【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 経営成績 当連結会計年度期末において、「新型コロナ問題」の影響が出ております。しかし、当連結会計年度当初に掲げました「働き方改革」につきましては、改革が大きく前進し、当社グループ全体にとって大きな成長機会をもたらしております。一方、人手不足はグループ全体の継続的な経営課題であり、その対策として新卒採用に力を入れております。2019年4月の新卒採用では、グループ全体で総勢45名を採用いたしました。
ITセグメントが注力する流通小売・金融分野においても、人材不足や働き方改革などを背景として、業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)への設備投資需要が2018年から増加基調にあり(出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「2019年1月25日付ニュースリリース」)、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)やFintechの活用、大口顧客からの店舗省力化システム開発など、新たな需要が拡大してきました。従前からのSEサービスやサーバー機器等の販売も、受注が順調に推移しました。 一方、暮らしTechセグメントが注力する不動産市場においては、新設住宅着工戸数が、2025年度には73万戸、2030年度には63万戸と減少する見込みであるのに対し、リフォーム市場は2030年まで年間5~6兆円規模での横ばいが予想されておりました(出典:株式会社野村総合研究所「2019年6月20日付ニュースリリース」)。とりわけ、空き家・空室は大きな社会問題であり、空き家・空室にさせない、賃貸需要を喚起する賃貸住宅のリノベーションのニーズは今後とも高く、賃貸の集客サイトであるgoodroomを運営する暮らしTechセグメントにおいて、リノベーションの受注が順調に推移しました。 このような状況の中、当連結会計年度の売上高は5,758百万円となり、前連結会計年度比15.3%の増加となりました。売上原価は4,009百万円となり、前連結会計年度比12.3%の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は1,367百万円となり、前連結会計年度比23.1%の増加となりました。過半を人件費が占めるため、生産性の向上が重要な課題と考えております。 以上の結果、営業利益381百万円(前年同期比23.0%増)、経常利益383百万円(前年同期比27.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は255百万円(前年同期比28.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。ITセグメントITセグメントは、SEサービスビジネス、請負ビジネス及び物販ビジネスの3つから構成されています。 SEサービスビジネスにおいては、従来からの保守業務について主要顧客と業務のアウトソーシングが進捗したほか、流通小売・金融分野での売上が順調に推移しました。 請負ビジネスにおいては、第1四半期連結会計期間での次期店舗省力化システム開発及び基幹システム改善開発の大口顧客、第2四半期連結会計期間での軽減税率対応システム改修開発に加えて、第3四半期連結会計期間にPOSシステム刷新開発の大口顧客向けの開発が始まるなど、受注が切れ目なく続き、セグメント売上高の成長に貢献しました。 物販ビジネスでは、サーバー等機器販売が引き続き好調に推移しました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,398百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益(営業利益)は461百万円(前年同期比107.9%増)となりました。
暮らしTechセグメント 暮らしTechセグメントは、リノベーションビジネス、不動産仲介ビジネス、オペレーションビジネス、メディアビジネスの4つから構成されています。なお、前期までの不動産仲介オペレーションビジネスは、当期より不動産仲介ビジネスとオペレーションビジネスに分けております。 リノベーションビジネスでは、goodroom(www.goodrooms.jp/)を活用したTOMOSリノベーションパッケージの拡販が、リノベーション全般に対する高い需要に支えられ堅調に推移いたしましたが、大型物件の一部で工程遅延が発生し、利益が抑えられました。尚、当連結会計期間内に工程の見直しを終了しましたが、「新型コロナ問題」等の影響を受け、更に若干工程遅延が起きました。 不動産仲介ビジネスでは、goodroomサイトを利用し仲介手数料を得る事業を中心に展開しましたが、業績が伸び悩んだため、第3四半期連結会計期間に業務効率を見直し、仲介ビジネスの相当部分について外部委託を活用することで、第4四半期連結会計期間に向けた業務体制を整えました。 オペレーションビジネスでは、薬院(福岡)、呉服町(福岡)、本町(大阪)、有楽町(東京)、要町(東京)の5拠点をシェアオフィス及びサービスアパートメントへの先行投資として、当期に開設しております。尚、5拠点が当期間内に順次稼働し、更に稼働率の向上に伴い売上並びに利益に貢献し始めることで、先行投資のキャッチアップが進捗しております。 メディアビジネスでは、goodroomサイトの広告手数料増収施策として、賃貸物件管理会社開拓を強化し、メディアによる反響課金の増加を図りました。また、goodroomサイトのマンスリー・アクティブ・ユーザー数(MAU)の向上のため、継続的に広告活動やサイト改善に取り組み、2020年3月におけるMAUは、引越需要に向けて96万人(前年同期比43.2%増)に達しております。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は、2,360百万円(前年同期比24.2%増)、セグメント損失は(営業損失)93百万円(前年同期は営業利益59百万円)となりました。
生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前期比(%)
IT
2,263,165
4.2
暮らしTech
1,155,415
39.2
合計
3,418,581
13.9
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は、製造原価によっております。3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前期比(%)
IT
217,182
△14.0
暮らしTech
373,715
17.8
合計
590,898
3.7
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
IT
3,435,728
+12.7
533,430
7.5
暮らしTech
2,320,396
+24.3
174,472
△18.6
合計
5,756,124
+17.1
707,903
△0.4
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
IT
3,398,600
9.9
暮らしTech
2,360,272
24.3
合計
5,758,873
15.3
