【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
経営成績等の状況
新型コロナウイルス感染症の影響は徐々に収束に向かってまいりましたが、当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、米国、中国の対立やロシアによるウクライナ侵攻の影響等により海外経済の不確実性が高まり、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは、中期スロ-ガンとして「安心をお届けする不二精機グループ」を掲げ、品質管理体制の徹底強化によるグループ一体となった顧客満足の更なる追求を図り、精密金型のコア技術をもとに自動車及び二輪車などの成形事業分野への積極的な展開を行い、顧客への高付加価値製品の提供による安定受注の拡大に努めてまいりました。
また、「『考動』で価値を創る」をグループ全社員の行動規範とし、「お客様の利益の最大化」を目標に、新たな価値創造、また「5S活動」を基本とする着実な品質改善活動に取り組んでおります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末に比べ3億44百万円(3.9%)減少し、84億45百万円となりました。
流動資産は、主に現金及び預金が1億2百万円増加し、一方、受取手形及び売掛金が1億83百万円、仕掛品が88百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2億円(4.4%)減少し、43億77百万円となりました。
固定資産は、主に投資その他の資産が16百万円増加し、一方、有形固定資産が1億56百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億44百万円(3.4%)減少し、40億68百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ2億45百万円(4.1%)減少し、57億44百万円となりました。
流動負債は、主に短期借入金が1億23百万円増加し、一方、契約負債が1億7百万円、賞与引当金が42百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億30百万円(3.2%)減少し、40億8百万円となりました。
固定負債は、主に長期借入金が90百万円、リース債務が19百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億14百万円(6.2%)減少し、17億35百万円となりました。
純資産は、主に為替換算調整勘定が1億4百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ99百万円(3.6%)減少し、27億1百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.1ポイント増加し、32.0%となりました。
(2) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間の売上高は、射出成形用精密金型及び成形システム事業で減少したものの、精密成形品その他事業で増加したことにより、前年同四半期比1億67百万円(8.6%)増加の21億26百万円となりました。
損益につきましては、射出成形用精密金型及び成形システム事業において受注環境が厳しさを増したこと、精密成形品その他事業において半導体不足や原材料価格の高騰等の影響で特にタイ、中国上海の現地法人の利益率が低下したことにより、営業利益は、前年同四半期比94百万円(51.3%)減少の89百万円となりました。前年同四半期では計上のあった為替差益が為替差損に転じ、営業外損益が22百万円悪化したことにより、経常利益は、前年同四半期比1億16百万円(60.3%)減少の76百万円となりました。特別損益項目、法人税等を加え、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期比97百万円(65.3%)減少の51百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、以下の記載はセグメント間の内部売上高又は振替高を含んだ金額によっております。
<射出成形用精密金型及び成形システム事業>
医療機器用精密金型の売上高が前年同四半期に比べ増加した一方で、特に自動車部品用精密金型の売上高が前年同四半期に比べ減少したことなどにより、当セグメントの売上高は、前年同四半期比73百万円(8.3%)減少の8億3百万円となりました。受注環境が厳しさを増す中、原材料価格の上昇などの影響を受け、セグメント利益は、前年同四半期比42百万円(49.8%)減少の42百万円となりました。
なお、個別受注生産である当事業の未検収の受注残高は一時的に低下しましたが、徐々に回復してきております。
<精密成形品その他事業>
主力製品である自動車部品用成形品は東南アジア市場を中心に中期的な受注をいただいており、売上高はタイ及びインドネシアの子会社では前年同四半期に比べ増加した一方、中国上海の子会社では前年同四半期に比べ減少したことなどにより、当セグメントの売上高は、前年同四半期比2億25百万円(19.8%)増加の13億59百万円となりました。セグメント利益は、半導体不足や原材料価格の高騰等の影響により前年同四半期比37百万円(42.8%)減少の50百万円となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は11百万円であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第1四半期連結累計期間に重要な変更はありません。