【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、緩やかに持ち直しているものの、エネルギーを中心に消費者物価は上昇が続いており、消費者マインドは弱い動きとなっております。また、世界的な金融引締めが進む中で金融資本市場の変動や物価上昇、供給面での下振れリスクも高まっており、中国におけるゼロコロナ政策の終了に伴う感染の再拡大やウクライナ情勢なども加わり、景気回復への道のりは厳しいように思われます。
当社グループにおける出版物・雑貨等の輸出事業は、文具・雑貨類の販売は好調、学術図書販売も好調に推移いたしましたが、音楽ソフトが足踏み状態、語学書が低調のため、微減収となりました。また、洋書・メディアの輸入事業は、語学書販売、ネット事業者向けの販売ともに堅調に推移いたしましたが、K-POPに関しては、新譜の受注は好調であったものの、前年極めて好調であった旧譜の受注が反動減となり、減収となりました。
利益面では、利益率の改善に取り組み、営業面では成果の出た部分があったものの、本社建替えに伴うテナント退出の影響を受け不動産部門の原価が大幅に悪化したことに加え、給与・賞与の引き上げ、本社建替えに伴う新規倉庫及び新規オフィスの賃借料の発生、新規顧客の開拓を目的とした海外出張の再開等の要因により経費が増加した結果、営業利益は減益となりました。
営業外損益に大きく影響を与える為替につきましては、前年度が1千6百万円の為替差益であったのに対し、当年度は円安の影響により2千9百万円の為替差益となったものの、経常利益は減益となりました。
なお、前年度計上した移転関連費用の取り崩しによる特別利益を、本社建替えに伴う倉庫移転費用、事務所移転費用、本社跡地に建設する賃貸マンション建設資金の借り入れに伴う手数料が発生したため、特別損失を計上いたしました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高72億5千9百万円(前年同四半期比0.3%減)、営業利益2億3百万円(前年同四半期比13.7%減)、経常利益2億3千2百万円(前年同四半期比14.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9千6百万円(前年同四半期比47.7%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメントの業績は以下のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメント区分の変更をしております。詳細は、「第4経理の状況1四半期連結財務諸表(セグメント情報等)Ⅱ当第3四半期連結累計期間の3.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照下さい。
(出版物・雑貨輸出事業)
前年好調に推移した文具・雑貨につきましては、北米を中心に新規取引先の開拓のほか既存顧客からの受注も増加しており好調に推移、大学図書館からの受注も好調でありましたが、巣ごもり需要が一服した影響からか、音楽ソフト販売は足踏み状態、アメリカにおいて日本語テキストの海賊版が拡大した影響により販売減、中国向けにはゼロコロナ政策により出荷の低迷が続き、微減収となりました。
利益面では、本社建替えに伴う費用、賃金の引き上げ、新規開拓を目的とした海外出張の再開等の要因により経費増となったものの、採算の悪い商品群に対して値上げを実施、利益率の改善が果たせたことから、営業利益は増益となりました。
その結果、当部門の売上高は16億7千万円(前年同四半期比1.0%増)、営業利益は1億2千8百万円(前年同四半期比16.5%増)となりました。
(洋書事業)
コロナ禍の中オンライン授業が増加し、紙ベースの英語テキストの需要がやや減退、入国規制の緩和がなされる中でもインバウンド需要はコロナ前に戻るに至らず主要書店での店頭販売不振は続いておりますが、入国規制の緩和が進み東南アジアを中心とする留学生の入国が増加していることから日本語テキスト販売が回復していることに加え、オンライン英会話の生徒増、メディア事業の一部を洋書事業に移管した効果もあり、増収となりました。
利益面では、メディア事業一部移管による影響で経費は大きく増加したほか、本社建替えに伴う費用、賃金の引き上げ等の要因でも増加しましたが、増収の効果により営業損失は減少いたしました。
その結果、当部門の売上高は15億5千7百万円(前年同四半期比65.0%増)、営業損失は6千1百万円(前年同四半期の営業損失6千6百万円)となりました。
(メディア事業)
主力商材であるK-POPにつきましては、新譜の受注は好調に推移しているものの、前年極めて好調であったBTSの旧譜受注は反動減、加えて洋楽は新譜の発売タイトル数が急減、音響関連商品の販売も低迷を続けております。ネット事業者向けの販売は堅調に推移、代理店商品販売では一定の成果を上げることができ、オリジナル商品制作にも注力しておりますが、メディア事業の一部を洋書事業に移管した影響も加わり減収となりました。
利益面では、原価率は前年並み、事業移管した部分では経費が大きく減少しましたが、本社建替えに伴う費用、賃金の引き上げ等による経費増加要因もあり、営業利益は減益となりました。
その結果、当部門の売上高は30億4千1百万円(前年同四半期比22.5%減)、営業利益は1億8百万円(前年同四半期比41.9%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
本社でのテナント事業は、建替えに向けてテナントの退出が相次いでおり、減収、減益となっております。なお、12月をもってすべてのテナントの退出が完了いたしました。1月より解体工事に入る予定であります。
その結果、当部門の売上高は2千9百万円(前年同四半期比45.1%減)、営業利益は6百万円(前年同四半期比79.4%減)となりました。
財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ15億9千1百万円減少し55億1百万円となりました。
これは主に流動資産で、売掛金が13億9千5百万円、前渡金が2億1千2百万円、返品資産が2億1千3百万円それぞれ減少したことが要因です。大学等への英語教科書の春季販売分の回収により売掛金及び返品資産が減少しております。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ17億6千8百万円減少し、34億8千7百万円となりました。
これは主に流動負債で支払手形及び買掛金が14億9千9百万円、契約負債が2億1千万円、返金負債が2億5千4百万円減少した一方、長期借入金が1億7千万円増加したことが要因です。大学等への英語教科書の仕入代金支払により買掛金及び返金負債が減少した一方、資金の安定化を図るため借入金が増加しております。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は20億1千4百万円となり前連結会計年度末に比べ1億7千7百万円増加しております。
為替換算調整勘定が1億1百万円、親会社株主に帰属する当四半期純利益の計上により利益剰余金が9千6百万円増加した一方、配当金の支払いにより利益剰余金が2千万円減少しております。
以上の結果、自己資本比率は36.6%(前連結会計年度末は25.9%)となり10.7ポイント増加しております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。