【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、各国のコロナ感染リスクの低下や中国のゼロコロナ政策の実質解除などにより持ち直しが期待される一方で、物価高騰の持続や金融システム不安などを背景に減速傾向となりました。わが国においても、海外需要の減少や物価高騰による個人消費の伸び悩みなど、大変厳しい状況となりました。
このような経営環境において、当社は、長期経営ビジョン”世界中で認められ、求められる「モノづくりソリューショングループ」を目指す”のセカンドステージとして、持続可能な成長重視の4つの戦略(事業拡大戦略・環境戦略・人財戦略・財務戦略)を掲げた新中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」をスタートさせ、欧州市場開拓の足掛かりとして、グループ会社の日東精工アナリテックが、ドイツ・デュッセルドルフを拠点とした子会社を設立しました。また、環境戦略に基づくCO2排出量の削減、人財戦略に基づく従業員の健康増進、財務戦略に基づく資金管理の最適化など、企業価値向上のための施策を推進しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は109億1千2百万円(前年同期比15.7%増)、営業利益は6億7千5百万円(前年同期比15.6%増)、経常利益は7億4千8百万円(前年同期比12.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億3千9百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ファスナー事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界を中心に生産は回復傾向にあるものの、半導体不足に起因する需要先の生産調整による市場在庫の増加、資源価格の高止まりや原材料価格の高騰などにより、売上・利益ともに厳しい状況となりました。
このような状況のもと、「ギヤ部品」や「二次加工製品」の需要の増加を見据えた設備の増強、自動車関連業界を中心に評価が高い「ジョイスタッド」の用途別ラインナップの拡充など、需要の拡大を図ると同時に、ドイツで開催の展示会(Fastener Fair Global 2023)を利用したヨーロッパ市場の開拓に努めました。また、輸送および生産効率の向上、CO2排出量の削減を図るため、生産工場を中心とする事業環境の集約を推進しました。
この結果、売上高は79億8千万円(前年同期比15.1%増)、営業利益は4億1千万円(前年同期比12.3%増)となりました。
産機事業につきましては、自動車のCASEに関わる設備や住宅・建築業界の省人化対応設備を中心に堅調に推移する一方で、資源や原材料価格の高騰を背景とする需要先の設備投資の抑制により、標準機、自動組立ラインともに厳しい状況となりました。
このような状況のもと、省人化対応としての人との協働ロボットの需要増加を見据え、テックマンロボット社製協働ロボットTMシリーズの「TM Plug&Play」に対応したねじ締めユニット「PD400TM」シリーズを開発しました。また、労働生産性の向上、変動費の見直しによる環境負荷の低減とコストの削減に取り組みました。
この結果、売上高は15億9千3百万円(前年同期比29.0%増)、営業利益は2億5千6百万円(前年同期比24.8%増)となりました。
制御事業につきましては、流量計は、カーボンニュートラルに伴う新燃料の需要に加え、半導体業界における洗浄液用の需要が伸長しました。システム製品は、自動車関連業界向け検査装置が後半より回復してきました。
このような状況のもと、販路の見直しによる事業領域の拡充に努めました。また、液体の密度、粘度、温度、圧力の変化の影響を受けないなど、幅広い用途に対応できる電磁流量計「マグフロー」を市場投入し拡大を図りました。
この結果、売上高は13億2千8百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益は3千万円(前年同期比20.1%減)となりました。
メディカル事業につきましては、医療業界においては、団塊世代の高齢化など、医療を必要とする高齢者が増加する一方で、就業世代の人口は減少を続けており、高品質かつ効率的な医療の提供が課題となっております。
このような状況のもと、「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」の早期製品化に向け、引き続き一貫製造設備の構築と非臨床試験に向けた試料の製作、性能試験に取り組みました。併せて、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に基づくガバナンス体制の構築を推進しました。
この結果、売上高は1千万円(前年同期比695.6%増)、営業損失は2千1百万円(前年同期は営業損失2千4百万円)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5千万円減少し、533億5千7百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億5千7百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が5億5千5百万円、電子記録債権が4億8千2百万円減少したことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億4千2百万円減少し、184億6千3百万円となりました。これは主に、未払法人税等が4億5千2百万円、未払金が2億6千万円減少したことなどによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億9千2百万円増加し、348億9千4百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1億4千2百万円、為替換算調整勘定が1億3千2百万円増加したことなどによるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億8千8百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。