【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
経営成績等の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、依然として新型コロナウイルス感染症の影響により、それまでの雇用情勢や所得環境の改善による景気の緩やかな回復基調は一変し、米国、中国の対立やロシアによるウクライナ侵攻の影響も懸念されるなど海外経済の不確実性が高まり、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは、中期スロ-ガンとして「安心をお届けする不二精機グループ」を掲げ、品質管理体制の徹底強化によるグループ一体となった顧客満足の更なる追求を図り、精密金型のコア技術をもとに自動車及び二輪車などの成形事業分野への積極的な展開を行い、顧客への高付加価値製品の提供による安定受注の拡大に努めてまいりました。
また、「『考動』で価値を創る」をグループ全社員の行動規範とし、「お客様の利益の最大化」を目標に、新たな価値創造、また「5S活動」を基本とする着実な品質改善活動に取り組んでおります。
(1) 財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末に比べ11億19百万円(13.7%)増加し、92億97百万円となりました。
流動資産は、主に現金及び預金が3億30百万円、受取手形及び売掛金が2億81百万円増加し、一方、製品が1億28百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ9億77百万円(24.2%)増加し、50億15百万円となりました。
固定資産は、主に有形固定資産が2億18百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億41百万円(3.4%)増加し、42億81百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ4億77百万円(8.0%)増加し、64億60百万円となりました。
流動負債は、主に短期借入金が1億91百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2億79百万円(5.8%)増加し、51億13百万円となりました。 固定負債は、主に長期借入金が2億47百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億97百万円(17.2%)増加し、13億47百万円となりました。
純資産は、主に為替換算調整勘定が4億1百万円、利益剰余金が2億13百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ6億41百万円(29.2%)増加し、28億37百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.7ポイント増加し、30.5%となりました。
(2) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の売上高は、射出成形用精密金型及び成形システム事業の売上高が減少した一方、精密成形品その他事業の売上高が増加したことにより、前年同四半期と同等の57億59百万円となりました。
損益につきましては、射出成形用精密金型及び成形システム事業、精密成形品その他事業の収益性がいずれも低下したことにより、営業利益は前年同四半期比1億40百万円(27.0%)減少の3億79百万円となりました。為替差益、雑収入の増加により営業外収益が12百万円増加し、支払利息などの減少により営業外費用が10百万円減少したことにより、経常利益は前年同四半期比1億18百万円(22.2%)減少の4億14百万円となりました。特別損益項目、法人税等を加え、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期比1億64百万円(35.9%)減少の2億93百万円となりました。
なお、中国上海市で新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に実施されたロックダウンにより、同市の子会社(上海不二精机有限公司)の事業活動全般の停止を余儀なくされ、同期間中の固定費等を「新型コロナウイルス関連損失」として特別損失項目で表示しております。ロックダウンの解除以降、工場の稼働率は徐々に回復し、現在は平常通りの操業となっております。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。なお、以下の記載はセグメント間の内部売上高又は振替高を含んだ金額によっております。
<射出成形用精密金型及び成形システム事業> 自動車部品用精密金型が増加したことから、当セグメントの売上高は前年同四半期比61百万円(2.6%)増加の24億62百万円となりましたが、主力製品であり利益率の高い医療機器用精密金型の売上高が前年同四半期に比べ減少し、セグメント利益は前年同四半期比52百万円(19.3%)減少の2億20百万円となりました。
なお、個別受注生産である当事業の未検収の受注残高は安定的に推移しております。
<精密成形品その他事業> 主力製品である自動車部品用成形品は東南アジア市場、中国市場において中期的な受注をいただき、当セグメントの売上高は、前年同四半期比69百万円(2.0%)増加の34億89百万円となりましたが、品質管理体制の強化の影響もあり、セグメント利益は前年同四半期比98百万円(41.7%)減少の1億38百万円となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありませんが、新型コロナウイルス感染症の動向については今後の経過を引き続き注視してまいります。
現在、射出成形用精密金型及び成形システム事業の各工場(松山、中国の常州)、自動車部品用成形品を主力製品とする精密成形品その他事業の各工場(国内子会社、タイ、インドネシア、中国の上海)は安定的に稼働しております。
引き続き、今後の市場及び主要顧客からの情報収集を徹底し、生産設備のメンテナンスや品質管理体制の整備・従業員研修などを重点的に実施してまいります。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13百万円であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に重要な変更があったものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名
(所在地)
セグメントの
名称
設備の内容
投資予定金額
資金
調達
方法
着手及び完了予定年月
完成後の
増加能力
総額
(千円)
既支払額
(千円)
着手
完了
提出会社
鈴鹿工場
(三重県鈴鹿市)
精密成形品
その他事業
機械装置 他
(変更前)
146,652
(変更後)
160,043
144,225
自己資金
及び借入金
2021年
3月
(変更前)
2022年4月予定
(変更後)
2023年4月予定
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(注)鈴鹿工場の完了予定を当初の予定から2023年4月へと変更いたしました。