【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、メーカーへの販売情報提供に係る収入を「営業外収益」の「受取事務手数料」から「売上高」に含めることとした表示方法の変更を行っており、表示方法の変更の内容を反映させた組替え後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナのもとで経済活動の再開が進んでおり、緩やかに持ち直していく動きが期待されております。しかしその一方で、世界各国でインフレ対応のための金融引き締め等が続いていることから、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクが存在しております。さらに、物価の上昇、供給面での制約及び金融資本市場の変動等、依然として不確実性が高く、景気動向には留意する必要があります。当社グループの主たる事業である医薬品卸売業界におきましては、2023年4月の薬価改定による医療費削減効果は3,100億円規模となり、今後も社会保障制度や薬価制度など人々の生命、健康にかかわる政策・制度の抜本改革へ向けた議論が活発化し薬剤費の抑制政策は継続されることが予想されます。医薬品市場の開発、製造、流通の現場では日々ダイナミックな変化が起こる中にあり、医薬品流通にかかわる諸課題の解決の道筋も複雑化しており事業環境は依然として厳しい状況が続いております。このような市場構造と経営環境の変化を踏まえて、当社グループでは、2024年3月期より「長期ビジョン2035」を「垣根を越えて 薬の先へ “つなぐ” ことで医療の未来を革新する」として策定しました。この長期ビジョンのもと、自立と連携により医薬品・メディカル関連商品の持続可能な流通体制を構築するとともに、社会課題の解決、健康寿命の延伸に寄与することを目的に医療周辺ビジネスを拡大してまいります。また、当社グループは「次代を見据えたビジネスモデルの革新」を中期ビジョンとし、2023年3月期から2025年3月期までの3年間にわたる第5次中期経営計画に取り組んでおります。本中期経営計画では、実践課題として「1.市場の構造変化と市場特性に合わせた医薬品流通モデルの追求」「2.医療のDX進展に伴う流通・マーケティングモデルの進化」「3.プライム市場に対応したグループ経営推進」を設定し、この課題を着実に解決することで、地域のヘルスケアになくてはならない企業として一層の進化を目指してまいります。
当連結累計期間の業績につきましては、売上高144,542百万円(前年同期実績は143,919百万円)、営業利益1,167百万円(前年同期実績は849百万円)、経常利益1,470百万円(前年同期実績は1,198百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益917百万円(前年同期実績は640百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 医薬品卸売事業医薬品卸売事業の当連結累計期間におきましては、薬価改定の影響および一部メーカーの取扱い停止等によるマイナスの影響はあったものの、抗がん剤や新型コロナウイルス治療薬を中心とした新薬創出加算品の販売の伸長が、新型コロナウイルスの検査キット等の関連品の減収分を上回り、わずかに増収となりました。また、利益面においても、この増収効果等により伸長いたしました。
以上の結果、売上高は135,922百万円(前年同期実績は135,588百万円)、セグメント利益(営業利益)は、1,054百万円(前年同期実績は783百万円)となりました。
② 薬局事業薬局事業におきましては、調剤技術料収入および薬学管理料収入の増大に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に変更されたことに伴う人流増加等により、受付処方箋枚数が増加したことなどから、売上高は、4,654百万円(前年同期実績は4,481百万円)、セグメント利益(営業利益)は、その増収効果に加え、のれんの償却費が大幅に減少したことにより増益の87百万円(前年同期実績は14百万円)となりました。
③ 動物用医薬品卸売事業動物用医薬品卸売事業におきましては、コンパニオンアニマル部門の売上が伸長し2,783百万円(前年同期実績は2,660百万円)となる一方、仕入価格の上昇等の影響によりセグメント利益(営業利益)は、99百万円(前年同期実績は121百万円)となりました。
④ その他事業その他事業におきましては、主にスポーツ関連施設運営事業等の業績が振るわず、売上高は、1,182百万円(前年同期実績は1,189百万円)、セグメント損失(営業損失)は、90百万円(前年同期実績は69百万円のセグメント損失)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末から8,397百万円増加し、305,713百万円となりました。内訳は、流動資産192,619百万円、固定資産113,093百万円であります。流動資産の主な内訳は、現金及び預金21,371百万円、受取手形及び売掛金123,726百万円、棚卸資産29,069百万円、未収入金14,027百万円であります。なお、前連結会計年度末に比べ、未収入金が2,438百万円、棚卸資産が1,776百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が5,140百万円、現金及び預金が2,342百万円増加したこと等により、流動資産が4,117百万円増加しております。固定資産の内訳は、有形固定資産49,018百万円、無形固定資産3,307百万円、投資その他の資産60,767百万円であります。なお、前連結会計年度末に比べ固定資産が4,279百万円増加しております。負債は、前連結会計年度末から6,363百万円増加し、203,513百万円となりました。内訳は、流動負債184,129百万円、固定負債19,384百万円であります。流動負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金169,673百万円、賞与引当金2,417百万円であります。なお、前連結会計年度末に比べ、未払法人税等が1,480百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が5,101百万円増加したこと等により、流動負債が5,470百万円増加しております。固定負債の主な内訳は、長期借入金6,547百万円及び退職給付に係る負債774百万円であります。なお、前連結会計年度末に比べ、固定負債が893百万円増加しております。純資産は、前連結会計年度末から2,033百万円増加し、102,199百万円となりました。主な要因は、自己株式の取得561百万円、配当金の支払1,401百万円の減少要因があったものの、その他有価証券評価差額金3,147百万円の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上917百万円等の増加要因によるものであります。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において新たに発生した対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題に重要な変更はありません。
(3)研究開発活動該当事項はありません。
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