【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
2023年4月において、当社従業員3名が架空発注や水増発注による不適切な発注を行っていたことが発覚したことを受け、特別調査委員会を設置して、事実関係の調査を実施してまいりました。
また、同調査の過程で別の不適切な会計処理の疑義が生じたことから、委員の構成を変更して外部の専門家で組成された独立調査委員会にて徹底した調査を実施してまいりました。当社は、同委員会より2023年6月26日付で調査報告書を受領しております。
調査報告書によれば、2019年以降の本件不適切発注先への支払総額が特定されましたが、本件不適切発注事案以外に類似行為の存在は確認されませんでした。本件不適切発注に係る費用は、売上原価として各期において処理されておりました。また、2023年3月末時点における本件不適切発注先への支払総額74,489千円は長期未収入金として計上し、その全額について貸倒引当金を計上しております。長期未収入金には現時点では回収可能性はないと判断しておりますが、今後回収された場合は、将来の期間において利益として計上される可能性があります。
調査結果に基づき、過年度の有価証券報告書等の訂正の要否を慎重に検討いたしましたが、財務諸表に及ぼす金額的重要性及び誤謬が生じた原因に鑑みて質的重要性も認め難いと思料されることから、過年度の有価証券報告書は訂正いたしません。
しかしながら、当社はこの度の事態について真摯に受け止め、改めて深くお詫び申し上げるとともに、独立調査委員会の調査結果及び提言について十分に検討した上で、その内容を経営に反映し、再発防止策等を検討してまいります。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限や海外渡航制限の緩和等、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、経済活動は持ち直しの方向に向かい始めました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の高騰及び円安の進行、中国のゼロコロナ政策による経済活動の減速等、世界情勢は依然として不透明な状況が続いております。
一方で、国内経済をはじめ、当社を取り巻くエンターテインメント業界は、首都圏や、東名阪の三大都市を中心に、収容人数をフルに使ってのリアルライブの開催回数が徐々に増えてくるなど、少しずつ活気が戻りつつあります。
このような環境のもと、当社はビジョンに「“できっこない”に挑み続ける」を掲げ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)全盛期の現在、1対Nの時代から大きく変化した、N対Nの潮流をとらえ、Fan(ファン)+Icon(アイコン)(注)を起源とした完全会員制、完全有料制のファンコミュニティプラットフォームを提供するFanicon事業と、祖業であるデジタルマーケティング事業(旧:法人セールス事業)の2つの事業を展開しております。
(注)アーティスト、インフルエンサー、タレント等、ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の 対象となるもの
Fanicon事業の市場環境としては、株式会社矢野経済研究所の調査「ファンコミュニティビジネス2022」によると、月額課金型オンラインコミュニティプラットフォームサービス市場規模(会員費取扱高ベース)は、2020年度は24,800百万円(実績)、2021年度は41,500百万円(見込)(前期比167.3%)、2022年度は58,000百万円(前期比139.8%)と予測されております。新型コロナウイルスの影響を受け、オフラインでの活動を制限されたアーティストやクリエイター等が、新たな活動の場としてオンラインによる活動を求める機会が増加したことや、プラットフォーム上で全て一元管理できるサービスが増加し、コミュニティ開設者が芸能活動や創作活動に専念できるようになったことにより、年々市場が大きく成長しております。
また、当社が想定するファンクラブの市場規模(SAM:Service Available Market)は約1兆6,000億円であり、これは、総務省の「人口推計」と、矢野経済研究所が実施したインターネットアンケート調査「ファンの消費行動」に基づく1人当たりの消費額と潜在層を含めたファン数を基に、当社が想定するファンクラブ市場規模であります。
デジタルマーケティング事業の市場環境としては、株式会社電通の「2022年日本の広告費」によると、2022年のインターネット広告市場は3兆912億円、前年比114.3%と引き続き高い成長率で推移し、総広告費に占める媒体構成比は前年比3.7ポイント増の43.5%に達しており、当社としては今後も同市場は堅調に推移すると予想しております。また、サイバー・バズ/デジタルインファクト調べによる「国内インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測 2020年-2027年」によると、2023年の国内インフルエンサーマーケティング市場は前年比120.5%の741億円が推計されており、2020年は332億円だったことから、ここ数年で大幅に市場規模が拡大しております。
両事業を合わせた市場規模(TAM:Total Addressable Market)は約5兆4,000億円と試算しており、その内訳は、当社想定のファンクラブ市場規模1兆6,000億円(上述)、ライブ・エンターテインメント市場6,295億円(ライブ・エンターテインメント白書より当社推計。ライブ・エンターテインメント市場規模=音楽コンサートとステージでのパフォーマンスイベントのチケット推計販売額合計と定義)、デジタルコンテンツ市場2兆384億円(経済産業省「コンテンツの世界市場。日本市場の外観」2019年度市場規模より推計。1$=100円で試算。音楽(音楽ダウンロード、音楽ストリーミング、広告)、広告)映像(動画配信(SVOD)、動画配信(TVOD)、VRビデオ、広告(動画共有サイト等)、ゲーム(コンソールゲーム、/PCゲーム(ダウンロード)、モバイルゲーム、VRアプリ、VRゲーム、広告)のデジタルコンテンツ市場の合計と定義)、ソーシャルメディア広告市場1兆899億円(サイバー・バズとデジタルインファクト実施の国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査より、2023年度市場規模推計)となっています。
① Fanicon事業
