【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績に関する説明
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、年末年始にかけて再度増加した新型コロナウイルスの新規感染者が春先には減少傾向が続き個人消費の動向は大幅に上向きで推移いたしました。新型コロナウイルス感染拡大予防措置に係る様々な規制が緩和され、飲食、旅行、運輸業界等の業績が新型コロナウイルス発生前の状況に回復しつつあります。一方、ロシアによるウクライナ侵攻は依然として解決の方向が見えず、エネルギー価格の上昇や為替相場の下落から様々な物品やサービスの値上がりが継続しております。
当業界においては、昨年末まで日本卸電力取引市場の取引単価が一定の水準で高止まっておりましたが、年明けには低下に転じ春先から小康状態が継続しております。その反面、大手電力会社(旧一般電気事業者)の電力製造コストは上昇したままとなっており、産業用の電力については大手電力会社の電力供給契約が相次いで市場連動型に移行しております。また、一般消費者の電力料金については値上げ要請を各社が申請しておりますが、政府は値上げ幅等の見直しを要請し値上げを留保する状況となっております。
このような状況のもと、当社の省エネルギー支援サービス事業に関しては、既存プロジェクトがプロジェクト開始から相当の期間が経過し満期終了となることで、これに係る売上高は減少しております。一部のプロジェクトでは、引き続き設備のメンテナンス実施や省エネルギーのノウハウを活かした改修を実施する等、業容維持に努めております。当四半期連結会計期間では設備保全費用が増加し減収減益となりましたが一定の利益水準維持に努めております。
グリーンエナジー事業における発電事業においては、3月にエフオン壬生が定期自主検査を実施したほかは、大きなトラブルはなく堅調に推移いたしました。エフオン新宮発電所の稼働が連結業績に貢献し前年同期と比較した業績は増収増益となりました。当四半期連結会計期間には当社グループのエフオン白河発電所がFIP制度(フィードインプレミアム(Feed-in Premium))に移行しております。本期間のFIP制度下の業績は従前のFIT制度下の想定収益を上回る結果となりました。これらの発電事業の業績を支える当社グループの山林事業では、積極的な伐採施業を推進しグループ発電所への未利用木材の供給に貢献しているほか、外部販売にも注力し収益改善に努めております。
その他のセグメントにおける電力小売事業は、市場連動型の電力供給契約の獲得に注力し一定の成果を挙げることができました。グループ発電所の発電する電力をトレーサビリティ付の非化石証書と合わせたグリーン電力として、二酸化炭素排出係数の極めて低い電力を顧客へ販売しております。営業利益ベースでは前年同期と比較して改善傾向にあり、引続き当社グループ発電所が作る二酸化炭素フリーの再生可能エネルギー電気の販売を通じて社会貢献を果たしてまいります。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高12,959百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益1,437百万円(前年同期比38.9%増)、経常利益1,403百万円(前年同期比52.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益967百万円(前年同期比32.7%増)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当第3四半期連結累計期間においては、省エネルギー支援サービス契約の満期終了により既存プロジェクトに係る売上高は前年同期と比較して減少しております。エネルギー供給型の契約に代わり設備保守等のメンテナンス分野で新たにプロジェクト維持に係る契約がスタートしております。当第3四半期連結会計期間では実施したメンテナンス費用により業績が落ち込んだものの、プロジェクト自体は堅調に推移しており一定の利益水準を維持してまいります。なお、セグメント間の内部売上高はグループ内発電所建設に係るもので、完工により対前年同期では大幅に減少しております。
当第3四半期連結累計期間の本事業セグメントの業績は、売上高では367百万円(前年同期比85.8%減)、セグメント損失は4百万円(前年同期12百万円の利益)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当第3四半期連結累計期間においては、エフオン壬生発電所が約15日間の定期自主検査を行いました。その他の発電所は順調に稼働しております。当期上期よりエフオン新宮発電所が稼働したことにより電力売上高は過去最高額となりました。第1四半期中エフオン新宮発電所が建設工事を進めていたため、確保した燃料の外部借入燃料置き場からの横持運賃や置き場賃料の負担が収益を圧迫する状況でありましたが、稼働によりこれらの費用負担が減少したこと、稼働による収入が増加したこと等により収益が大幅に増加する結果となりました。
当第3四半期連結累計期間の本事業セグメントの業績は、売上高で12,717百万円(前年同期比30.5%増)、セグメント利益1,615百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
※FIP制度(フィードインプレミアム(Feed-in Premium))
再生可能エネルギー電気の導入促進を図るため2012年に施行されたFIT制度(固定価格買取制度 Feed-in Tariff)が電力市場とは切り離されていることから、電力の需要と供給のバランスにより価格が決まる電力市場の価格と連動した発電を促す制度として2022年4月に開始された制度。再生可能エネルギー発電事業者に対し市場価格とFIT価格との差額を一定の条件のもとプレミアム(補助額)として支給するもの。
②財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、エフオン新宮発電所の稼働により売掛金のほか現金及び預金が増加いたしました。有形固定資産では建設仮勘定が減少し本勘定に振替、山林事業に係る立木や事業用土地の取得によりそれぞれの本勘定科目取得額や無形固定資産の電気供給施設利用権が増加した一方、稼働により減価償却が進んだことにより全体の資産残高は減少しております。これらの結果、前連結会計年度より426百万円減少し46,814百万円となりました。
負債合計は、短期借入金やメンテナンス費用引当金、収益増加に伴う未払法人税等が増加し、新宮発電所建設に伴う未払金が支払により減少したほか、長期借入金の返済により全体としての負債残高は減少いたしました。負債の合計は、前連結会計年度末より1,220百万円減少し28,481百万円となりました。
純資産合計は、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度より793百万円増加し18,332百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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