【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の概要
当連結会計年度における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の継続、昨年末まで続いた中国における所謂「ゼロコロナ政策」による経済活動の停滞、米国をはじめ世界各国におけるインフレや金融引き締めなどの影響により、景気の減速感が強まりました。またコロナ禍下での「巣ごもり需要」の反動等の影響からIT機器の売上が減少し、IT業界の業績悪化や半導体需要の縮小を惹き起こしました。
国内においては、新型コロナウイルス感染対策の進展と行動制限の緩和により経済活動の正常化が進んだものの、為替相場が一時大きく円安に振れ、エネルギー価格や食料品価格の高騰と相まって物価上昇を招くなど、経済活動に大きな影響が及びました。
こうした状況下、当社グループにおいては半導体・液晶関連装置市場向け駆動システム商品の受注が調整局面を迎えたものの、自動車向け金型システム商品の需要が好調に推移し、受注高は21,958百万円(前年同期比1,969百万円、9.9%増)となりました。売上高は駆動システムの受注残の消化や、金型システムの売上増が大きく寄与し22,746百万円(前年同期比4,703百万円、26.1%増)となりました。
利益面に関しては、品種構成の変化、物流費の増加、電力料の高騰等の影響はあったものの増収効果が寄与し好調に推移しましたが、ドイツ現地法人において工場移転に伴う減収と一時的な移転費用が発生し、連結営業利益は1,284百万円(前年同期比50百万円、3.8%減)となりました。経常利益は為替差益118百万円やロイヤリティ119百万円等の営業外収益もあり1,533百万円(前年同期比95百万円、6.6%増)と増益となりました。
また、特別利益として政策保有株式売却益96百万円を計上した一方、機工・計測システムセグメントにおいて特別損失として固定資産減損損失76百万円を計上いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は906百万円(前年同期比342百万円、60.8%増)と大幅な増益となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、下記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて表示しております。
○ 駆動システム
当セグメントでは、半導体・液晶関連装置市場向け駆動システム商品の受注が第3四半期連結会計期間より生産調整局面を迎え、受注高は7,275百万円(前年同期比2,728百万円、27.3%減)となりました。一方売上高は潤沢な受注残を背景に生産体制増強に努めた結果8,966百万円(前年同期比595百万円、7.1%増)となりました。当セグメントの営業利益は、黒田精工単体としては過去最高を記録しましたが、海外子会社の移転に伴う減収と一時的な費用の増加等があり、1,030百万円(前年同期比107百万円、9.4%減)となりました。
○ 金型システム
当セグメントでは、車載用モーター向け金型及び周辺システムに加えモーターコア等の受注急増により、受注高は10,645百万円(前年同期比4,680百万円、78.5%増)と大幅な増加となりました。受注高の増加に伴い売上高も同様に9,798百万円(前年同期比3,813百万円、63.7%増)と大幅な増収となりました。
利益面においては、増収が寄与した一方で、急激な受注増に対応して増産する為に外注加工費・資材購入費・償却費・物流費等が増加し、営業利益は366百万円(前年同期比92百万円、33.7%増)となりました。
○ 機工・計測システム
当セグメントでは、自動車業界の生産減や部品納期の長期化等の影響を受けて受注高は4,055百万円(前年同期比22百万円、0.6%増)と横ばいで推移しましたが、受注残の消化と積極的な調達努力により、売上高は3,999百万円(前年同期比299百万円、8.1%増)と前年同期を上回りました。収益面では、子会社の事業縮小による収益減、原価上昇の影響や品種構成の変化もあって依然として厳しい状況が続いており、営業損失81百万円(前年同期は営業損失52百万円)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は25,402百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,355百万円増加しました。これは主に現金及び預金、棚卸資産の増加等により流動資産が2,638百万円増加し、建設仮勘定の増加等により固定資産が716百万円増加したことによるものです。
負債合計額は14,672百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,431百万円増加しました。これは主に短期借入金の増加等により流動負債が2,301百万円増加し、退職給付に係る負債の増加等により固定負債が129百万円増加したことによるものです。
また、当連結会計年度末の純資産は10,730百万円となり、前連結会計年度末と比較して923百万円増加しました。これは主に利益剰余金の増加等により株主資本合計が782百万円増加し、為替換算調整勘定の増加によりその他包括利益累計合計額が120百万円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に対し1,113百万円増の3,960百万円となりました。各キャッシュ・フロ-の状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は1,349百万円(前年同期は2,150百万円の増加)となりました。これは棚卸資産の増加650百万円、法人税等の支払695百万円等により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益1,569百万円、仕入債務の増加721百万円等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,429百万円(前年同期は716百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産等の取得1,418百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は1,149百万円(前年同期は748百万円の減少)となりました。これは主に短期借入れによる収入1,400百万円等により資金が増加した一方、長期借入金の返済1,013百万円等により資金が減少したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
