【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における医療用医薬品市場は、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、治療薬・検査キットなどの関連製品の需要が高まったこと等によりプラス成長となりました。当社グループにおいては、新型コロナウイルス関連製品の売上が拡大したことに加え、がん治療薬などの新薬、スペシャリティ医薬品、希少疾病用医薬品の売上が伸長し、堅調に推移しました。当社グループは引き続き、従業員やその家族、お得意先、患者様等の安全のため、感染防止に最大限努めるとともに、医療提供体制の維持に貢献すべくワクチンや針・シリンジ、治療薬等の新型コロナウイルス関連製品の配送に尽力しました。顧客支援システムにつきましては、機能強化しましたアプリ版のオンライン診療・服薬指導システム「KAITOS」、初診受付サービス、薬局本部システム「ミザル」等の提案活動に積極的に取り組むとともに、当社子会社のエンタッチが提供するリモートディテーリングを活用したオンラインによるプロモーションも開始しました。物流機能につきましては、TBCダイナベースの立地および機能を製薬メーカーからご評価いただき、卸物流に加えメーカー物流の要望を多く受け、TBCダイナベースを活用したメーカー物流にも取り組んでおります。なお、レオ ファーマ株式会社からは当社グループの高機能な物流体制、緊急時への対応とこれまでの受託実績をご評価いただき、2023年1月よりレオ ファーマ株式会社が自社販売を開始する尋常性乾癬治療剤「ドボネックス®軟膏 50μg/g」の流通業務を受託することとなりました。また、中長期的経営戦略の一つとして、成長分野における最先端技術の取り込みや枠にとらわれない協業の推進と積極的な投資を進めており、その一環として、2023年4月より国立研究開発法人産業技術総合研究所と連携研究ラボを設立し、医療アクセスにおけるさまざまな課題を解決するための共同研究を実施することで合意しました。当第3四半期の連結業績は、売上高1,057,814百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益8,552百万円(前年同期比54.1%増)、経常利益13,428百万円(前年同期比35.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益9,534百万円(前年同期比38.0%増)となりました。
セグメントの業績の概略は以下のとおりです。医薬品卸売事業においては、スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定する製品の売上が引き続き順調に拡大しました。また、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴いコロナ治療薬・検査キットの需要が高まり、業績に大きく寄与しました。医療機関との価格交渉につきましては、ジェネリック医薬品や解熱鎮痛剤等の出荷調整への対応により面談時間が十分に取れない中、個々の製品価値と流通コストに見合った価格交渉を一層推進し、利益水準の維持・向上に努めました。一方で、医薬品市場の環境変化に迅速に対応するため、営業拠点の再編やMS支援システム「新型メイサ」の導入など営業サポート体制の強化に取り組みました。これらの取り組みの結果、当第3四半期の医薬品卸売事業の売上高は1,019,985百万円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益(営業利益)は6,778百万円(前年同期比85.8%増)となりました。調剤薬局事業においては、診療報酬改定への対応を進めるとともに、採算性を重視した新規開局や閉局を行いました。また、SNSを活用した服薬指導やオンライン服薬指導、処方せん送信アプリの利用促進など、デジタルツールの活用による患者サービスの向上にも努めました。その結果、売上高は68,843百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益(営業利益)は1,738百万円(前年同期比23.8%減)となりました。医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、需要に基づく計画的な生産体制を構築することで、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。また2022年12月にジェネリック医薬品1成分2品目を新たに発売するなどラインナップの拡充を図り、2022年12月末時点でのジェネリック医薬品の販売製品は89成分208品目となりました。その結果、売上高は7,442百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益は715百万円(前年同期比3.5%増)となりました。その他周辺事業においては、売上高は4,939百万円(前年同期比18.9%増)、セグメント利益(営業利益)は449百万円(前年同期比45.5%増)となりました。(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の状況(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて18.7%増加し、609,192百万円となりました。これは、現金及び預金が18,658百万円、受取手形及び売掛金が56,382百万円、商品及び製品が15,146百万円それぞれ増加したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて2.2%減少し、185,189百万円となりました。これは、有形固定資産が3,156百万円減少したこと等によります。この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて13.1%増加し、794,382百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて27.5%増加し、513,629百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が98,817百万円、1年内償還予定の社債が20,008百万円それぞれ増加し、短期借入金が3,674百万円、未払法人税等が3,465百万円それぞれ減少したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて30.7%減少し、40,369百万円となりました。これは、長期借入金が1,502百万円増加し、社債が20,023百万円減少したこと等によります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて20.1%増加し、553,998百万円となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.4%減少し、240,383百万円となりました。これは、利益剰余金が7,322百万円増加した一方、自己株式が7,387百万円増加したこと等によります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は336百万円であります。
(5)主要な設備前連結会計年度末において計画中であった設備投資については、以下の通り完了しております。・提出会社の北陸物流センター「TBC北陸」新設のための建物及び設備 2022年5月・㈱セイエルの鳥取営業所移転のための土地、建物 2022年4月