【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかに持ち直しているものの、原油価格等の高騰などエネルギー価格の高止まり、それに伴う原材料価格の高騰、及び日米金利差拡大による円安ドル高の進行など、一進一退を繰り返す状況となっております。当社グループの主要取引先であります紙パルプ業界の動向は、国内につきましては板紙及び衛生用紙等の需要は横ばいで推移しておりますが、新聞用紙及び印刷情報用紙の需要は、新型コロナウイルス禍以前の水準までは回復に至らず減少傾向が続いております。海外につきましては、アジア地域において通販市場の拡大に伴う板紙及び衛生用紙の需要があるものの、新聞用紙及び印刷情報用紙は国内と同様に需要の減少傾向が続くと見込まれるなど、厳しい状況が継続しております。これを受け、当社は世界的な紙の需要減を見込み、抄紙用フエルトのコスト競争力を強化するべく生産体制の最適化を進めると同時に、原材料価格等の高騰によるコスト上昇に対応するため、前年度より製品価格への転嫁を推進してまいりました。加えて、品質面では衛生用紙向けベルトが世界的に評価され、拡販につなげるべく積極的な受注活動を行ってまいりました。このような状況の中、前年度後半から実施しました国内製品価格改定、海外ベルトの増販に加え、為替が円安に推移した影響により、連結売上高は3,240百万円(前年同期比5.4%増)、連結営業利益は191百万円(前年同期比259.3%増)、連結経常利益は342百万円(前年同期比33.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は199百万円(前年同期比1.4%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。<抄紙用具関連事業>(日本)内需につきましては、抄紙用フエルトはコスト上昇分を製品価格へ転嫁したものの需要の減少により販売数量及び金額が減少いたしました。輸出につきましては、抄紙用ベルトは受注活動を推進したことにより販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は2,043百万円(前年同期比2.5%増)、セグメント利益は465百万円(前年同期比13.6%増)となりました。(北米)抄紙用フエルトは、市場競争激化により販売数量が減少いたしました。抄紙用ベルトは、顧客の生産調整により販売数量が減少いたしました。これにより、売上高は417百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益は5百万円(前年同期比82.1%減)となりました。(欧州)抄紙用ベルトは、受注活動を推進したことにより販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は520百万円(前年同期比39.2%増)、セグメント利益は26百万円(前年同期比249.1%増)となりました。
(中国)抄紙用フエルトは、衛生用紙向けに受注活動を推進したことにより販売数量が増加いたしました。これにより、売上高は54百万円(前年同期比23.7%増)、セグメント利益は16百万円(前年同期比57.0%増)となりました。(タイ)抄紙用フエルトは、販売製品の選択と集中を行ったため販売数量が減少いたしました。一方為替影響により、売上高は80百万円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益は14百万円(前年同期比27.0%減)となりました。<工業用事業>工業用フエルトは、輸出向けの販売数量が減少いたしました。この結果、売上高は124百万円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益は18百万円(前年同期比25.4%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ667百万円増加し、27,311百万円となりました。これは主として現金及び預金が172百万円、商品及び製品が115百万円、投資有価証券が404百万円増加したことによるものです。 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ166百万円増加し、7,294百万円となりました。これは主として繰延税金負債が181百万円増加したことによるものです。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ501百万円増加し、20,016百万円となりました。これは主としてその他有価証券評価差額金が301百万円増加したことによるものです。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は78百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。