駆動システム(千円)
9,413,839
7.2
金型システム(千円)
10,891,158
54.1
機工・計測システム(千円)
4,017,343
7.4
合計(千円)
24,322,342
24.1
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
駆動システム
7,275,645
△27.3
2,182,561
△43.6
金型システム
10,645,152
78.5
2,577,300
48.9
機工・計測システム
4,055,622
0.6
1,154,254
5.1
調整額
△17,756
40.5
–
–
合計
21,958,663
9.9
5,914,115
△11.8
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
駆動システム(千円)
8,966,051
7.1
金型システム(千円)
9,798,989
63.7
機工・計測システム(千円)
3,999,280
8.1
調整額(千円)
△17,756
40.5
合計(千円)
22,746,564
26.1
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
Lucid USA, Inc.
3,898,313
17.1
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。
・売上高
主要顧客である半導体・液晶関連装置市場向け駆動システム商品の受注が調整局面を迎えたものの、自動車向け金型システム商品の売上が好調に推移し、売上高は22,746百万円となり、前連結会計年度に比べ26.1%の増収となりました。
各セグメント別においては下記のとおりとなりました。
駆動システム8,966百万円(7.1%増)、金型システム9,798百万円(63.7%増)、機工・計測システム3,999百万円(8.1%増)と全事業において増収となりました。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、全社を挙げて生産性向上と収益改善活動に取り組んだものの、人件費の増加及び減価償却費の増加、電力料の高騰等の影響を受け、当連結会計年度の原価率は76.1%と前連結会計年度に比べ3.3ポイント増加しました。
販売費及び一般管理費については、売上高増加に伴い運賃荷造費・輸出諸掛等の増加とドイツ現地法人において工場移転に伴う一時的な移転費用が発生し、4,151百万円と前連結会計年度に比べ578百万円増加いたしました。
・営業損益
以上の結果、営業利益は1,284百万円と前連結会計年度に比べ3.8%の減少となりました。
・営業外損益及び経常損益
営業外収益は「為替差益」「受取ロイヤリティー」等により455百万円(前年同期比175百万円増)、営業外費用は「クレーム対策関連費用」「シンジケートローン手数料」等により207百万円(前年同期比30百万円増)の結果、経常利益は1,533百万円となり、前連結会計年度に比べ6.6%の増加となりました。
・特別損益
特別利益として投資有価証券売却益等を113百万円(前年同期比86百万円増)、特別損失として機工・計測システムセグメントにおいて固定資産の減損損失等77百万円(前年同期比349百万円減)を計上しております。その結果、税金等調整前当期純利益は1,569百万円となり、前連結会計年度に比べ51.2%の増加となりました。
・親会社株主に帰属する当期純損益
税金等調整前当期純利益から法人税等合計647百万円(前年同期比187百万円増)と非支配株主に帰属する当期純利益15百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、906百万円となり、前連結会計年度に比べ60.8%の増加となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに財源及び資金の流動性についての分析
・キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は1,349百万円(前年同期は2,150百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は1,429百万円(前年同期は716百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は1,149百万円(前年同期は748百万円の減少)となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,960百万円となり前連結会計年度末に比較し1,113百万円の増加となりました。
・資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・外注加工費の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
・資金の調達と流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における借入及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,501百万円となり前連結会計年度末に比較し、1,504百万円の増加となりました。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
