【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向け景気の持ち直し動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格及び光熱費・物流費の高騰、加えて円安基調の為替動向による物価上昇傾向など、引き続き不安定な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは「不易流行」を経営方針に掲げ、経営理念等のいつまでも変化しない本質的な「不易」に、時代や環境に合わせて変えるべき「流行」を取り入れ、継続的に現場改善等に取り組んで参りました。
a.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,414,060千円(前年同期比12.0%減)となりました。利益面につきましては、生産設備投資・効率的な生産でスマート生産体制を進めて参りましたが、売上高の減少、原材料価格・物流費等の上昇及び特に光熱費の高騰による製造原価が増加したことにより、営業損失5,613千円(前年同期は、営業利益228,832千円)、経常利益3,658千円(前年同期比98.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失2,482千円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純利益217,712千円)となりました。 品目別の経営成績は、次のとおりとなります。
(a)直動機器 主力製品であります直動機器につきましては、産業用機械業界全体及び中国市場の受注減少の影響により、当連結会計年度の売上高は1,525,979千円と前年同期と比べ218,155千円の減少(前年同期比12.5%減)となりました。しかしながら、将来的には直動機器の需要が伸長することが予想されることに伴い、これに対応した直動機器の生産増強のために埼玉工場内に新工場棟の建設等、生産設備投資を継続しております。(b)精密部品加工 精密部品加工につきましては、レース用部品の売上は予定より増加したものの、前期より減少しており、売上高は674,107千円と前年同期と比べ114,224千円の減少(前年同期比14.5%減)となりました。(c)ユニット製品 ユニット製品につきましては、前期の受注残高が多かったことに加え、半導体、自動車業界をはじめとする各生産設備向けのリピート需要が増加したことにより、売上高は213,974千円と前年同期と比べ4,167千円の増加(前年同期比2.0%増)となりました。
b.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ249,619千円増加し、5,146,601千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ258,121千円増加し、1,916,689千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ8,501千円減少し、3,229,912千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、864,462千円となり、前連結会計年度末と比べ108,992千円の減少となりました。 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費199,124千円及び売上債権の減少額147,544千円による資金の増加に対し、棚卸資産の増加額151,502千円及び仕入債務の減少額103,201千円に加え法人税等の支払額99,459千円による資金の減少により、使用した資金は39,996千円(前連結会計年度は417,356千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出411,279千円により、使用した資金は430,903千円(前連結会計年度は207,558千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入540,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出117,298千円により、得られた資金は354,686千円(前連結会計年度は203,101千円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、精密機器製造事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
a.生産実績当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目の名称
生産高(千円)
構成比(%)
前年同期比(%)
直動機器
1,576,602
63.4
87.7
精密部品加工
674,107
27.1
85.5
ユニット製品
236,824
9.5
196.5
合計
2,487,533
100.0
91.9
(注) 金額は、販売価格によっております。
b.受注実績当連結会計年度における受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目の名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
直動機器
1,116,985
46.7
481,027
57.6
精密部品加工
613,310
84.6
32,778
34.7
ユニット製品
218,976
149.7
75,556
139.8
合計
1,949,272
59.7
589,362
59.9
c.販売実績当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目の名称
販売高(千円)
構成比(%)
前年同期比(%)
直動機器
1,525,979
63.2
87.5
精密部品加工
674,107
27.9
85.5
ユニット製品
213,974
8.9
102.0
合計
2,414,060
100.0
88.0
(注) 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
THK株式会社
1,398,040
51.0
1,280,140
53.0
本田技研工業株式会社及び株式会社本田技術研究所
682,924
24.9
529,313
21.9
