【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当社グループは、“快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する”という企業理念のもと、健康・医療をメインテーマに、事業を通してWell-beingでサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
当社は、2022年11月8日に公表のとおり、株主価値の持続的向上を目指すため、資本政策の基本方針を改訂し、株主還元につきましては、DOE(株主資本配当率)3%を基準とした累進的な配当を実施することといたしました。当方針に則り、2023年3月期期末配当予想を、1株当たり60円から20円増配して80円に、さらに40周年の記念配当1株当たり40円と合わせて120円(DOE 4.5%)の配当を実施する予定です。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は13,411百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益は1,733百万円(同1.2%増)、経常利益は1,845百万円(同3.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,189百万円(同32.5%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益の前年同期比減につきましては、前期において、中国病院運営事業関連の債権譲渡及びステムセル研究所の株式売り出しにより税金費用が減少した特殊要因があったことによります。整水器販売事業におきましては、新型コロナ感染者数は本年年初をピークに減少傾向にあり、さらに新型コロナの感染症法上の位置づけが本年5月に5類に移行されることが決定され、漸く、対面営業が正常化に向かっております。また、本年3月1日から整水器の値上げを、4月1日からは浄水カートリッジ、その他部品等の値上げを予定しており、駆け込み需要に備えております。医療関連事業におきましては、ステムセル研究所の業績は好調に推移しております。売上高、利益ともに、期初計画には若干遅れておりますが、上述の状況を背景に期初計画を達成すべく鋭意取り組んでまいります。
当社では、中長期的な企業価値向上を目指し、以下の3点を重点的に取り組んでおります。 1.主事業である整水器販売事業の直接販売部門の効率化を伴う量的拡大 2.整水器販売事業の卸・OEM部門における海外展開の拡大 3.世界に先駆けた電解水透析の普及と、保険適用も視野に入れた研究開発等の活動
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
[ウォーターヘルスケア事業]整水器販売事業では、2023年6月に、職域販売部門で5,000台、取付紹介販売部門で1,700台を実現できる体制構築に向けて営業人員の採用を強化しております。また、職域セミナーを安定的に取得するため、人材紹介会社を活用した新たな展開に取り組んでおります。当取り組みはまだ緒に就いたばかりですが、職域販売の躍進の大きなきっかけとなり得るものと考えております。
卸・OEM部門では、第4四半期から新規OEM取引がスタートいたします。来期上半期には、国内での新規大口取引2件がスタートする予定です。また、卸専用の新製品の投入も計画しております。一方、海外向けでは、中国、ベトナムを始め、さらなる販売拡大に向け、新規代理店の獲得に注力しております。WEBマーケティング部門では、1台当たりの販売コストを維持しつつ、販売台数を伸ばすべく、引き続きオウンドメディア(自社メディア)の育成に注力するとともに購買率向上にも取り組んでおります。ストックビジネスである国内カートリッジ販売の当第3四半期累計期間の売上高は3,814百万円(前年同期比1.9%増)となり、引き続き安定して伸長しております。
インドネシアでボトルドウォーター事業を展開するPT.SUPER WAHANA TEHNOでは、ペットボトルの販売数が回復するとともに、ガロン販売が堅実に伸長し、売上高は前年同期比13.6%増(現地通貨ベース)となりました。2023年度は、飛躍的成長を目指し、先行投資としてマーケティングに注力するとともに、生産体制の強化にも取り組んでまいります。
研究開発では、昨年11月に理化学研究所との「健常者においても電解水素水の日常的継続飲用により、血中酸化ストレスが低く抑えられている」との内容の共同論文が総合科学誌「Heliyon」に掲載されました。「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」が生活習慣化しやすい疾病予防策として期待されることを示唆するもので、整水器普及の大きな後押しとなるエビデンスです。引き続き、理化学研究所、東京大学、東北大学等との産学共同研究を精力的に進めております。
以上の結果、ウォーターヘルスケア事業の売上高は11,694百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は1,517百万円(同4.3%減)となりました。セグメント利益の前年同期比減の一因である部材調達コストの増加については、上述のとおり各種製品の値上げを予定しており、改善してまいります。
