【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当期におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進む中で持ち直しの動きがみられました。一方で世界的な金融引き締めが続き、物価上昇や急激な為替の変動など景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの事業領域につきましては、データセンター関連や電気自動車関連からの需要が好調に推移しました。部品材料不足による商品供給納期は改善傾向にあるものの依然長期化は続いており、また一部の顧客で在庫調整の動きが見られるなど厳しい事業環境が続きました。 このような状況の中、当社グループは、顧客起点の徹底による営業力の強化と生産性向上を目的とする営業働き方改革を実践するとともに、労働力不足や脱炭素などの社会的な課題に対し、ロボット・センサ・5G・IoT・AIなどの技術を活用しお客様にとって新しい価値を提供することに取り組み、事業規模の拡大と収益力の向上に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高231億21百万円(前期比23.9%増)、営業利益11億1百万円(同比100.7%増)、経常利益11億39百万円(同比93.6%増)、投資有価証券評価損2億円を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は5億99百万円(同比51.7%増)となりました。
また、当社グループにおいて重要な経営指標と位置付けている売上高営業利益率は4.8%となり、引き続き経営基盤の強化を図りながら、中長期的な観点で収益性を伴った企業価値の向上に努めてまいります。
① 売上高
売上高は、前連結会計年度より44億65百万円増加し、231億21百万円(前期比23.9%増)となりました。
(電気機器・産業用システム)
電気機器につきましては、部品材料不足に起因する納期の長期化による影響が続く中、データセンターや電気自動車関連向けに配電制御機器やFA機器が伸長しました。産業用システムにつきましては、鉄鋼関連や物流倉庫関連向けシステム案件が伸長しました。
この結果、部門全体では売上高109億15百万円(前期比14.4%増)となりました。
(電子デバイス・情報通信機器)
電子デバイスにつきましては、需給逼迫は一部の部材で緩和の兆しがみられるものの依然として予断を許さない状況が続いておりますが、産業機器向けは市場流通在庫品も含めた物量確保により伸長しました。情報通信機器につきましては、企業向けの大口案件の受注などによりパソコン及び周辺機器が伸長しました。
この結果、部門全体では売上高77億27百万円(前期比38.1%増)となりました。
(設備機器)
設備機器につきましては、商品供給状況の改善が進む中、設備投資需要が好調に推移し、食品関連や物流倉庫関連向けに空調機器及び関連工事が伸長しました。
この結果、部門全体では売上高43億71百万円(前期比28.1%増)となりました。
(太陽光発電)
太陽光発電につきましては、概ね想定どおりに発電し売上高1億7百万円(前期比0.8%増)となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度より36億41百万円増加し、195億12百万円(前期比22.9%増)となりました。売上高に対する売上原価の比率は0.7ポイント減の84.4%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より2億71百万円増加し、25億6百万円(同比12.1%増)となりました。
③ 営業外損益、特別損益及び、親会社株主に帰属する当期純利益
営業外収益は、前連結会計年度より0百万円減少し、41百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度より1百万円増加し、4百万円となりました。
特別利益は、前連結会計年度より0百万円増加し、0百万円となりました。
特別損失は、前連結会計年度より2億円増加し、2億円となりました。
以上の結果、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は5億99百万円(同比51.7%増)、自己資本比率は57.9%となりました。また1株当たり当期純利益は262円19銭となりました。
(2)財政状態
① 資産
当連結会計年度末における資産合計は212億89百万円(前連結会計年度末比28億56百万円増)となりました。
流動資産は185億33百万円(同比29億67百万円増)となりました。これは主に売掛金の増加26億32百万円、商品の増加13億45百万円、電子記録債権の増加4億99百万円、現金及び預金の減少17億円などによるものです。
固定資産は27億56百万円(同比1億10百万円減)となりました。これは主に建物及び構築物の減少64百万円、機械及び装置の減少42百万円、投資有価証券の増加32百万円などによるものです。
② 負債
負債合計は89億55百万円(同比23億88百万円増)となりました。
流動負債は84億2百万円(同比24億22百万円増)となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加21億22百万円などによるものです。
固定負債は5億52百万円(同比34百万円減)となりました。これは主に繰延税金負債の減少48百万円、役員退職慰労引当金の増加14百万円などによるものです。
③ 純資産
純資産合計は123億34百万円(同比4億68百万円増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上5億99百万円、配当金の支払額1億50百万円により利益剰余金の増加4億48百万円、その他有価証券評価差額金の増加22百万円などによるものです。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は29億48百万円(前連結会計年度末比17億円減)となりました。各キャッシュ・フローの主な増減要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により使用した資金は13億57百万円(前期は8億64百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の増加額20億26百万円、税金等調整前当期純利益の計上9億39百万円、減価償却費1億62百万円などの増加、売上債権の増加額31億91百万円、棚卸資産の増加額13億38百万円、法人税等の支払額2億19百万円などの減少によるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は2億10百万円(前期は19百万円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出2億円などの減少によるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は1億56百万円(前期は1億83百万円の使用)となりました。これは主に配当金の
支払額1億50百万円などの減少によるものです。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年 4月 1日
至 2023年 3月31日)
前期比(%)
電気機器・産業用システム(千円)
9,797,861
112.1
電子デバイス・情報通信機器(千円)
7,322,562
143.8
設備機器(千円)
3,708,756
133.5
合計(千円)
20,829,180
125.4
(注)1.セグメント間の取引はありません。
② 受注実績
該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年 4月 1日
至 2023年 3月31日)
前期比(%)
電気機器・産業用システム(千円)
10,915,768
114.4
電子デバイス・情報通信機器(千円)
7,727,218
138.1
設備機器(千円)
4,371,193
128.1
太陽光発電(千円)
107,242
100.8
合計(千円)
23,121,423
123.9
(注)1.セグメント間の取引はありません。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、退職給付に係る資産、税金費用、固定資産の減損等の見積りは、それぞれ過去の実績等を勘案し合理的に算定していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。また、重要な引当金の計上基準については、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症による会計上の見積りへの不確実要素もありますが、期末時点で入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っております。
(6)資本の財源及び資金の流動性
① 資金需要及び資金調達
当社グループでは、重要な設備投資の予定はなく、運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入資金等であります。
なお、当連結会計年度末の借入実行残高は300百万円であります。
② 有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債は、381百万円(前連結会計年度末比1百万円増)となりました。