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は2,414,060千円(前年同期比12.0%減)となり、前年同期と比べて328,212千円減少いたしました。品目別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。(a)直動機器 当連結会計年度の売上高は1,525,979千円と前年同期と比べ218,155千円の減少(前年同期比12.5%減)となりました。中国ロックダウンによる中国市場の受注の減少や国内での原材料の調達遅延による生産高の減少により、当連結会計年度前半は売上高が減少しましたが、当連結会計年度後半になり、中国市場の新型コロナウイルス感染症による影響に改善が見られたことや、半導体業界を中心に市場からの引き合いが強まり、自動化、省人化の流れがコロナ禍で更に加速したことにより売上高が回復基調に転じました。直動機器のスマート生産体制を確立させ、生産設備投資を継続し生産増強を図り効率的な生産を行い原価低減を推し進め、利益確保に努める所存であります。(b)精密部品加工 当連結会計年度の売上高は674,107千円と前年同期と比べ114,224千円の減少(前年同期比14.5%減)となりました。レース用部品を中心に、一時的な減少が見込まれますが、最終的には需要の回復が見込まれるため、顧客の要望に真摯に応え、品数が増加しても精密加工を短納期で対応し、顧客と連携して自動車レースでも成果に貢献し、新たな製品への対応にも努めて参ります。(c)ユニット製品 当連結会計年度の売上高は213,974千円と前年同期と比べ4,167千円の増加(前年同期比2.0%増)となりました。精密位置決め製品では、日本・中国でシェアを伸ばしてきており、国内市場での検査・測定器向けのリピート需要がありました。中国市場では、液晶貼合わせ・検査・測定器向け設備投資の需要に対応してきました。顧客ニーズに合わせた製品対応を継続し、様々な用途へ対応して参ります。
(売上総利益) 当連結会計年度における売上総利益は477,903千円(前年同期比32.2%減)となり、前連結会計年度と比べて227,157千円減少いたしました。売上総利益率は前連結会計年度比5.9ポイント減少し、19.8%となりました。これは主に生産高の減少に加え、原材料価格の上昇と光熱費の高騰による製造原価の増加によりますが、設備投資による内製化を進めるとともに、安定生産することにより固定費率の低減を図ることで粗利率の向上を図って参ります。
(営業損失) 当連結会計年度における営業損失は5,613千円(前連結会計年度は228,832千円の利益)となりました。営業利益率は前連結会計年度比8.5%減少し、マイナス0.2%となりました。これは主に売上総利益の減少に加え、物流費等の上昇によるものです。
b.財政状態の分析 当連結会計年度末における総資産は、5,146,601千円となり、前連結会計年度末と比べて249,619千円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金108,992千円の減少に対して、棚卸資産153,801千円及び、機械装置及び運搬具198,457千円の増加によるものであります。負債は、1,916,689千円となり、前連結会計年度末と比べて258,121千円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金61,214千円及び未払法人税等74,951千円の減少に対して、借入金422,702千円及び営業外電子記録債務51,799千円の増加によるものであります。純資産は、3,229,912千円となり、前連結会計年度末と比べて8,501千円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金27,533千円の減少によるものであります。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は62.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、864,462千円となり、前連結会計年度末と比べ108,992千円の減少となりました。 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費199,124千円及び売上債権の減少額147,544千円による資金の増加に対し、棚卸資産の増加額151,502千円及び仕入債務の減少額103,201千円に加え法人税等の支払額99,459千円による資金の減少により、使用した資金は39,996千円(前連結会計年度は417,356千円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出411,279千円により、使用した資金は430,903千円(前連結会計年度は207,558千円の支出)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入540,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出117,298千円により、得られた資金は354,686千円(前連結会計年度は203,101千円の支出)となりました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に以下の会計上の見積りが重要な影響を及ぼすものと考えております。
a.固定資産当社グループは、拠点別品目別に独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位として固定資産のグルーピングを行っております。固定資産に減損の兆候がある資産グループが識別された場合には、資産グループごとの中期経営計画に基づき将来キャッシュ・フローを見積り、割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループごとの固定資産の帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。また、回収可能価額は正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額によっております。割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期経営計画の策定においては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立案し、売上高成長率、将来の原価低減効果を踏まえた原価率等を考慮しております。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合、固定資産の減損損失が計上され、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。当連結会計年度においては、埼玉工場の直動機器及びユニット製品において減損の兆候があることから、これらの資産グループごとに固定資産の減損の要否を検討しております。現時点で入手可能な情報に基づき策定した中期経営計画等を基礎として見積った割引前将来キャッシュ・フローの総額と固定資産の帳簿価額を比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回っていることから、減損損失の認識は不要と判断しております。
b.繰延税金資産繰延税金資産は、一時差異が解消するときに課税所得を減額する効果を有するものについて認識しております。繰延税金資産の回収可能性の判断においては、取締役会決議の承認を得た中期事業計画に基づいて、将来獲得し得る課税所得の時期及び金額を合理的に見積っております。中期事業計画の策定に際しては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立て、売上高成長率、将来の原価低減を踏まえた原価率及び売上高総利益率を考慮しております。そのため、見積りの仮定又は予測に変化が生じ、将来の課税所得の時期及び金額が当連結会計年度の見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