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
日本NCR㈱
733,745
14.7
793,949
13.8
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態(資産) 当連結会計年度期末における総資産は2,831百万円となり、前連結会計年度末に比べ268百万円増加いたしました。これは、売掛金及び受取手形の150百万円の増加、棚卸資産が75百万円の減少、有形固定資産の増加29百万円、無形固定資産の増加37百万円、新規資本業務提携等による投資有価証券の増加20百万円、敷金の差入による差入保証金58百万円の増加、繰延税金資産64百万円の増加、現預金の34百万円の減少等によるものであります。 ITセグメントの当連結会計年度期末の資産は1,555百万円で前連結会計年度末に比べ342百万円増加いたしました。これは、請負案件の増加に伴う売掛金の増加、新規ソフトウェア開発による無形固定資産の増加などによるものであります。 暮らしTechセグメントの当連結会計年度期末の資産は1,042百万円で前連結会計年度末に比べ202百万円増加いたしました。これは、リノベーション売上に伴う受取手形および売掛金の増加、新規のシェアオフィス、サービスアパートメントの拠点の開設に伴う有形固定資産の増加、敷金の差入による差入保証金の増加などによるものであります。(負債) 当連結会計年度期末における負債は1,150百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円減少いたしました。これは、賞与引当金17百万円の増加、未払法人税等40百万円の増加及び買掛金の110百万円の減少、長期借入金の8百万円の減少等によるものであります。(純資産) 当連結会計年度期末における純資産は1,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ324百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が255百万円の増加、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による資本金37百万円、資本剰余金31百万円の増加等によるものであります。
(3) キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末と比べ34百万円減少し、880百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における営業活動の結果、収入は44百万円(前連結会計年度比50.0%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益381百万円、減価償却費29百万円、賞与引当金の増加17百万円、棚卸資産の減少75百万円に対して、売上債権の増加150百万円、仕入債務の減少110百万円、未払金及び未払費用等その他の負債の増加18百万円、差入保証金の支払57百万円、その他法人税等の支払額148百万円があったこと等によるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における投資活動の結果、支出は127百万円(前連結会計年度比238.6%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出59百万円、ソフトウェア取得による無形固定資産の支出39百万円、投資有価証券取得による支出20百万円等によるものであります。 財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における財務活動の結果、収入は48百万円(前連結会計年度比91.6%減)となりました。これはオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資等による収入が68百万円、長期借入金の返済による支出15百万円があったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金を安定的に確保し、グループ内で効率的に活用することとしており、原則として自己資金を中心に賄い、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を行うことを基本としております。 当社グループは現段階を成長過程の途上と考えており、IPO及びその後の営業活動で得た資金は既存事業の安定的成長及び新規分野の成長の資金にすると共に、成長の基礎を作る研究開発に充当する方針としております。またその成長資金の資金需要を充たすために、自己資金に加えて金融機関からの借入を活用し、株主価値が希薄化する安易な株式市場からの調達は慎重に対処することとしております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。① 新型コロナ問題新型コロナ問題による政府が発出した緊急事態宣言を受けて、足元の業績に売上高減少等の影響が生じております。2020年9月末に新型コロナ問題がある程度収束することを前提に、固定資産の減損及び税効果会計等におきましては、当該業績への影響が2021年3月期末まで続くものと仮定し、将来キャッシュ・フロー及び繰延税金資産の回収可能性等の見積りを行っております。また、「新型コロナ問題」による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社及び連結子会社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は新型コロナ問題等、経営環境の外部要因を加味して作成した第6期中期経営計画の数値に基づき見積もっております。当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。③ 完成工事補償引当金完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を過去の補償実績を基礎にした一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。④ 工事進行基準による売上高および売上原価の計上成果の確実性が認められるソフトウェア請負案件およびリノベーション工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により売上高を計上しています。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、売上高及び売上原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。⑤ 固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、セグメント別、各社ごとに資産のグルーピングを行っております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは第6期中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいたキャッシュ・フローが得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
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