【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当社グループは、「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する」というミッションの達成に向けて、「保証サービス」及びクライアントの業務効率化を支援する「SaaSプロダクト」等の提供を通じて住宅会社の経営を支援する「HomeworthTech(ホームワーステック)事業」、並びにHomeworthTech事業の知見・ノウハウを活用した保証制度構築・運営を通じて新たな技術・製品の普及を支援する「ExtendTech(エクステンドテック)事業」の2事業を主力事業として展開しております。
近年の環境的・社会的持続性の確保という世界的な潮流が、「良いモノを永く使う」という保証本来の理念・思想とマッチすることで、今後さらに保証サービスの社会的ニーズが高まるものと確信しており、当社グループにとってさらなる事業拡大の大きな好機であると捉えております。
当第1四半期連結累計期間(2023年7月1日から2023年9月30日まで)においても、今後の成長に対する蓋然性の高まりを受ける形で、人材・システムを中心に積極的な先行投資を進めるとともに、事業を拡大してまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,108百万円(前年同期比32.7%増)、営業利益261百万円(同96.6%増)、経常利益321百万円(同87.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は219百万円(同83.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結累計期間における各セグメントへの本部費配賦総額は、採用費、システム関連費用の増加等により、前年同期比125.3%の560百万円となりました。当第1四半期連結累計期間のセグメント別の営業利益の算出にあたっては、これらの配賦費用額をHomeworthTech事業63.8%、ExtendTech事業32.7%、その他3.5%の割合で配賦しております。
①HomeworthTech事業
HomeworthTech事業は、ハウスメーカー・マンションデベロッパーといった住宅事業者に対して長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。補修や検査といったリアルサービスのほか、近年では、アプリ・チャットボット・電子マネーといったデジタルサービスを開発・提供することで住宅事業者のアフターサービスDXを支援しております。
当第1四半期連結累計期間においては、設備保証・建物保証といった長期保証契約の獲得に引き続き注力するとともに、地震保証や資産価値保証といった新たな保証サービスの開発及びマーケティングを推進してまいりました。また、業務効率化・ストック型ビジネス転換といった住宅事業者の経営課題に対応する各種ソリューションの導入を組織的に推進することで、各クライアントとの関係深化にも引続き注力してまいりました。
これらの施策により、主要なKPIである新規契約獲得金額837百万円(前年同期比18.1%増)、前受収益・長期前受収益残高9,830百万円(同21.0%増)、電子マネー発行サービスの導入社数107社(同33.8%増)・未使用残高2,165百万円(同11.0%増)といずれも前年同期比で成長しております。
この結果、売上高は629百万円(前年同期比23.5%増)、セグメント利益は23百万円(同455.9%増)となりました。
②ExtendTech事業
ExtendTech事業においては、HomeworthTech事業で培ったノウハウを応用し、住宅領域以外の幅広い製品・サービスに対して、長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。
近年では、家電・教育ICT機器のほか、太陽光発電機器やEV(電気自動車)など再生可能エネルギー関連機器に対してソリューション提供が大きく伸長しております。
当第1四半期連結累計期間は、前連結会計年度と同様に蓄電システムをはじめとした住宅用再生可能エネルギー設備に対する社会的ニーズに応える形で再生可能エネルギー領域が進展したほか、オペレーション業務の受託が拡大したことにより教育ICT領域も堅調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は453百万円(前年同期比44.8%増)、セグメント利益は235百万円(同76.0%増)となりました。
③その他
「その他」の事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであるビジネスマッチング・決済等を行うプラットフォーム事業を行っております。当第1四半期連結累計期間における売上高は25百万円(前年同期比112.5%増)、セグメント利益は2百万円(前年同期はセグメント損失5百万円)となりました。
(KPI推移)
(単位:百万円、社)
2023年6月期
2024年6月期
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第1四半期
実績
実績
実績
実績
実績
前年同期比
[HomeworthTech事業]
新規契約獲得金額
709
748
860
997
837
118.1%
前受収益・長期前受収益残高
8,124
8,487
8,929
9,480
9,830
121.0%
売上高
保証サービス
394
421
442
509
485
122.8%
検査補修サービス
76
78
81
72
86
113.3%
その他
38
41
54
45
57
149.6%
電子マネー
導入社数
80
81
87
101
107
133.8%
未使用残高
1,950
2,004
2,071
2,097
2,165
111.0%
[ExtendTech事業]
売上高
再生可能エネルギー
196
253
261
433
313
159.6%
家電・その他
116
105
133
123
139
119.9%
(注)売上高については四半期連結会計期間の数値を使用しております。
b.財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて575百万円増加し20,679百万円となりました。これは主に、現金及び預金が583百万円減少した一方、立替金が672百万円、及び固定資産の取得により投資不動産(純額)が344百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて399百万円増加し18,557百万円となりました。これは主に、賞与引当金が106百万円減少した一方、新規借入により長期借入金が164百万円、及び住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年超の期間に収益化される予定の長期前受収益が342百万円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて176百万円増加し2,122百万円となりました。これは主に、配当金の支払いが50百万円あった一方、親会社株主に帰属する四半期純利益が219百万円計上されたことによるものです。
なお、当社の自己資本比率は10.3%となっており、他の事業会社と比較して低い水準となっております。これはサービス提供前に保証料を収受する当社のビジネスモデルに起因するものです。当社の負債の割合の内訳は、前受収益及び長期前受収益(将来の利益)が58.0%、預り金及び長期預り金(主に現金及び預金)が25.5%という構成であり、有利子負債は13.3%と低水準となっております。さらに、流動比率も246.4%と十分な水準となっており、財務の健全性は十分に担保されております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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