Fanicon事業は、ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行っております。
「Fanicon」はアイコンとそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォームです。また、従来のファンクラブとは異なり、ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そこに属するファンが共にコミュニティを盛り上げ、共感したファン同士も繋がることが可能なネットワーク効果のある、アイコンとファンのためのサービスです。
Faniconの会員(ファン)はすべて有料会員となっており、Fanicon事業の売上高は、会員より受領するサブスクリプションフィーを売上高として計上するストック型売上と、ポイント課金型のフロー型売上の2つの売上からなっております。
会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠です。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施しておりますが、一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ており、その結果、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けております。
また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により、前事業年度に引き続き低水準で推移しております。
当第1四半期累計期間においてはアイコン数、ファン数が着実に増加し、当事業の売上高は665,331千円(前年同期比24.4%増)、セグメント損失は42,627千円(前年同期はセグメント損失156,128千円)となりました。
② デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業においては、マーケティングやインサイドセールスの取組み強化により、既存案件の継続的な受注だけでなく、国内外の顧客との新規案件も獲得しております。当第1四半期累計期間においては、複数大型クライアントの広告予算削減が影響し、当事業の売上高は349,824千円(前年同期比17.8%減)、セグメント損失は15,825千円(前年同期はセグメント利益38,771千円)となりました。
以上の結果、当第1四半期累計期間の売上高は1,015,156千円(前年同期比5.7%増)、営業損失は58,453千円(前年同期は営業損失117,356千円)、経常損失は70,569千円(前年同期は経常損失117,722千円)、四半期純損失は77,923千円(前年同期は四半期純損失117,475千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期会計期間末における資産は、前事業年度末に比べ103,591千円減少し、2,900,804千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少90,069千円、受取手形及び売掛金の減少2,482千円であります。
なお、売掛金には、Fanicon事業及びデジタルマーケティング事業の一部の取引において代理人として純額で収益を認識している売上にかかる売掛金が含まれております。そのため、売上高に対し売掛金の規模が大きく、また、同サービスの売上増に伴い増加する傾向があります。
(負債)
当第1四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ25,898千円減少し、1,789,502千円となりました。主な要因は、未払金の増加140,528千円、買掛金の減少54,548千円、前受金の減少24,450千円、未払法人税等の減少4,360千円、長期借入金の減少8,320千円、流動負債・その他に含まれる未払費用が73,406千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ77,693千円減少し、1,111,301千円となりました。主な要因は、四半期純損失を77,923千円計上したことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した(重要な会計上の見積り)の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、新たに追加した項目は以下のとおりです。
当社従業員3名が、2019年以降架空発注や水増発注による不適切な発注を行っていたことが発覚したことを受け、特別調査委員会を設置して、事実関係の調査を実施してまいりました。また、同調査の過程で別の不適切な会計処理の疑義が生じたことから、委員の構成を変更して外部の専門家で組成された独立調査委員会にて徹底した調査を実施してまいりました。
当社は、独立調査委員会から調査報告書を受領し、これに含まれる内部統制上の不備事項等の指摘を踏まえ、第8期に係る内部統制報告書の訂正報告書及び第9期に係る内部統制報告書の訂正報告書を提出しております。
今後、当社は独立調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、再発防止策の提言に沿って具体的な再発防止策を策定し、公表する予定です。これらの施策を着実に実行すると共に、適正な内部統制の整備及び運用のさらなる強化に取り組み、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが重要であると考え、再発防止に努めてまいります。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期累計期間において、当社が定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8)主要な設備
当第1四半期累計期間に完了した主な設備の新設等はありません。
また、当第1四半期累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画はありません。
(9)従業員数
当第1四半期累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。
(10)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。
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