【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染対策の緩和で回復基調にあったものの、中国経済の低迷や世界的な物価高騰及び金融引締めの影響により停滞感が強まりました。わが国経済におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行し、堅調な個人消費により緩やかな回復基調にあるものの、大幅な円安及び資源価格の高止まりによる消費者物価の上昇や外需下振れに伴う過剰在庫を警戒する局面に入るなど、先行きは依然として不透明な状況が続くものと思われます。このような状況のもと、当社グループの売上高は前年同期比1.2%増加の7,952百万円となりました。利益面では、原材料価格分の価格是正に取組んだこと並びに在外子会社の利益改善を行った結果、営業利益は前年同期比89.3%増加の839百万円、経常利益は前年同期比83.1%増加の935百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比85.9%増加の618百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。[化学品事業]化学品事業においては、環境関連向け高機能繊維は溶剤回収用途等が、断熱材用樹脂は倉庫等の非住宅向けがそれぞれ堅調に推移しました。一方、電子材料関連向け樹脂はスマートフォンやパソコン等の需要低迷の影響を、工作機械向け樹脂は、米欧の利上げや中国の景気低迷による影響を、また、自動車関連向けも半導体不足の影響も緩和され国内生産台数は回復してまいりましたが、中国市場の低迷の影響を受け、それぞれ低調に推移した結果、売上高は前年同期比1.1%減少の6,345百万円となりました。原材料価格分の価格是正に取組んだこと並びに在外子会社の利益改善を行った結果、セグメント利益(営業利益)は前年同期比71.7%増加の709百万円となりました。[食品事業]食品事業においては、行動制限の緩和によって経済活動の活発化の影響により飲料市場が回復したこと及び原材料価格高騰分の価格是正を行った結果、売上高は前年同期比11.4%増加の1,545百万円、セグメント利益(営業利益)は90百万円(前年同期3百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。[不動産活用業]不動産活用業は、ほぼ前年並みで推移した結果、売上高は前年同期比1.2%増加の61百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比19.8%増加の39百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は前連結会計年度末と比べ1,800百万円増加し、56,401百万円となりました。これは、主に保有株式の時価上昇による投資有価証券が増加したことと設備投資による有形固定資産の増加によるものであります。負債合計は前連結会計年度末と比べ751百万円増加し、9,245百万円となりました。これは、確定給付企業年金への移行に伴う拠出で退職給付に係る負債の減少があったものの、設備投資に伴う設備関係未払金の増加及び保有株式の時価上昇による繰延税金負債の増加によるものです。純資産合計は前連結会計年度末と比べ1,048百万円増加し、47,156百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したこと及び保有株式の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は328百万円であります。