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は460百万円(前年同期比47.0%増)となりました。また、受注残高は1,710百万円(前年同期比44.0%増)となりました。
ウェブ事業
当事業においては、二次電池製造装置業界向けなどを中心に主力製品である耳端位置制御装置の受注高は堅調を維持しており、受注残高も高水準であるものの、サプライチェーンの混乱による影響により売上高は前年同期比で減少しました。利益面においては収益改善努力が奏功し、前年同期比で増加しました。
その結果、当事業の売上高は2,465百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は248百万円(前年同期比7.5%増)となりました。また、受注残高は1,540百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
検査機事業
当事業においては、フィルムや金属箔、不織布等多様な無地素材の検査に用いられる無地検査装置および農業分野向け選果設備向けなどの食品検査装置ともに顧客の設備投資意欲が回復に向かっており、売上高・利益共に前年同期を大幅に上回りました。
その結果、当事業の売上高は1,797百万円(前年同期比32.6%増)、セグメント利益は200百万円(前年同期比472.2%増)となりました。また、受注残高は1,252百万円(前年同期比83.0%増)となりました。
オプティクス事業
当事業においては、半導体検査装置向けの光学部品などの販売が堅調に推移しました。また、一部製品の生産性向上などにより利益率が向上し、これらの要因により売上高・利益共に前年同期を上回りました。
その結果、当事業の売上高は1,855百万円(前年同期比24.6%増)、セグメント利益は740百万円(前年同期比84.4%増)となりました。また、受注残高は814百万円(前年同期比13.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により135百万円増加し、投資活動により91百万円減少し、財務活動により476百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末と比べて415百万円減少し、2,752百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は135百万円(前年同期849百万円)となりました。これは主なフローインとして税金等調整前当期純利益1,249百万円、減価償却費267百万円などがあり、主なフローアウトとして売上債権及び契約資産の増加606百万円、棚卸資産の増加542百万円、法人税等の支払額216百万円などがあった事によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は91百万円(前年同期359百万円)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入53百万円、投資有価証券の売却による収入12百万円などがあったものの、固定資産の取得による支出216百万円などがあった事によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は476百万円(前年同期393百万円)となりました。これは主に配当金の支払額307百万円、社債の償還による支出100百万円、長期借入金の返済による支出63百万円などがあった事によります。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
プロセス事業(千円)
2,577,894
107.1
ウェブ事業(千円)
2,652,326
99.1
検査機事業(千円)
1,420,928
117.2
オプティクス事業(千円)
1,860,095
128.8
報告セグメント計(千円)
8,511,243
110.0
その他(千円)
604,935
147.5
合計(千円)
9,116,178
111.9
(注)金額は販売価格によっています。
(b)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高
(千円)
前年同期比(%)
プロセス事業(千円)
2,934,311
131.5
1,710,587
144.0
ウェブ事業(千円)
2,669,687
78.8
1,540,507
115.3
検査機事業(千円)
2,365,635
165.5
1,252,549
183.0
オプティクス事業(千円)
1,725,122
91.3
814,070
86.2
報告セグメント計(千円)
9,694,754
108.5
5,317,712
128.0
その他(千円)
612,851
95.4
211,369
94.5
合計(千円)
10,307,605
107.6
5,529,081
126.3
(c)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
プロセス事業(千円)
2,411,928
108.8
ウェブ事業(千円)
2,465,274
93.7
検査機事業(千円)
1,797,652
132.6
オプティクス事業(千円)
1,855,195
124.6
報告セグメント計(千円)
8,530,049
110.9
その他(千円)
625,219
147.6
合計(千円)
9,155,268
112.8
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されています。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし、合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。特に、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えています。
1) 貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積もり、貸倒引当金として計上しています。将来、顧客等の財政状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
2) 資産の評価
当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用していますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに収益性が低下していると判断される場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しています。実際の正味売却価額が当社グループの見積もりより悪化した場合には、評価損の追加計上が発生する可能性があります。
当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しています。市場価格のある株式については将来において時価が著しく下落し、回復する見込があると認められる場合を除き、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
3) 繰延税金資産
当社グループは、合理的で実現可能な事業計画又は予算に基づき将来の課税所得を見積もり、回収可能性を十分に検討し、繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得の見積もり額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。
4) 退職給付費用及び債務
当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するにあたり、採用した数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率)は、統計数値等により合理的な見積もりに基づいています。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来にわたって償却されるため、今後計上される退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べて849百万円増加して17,002百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少452百万円があったものの、売掛金の増加354百万円、投資有価証券の増加261百万円、原材料及び貯蔵品の増加246百万円、仕掛品の増加226百万円があった事によります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べて95百万円増加して2,397百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少160百万円、1年内償還予定の社債の減少100百万円があったものの、未払法人税等の増加205百万円、未払費用の増加110百万円があった事によります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて754百万円増加して14,605百万円となりました。これは主に配当金の支払307百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の増加860百万円、その他有価証券評価差額金の増加205百万円があった事によります。
なお、自己株式の消却414百万円により利益剰余金と自己株式が減少しています。
b.経営成績の分析
1)売上高の状況
当社グループは、製品・サービスの収益力強化に取り組むとともに、競争力強化・新規事業領域の開拓に向
けた事業展開を積極的に推し進めました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は9,155百万円となり、前連結会計年度と比べて12.8%増となりました。セグメント別の詳しい状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
なお、海外売上高については、アジア向けや欧州向け売上高の増加により、前連結会計年度と比べて43.0%増の2,025百万円となりました。
2)利益の状況
当連結会計年度における当社グループの利益の状況については、全社的なコストの削減及び継続的な生産性向上に努めた結果、営業利益は1,182百万円(前連結会計年度比109.7%増)となりました。経常利益は1,255百万円(前連結会計年度比93.2%増)、経常利益率は13.7%となり、期初予想の9.3%を上回りました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は860百万円(前連結会計年度比111.9%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指すため、財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、積極的な投資により成長に向けた競争力の強化を図ります。主な資金需要は、製品の原材料費、研究開発費、事業活動に必要な有形・無形固定資産投資、配当金支払などであり、その主な資金原資は、事業活動で積み上げた利益剰余金及び営業キャッシュ・フローです。また、資金の流動性については、自己資金で充分確保されています。 なお、配当金については、市場のニーズに応えうる研究・開発体制の強化、グローバル展開を進めるための投資、機動的な自己株式の取得など、持続的な成長と株主価値向上へ内部留保を活かすと共に、株主の皆様へ適切な利益還元を図るべく、連結配当性向40%以上かつ連結自己資本配当率(DOE)2%以上を利益還元目標としています。 当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
