【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における医療用医薬品市場は、2022年4月に実施された診療報酬改定において、薬剤費ベースで6.69%の薬価基準の引き下げが行われるなど、引き続き医療費抑制策の影響を受けましたが、がん治療薬などの新薬・スペシャリティ医薬品の伸長や、新型コロナウイルス感染症の第七波ともいわれる更なる流行拡大に伴い治療薬・検査キットなどの関連製品の売上が拡大したことによりプラス成長となりました。当社グループは引き続き、従業員やその家族、お得意先、患者様等の安全のため、感染防止に最大限努めるとともに、医療提供体制の維持に貢献すべくワクチンや針・シリンジ、治療薬等の新型コロナウイルス関連製品の配送に尽力いたしました。顧客支援システムにつきましては、オンライン診療・服薬指導システム「KAITOS」の機能を見直し、ユーザーの利便性が高いアプリ版をリリースいたしました。また、コロナ禍における診療予約やオンライン診療のニーズに応じて、その導入と合わせてホームページの充実を図る医療機関が増えており、「病院なびホームページ作成サービス」の需要が高まっております。「初診受付サービス」につきましては月7万6千人を超える患者様にご利用いただくなど引き続き順調に拡大しており、当社グループの利益の底上げに寄与しております。物流機能につきましては、TBCダイナベースの立地および機能をメーカー様からご評価いただき、卸物流に加えメーカー物流の要望を多く受け、TBCダイナベースを活用したメーカー物流にも取り組んでおります。また、シスメックス株式会社とともに高度な冷凍輸送が必要となる精度管理試料の供給において、定温搬送装置「サルム」を活用したドライアイスフリー輸送の取り組みも開始いたしました。7月にはグループ経営の最適化と組織のスリム化による生産性の向上を目的に、営業拠点の統廃合をはじめとした組織の大幅な見直しを行いました。また、個人の能力と適性に基づいた人事異動を実施し、新たな人材の登用や配置転換、女性社員の管理職への登用を積極的に行うとともに、社内研修制度の充実も進めております。当第2四半期の連結業績は、売上高679,719百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益4,084百万円(前年同期比119.2%増)、経常利益7,392百万円(前年同期比53.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,598百万円(前年同期比10.0%増)となりました。なお、当社連結子会社である九州東邦株式会社が独立行政法人国立病院機構または独立行政法人労働者健康安全機構を発注者とする九州エリアの医療用医薬品の入札に関する独占禁止法違反容疑で、2021年11月9日に公正取引委員会から立入検査を受けており、この事案について今後発生しうる損失額を見積もり、独占禁止法関連損失として1,400百万円を特別損失に計上しております。
セグメントの業績の概略は以下のとおりです。医薬品卸売事業においては、スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定する製品の売上が順調に拡大したことに加え、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴いコロナ治療薬・検査キットの需要が高まり、売上に大きく寄与いたしました。顧客支援システムにつきましては、需要予測に基づく自動発注機能により発注や配送の効率化と店舗在庫の適正化に貢献する薬局本部システム「ミザル」等の提案活動に注力いたしました。また、後発医薬品の供給停止や出荷調整への対応により、医療機関との価格交渉の時間が制限される中、個々の製品価値と流通コストに見合った価格提示に努めました。これらの取り組みの結果、当第2四半期の医薬品卸売事業の売上高は654,820百万円(前年同期比9.7%増)、セグメント利益(営業利益)は3,331百万円(前年同期比194.7%増)となりました。調剤薬局事業においては、診療報酬改定への対応を進めるとともに、採算性に基づく新規開局や閉局を行いました。また、顧客支援システムを活用した業務の合理化・効率化やコンプライアンスの徹底につきましても継続して取り組んでおります。ICTの活用による業務効率化および患者サービスの向上につきましては、山形県酒田市にある共創未来あきほ薬局が本年10月から実施されている「電子処方箋のモデル事業」に参画し、電子処方箋の活用事例や課題の収集に努めております。当第2四半期の調剤薬局事業における業績は、4月に実施された薬価改定および調剤報酬改定の影響を受け、売上高は45,089百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益(営業利益)は878百万円(前年同期比33.3%減)となりました。医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、計画的な生産体制の構築により、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に引き続き取り組みました。また今年8月にジェネリック医薬品1成分2品目の製造販売承認を取得するなどラインナップの拡充を図り、2022年9月末時点でのジェネリック医薬品の販売製品は88成分206品目となりました。その結果、売上高は4,838百万円(前年同期比20.1%増)、セグメント利益は478百万円(前年同期比53.3%増)となりました。その他周辺事業においては、売上高は3,309百万円(前年同期比23.9%増)、セグメント利益(営業利益)は246百万円(前年同期比145.2%増)となりました。(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の状況(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて7.5%増加し、551,459百万円となりました。これは、現金及び預金が7,868百万円、受取手形及び売掛金が24,329百万円、商品及び製品が2,050百万円それぞれ増加したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.0%減少し、189,190百万円となりました。これは、投資有価証券が2,977百万円増加し、有形固定資産が2,567百万円減少したこと等によります。この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.4%増加し、740,650百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて12.4%増加し、452,792百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が36,990百万円、1年内償還予定の社債が20,013百万円それぞれ増加し、短期借入金が3,668百万円、未払法人税等が2,684百万円それぞれ減少したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて27.6%減少し、42,215百万円となりました。これは、長期借入金が2,162百万円増加し、社債が20,023百万円減少したこと等によります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて7.4%増加し、495,007百万円となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1.8%増加し、245,642百万円となりました。これは、利益剰余金が2,515百万円、その他有価証券評価差額金が2,045百万円それぞれ増加したこと等によります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し7,841百万円増加しました。その結果、当第2四半期連結累計期間末の資金残高は97,855百万円(前年同期比731百万円増加)となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、10,693百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期比900百万円減少)となりました。これは、資金増加要因として、税金等調整前四半期純利益6,012百万円を計上、減価償却費2,919百万円、仕入債務の増加額36,716百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額24,070百万円、棚卸資産の増加額1,891百万円、未払消費税等の減少額1,384百万円、法人税等の支払額6,348百万円があったこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、407百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前年同期比1,037百万円増加)となりました。これは、資金増加要因として、有形固定資産の売却による収入679百万円がありましたが、資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出502百万円、無形固定資産の取得による支出431百万円、関係会社株式の取得による支出254百万円があったこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、2,960百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前年同期比758百万円減少)となりました。これは、資金増加要因として、長期借入れによる収入3,610百万円がありましたが、資金減少要因として、長期借入金の返済による支出5,044百万円、配当金の支払額1,058百万円があったこと等によるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は300百万円であります。
(6)主要な設備前連結会計年度末において計画中であった設備投資については、以下の通り完了しております。・提出会社の北陸物流センター「TBC北陸」新設のための建物及び設備 2022年5月・㈱セイエルの鳥取営業所移転のための土地、建物 2022年4月