[医療関連事業]電解水透析(*1)事業では、現在、電解水透析は、29施設(929床)に導入されており、約2,700名の方々が電解水透析治療を受けておられます。第4四半期には、新たに5施設(多人数用3施設、個人用2施設)に導入される予定です。電解水透析は、多くの透析患者が最も苦しんでいる疲労感を抑制することで、患者の方々のQOL改善、家庭復帰、社会復帰によるWell-being実現に寄与できる日本発の新規治療法として注目いただいております。新聞等のマスメディアを活用した広報活動も展開し、医療関係者並びに患者の方々への認知向上にも努めます。透析施設は、国内約4,500施設あり、普及拡大とともにグローバルスタンダードを目指し引き続き注力してまいります。
(*1)電解水透析とは、透析治療で使われる透析液の希釈水を、当社の技術による電解RO水にすることで、透析液に水素を溶存する特性を持たせた次世代新規治療法。世界で初めて溶媒である水の機能に着目した従来にない技術です。通常透析と比べ、治療後の投薬量減少や透析患者の粗死亡率が低いというデータを取得しており、注目を集めております。
再生医療関連事業では、ステムセル研究所が同社のメイン事業である「さい帯血保管」サービスの認知度向上のためのデジタル・マーケティング及び2021年4月より開始した、日本初の「さい帯(へその緒)保管」サービスが着実に業績の向上に貢献し、過去最高の売上高を計上いたしました。また、2021年3月12日付で厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得し稼働させた横浜細胞処理センターの体制強化も順調に進んでおり、中期目標である年間約2万検体(従前の約3倍)の処理能力を既に確保しております。新型コロナについては、上述のとおり本年5月に法律上の位置付けが見直しされる事が決まり、同社の主要なマーケティングチャネルである医療機関も正常化に向けた動きが進んでおります。これにより、本年1月に業務提携した、株式会社ベビーカレンダーとの双方向マーケティングを含めたデジタル(オンライン広告、SNS等)とリアル(産科施設内でのPR等)マーケティングが相乗効果を上げる事で、来期以降の更なる業績拡大に繋がる見込みです。「さい帯血」を用いた再生医療分野につきましては、昨年8月に高知大学医学部附属病院小児科より、国内初となる脳性麻痺児に対する自家臍帯血投与の臨床研究(第Ⅰ相試験)の良好な結果が論文発表されました。大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教室を中心とした多施設共同研究により進められている、低酸素性虚血性脳症(HIE)児に対する自己臍帯血幹細胞投与(第Ⅱ相試験)につきましても、初の症例に対する投与が無事終了する等、臨床研究が順調に進んでおります。米国においては、デューク大学での第Ⅱ相試験の良好な結果を受け、同大学にて脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムが進められており、ステムセル研究所にさい帯血を保管されている方が参加される例が増加しております。「さい帯」を用いた研究開発につきましては、引き続き、大阪大学大学院医学系研究科スポーツ医学教室と設立した「運動器スポーツバイオメカニクス学講座」において、新たな半月板治療法の開発を推進しております。また、東京大学医科学研究所セルプロセッシング・輸血部及び東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部との小児形態異常等の先天性疾患に対する治療法の開発も推進しております。そして、「さい帯血」及び「さい帯」の培養時の生産物(エクソソーム等)を利用した保管者向けの事業や、大手事業会社との女性の健康に対する総合支援を行うフェムテック事業等の新しい事業も、来期のスタートに向け積極的に推進しております。
中国の病院事業では、外来患者数が約300名/日、病床は、入院床で100床、血液透析では50床がフル稼働状態です。現在、入院床の増床を申請中です。
以上の結果、医療関連事業の売上高は1,716百万円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は215百万円(同70.9%増)となりました。
② 財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産は28,050百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,459百万円増加(前期比5.5%増)いたしました。主な要因は、有価証券が502百万円減少した一方、現金及び預金が1,085百万円、受取手形及び売掛金が751百万円、投資有価証券が217百万円増加したことによるものであります。負債は6,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ515百万円増加(同8.9%増)いたしました。主な要因は、賞与引当金が105百万円減少した一方、前受金が271百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が127百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が127百万円、固定負債のその他に含まれる長期預り保証金が77百万円増加したことによるものであります。純資産は21,746百万円となり、前連結会計年度末に比べ943百万円増加(同4.5%増)いたしました。主な要因は、配当により460百万円減少した一方、親会社株主に帰属する四半期純利益1,189百万円の計上及び非支配株主持分が165百万円増加したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は166百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
