【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。 (1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における国内経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰が続き、為替相場が歴史的な円安水準で推移していること等により、食品をはじめとする生活必需品の相次ぐ値上げが家計を圧迫し、景気に力強さはありません。当社においても、終息が見えない地政学リスクと急激な円安進行による石炭、重油、チップ、パルプ等の主要な輸入原燃料価格の高騰による製造コストの大幅な悪化が続いています。高付加価値品への品種転換を進め、省エネや固定費削減を徹底しておこなうとともに、紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業の両セグメントの主要製品での販売価格への転嫁を継続して取り組んでまいりましたが、製造コストの悪化を補いきれず、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を大幅に下回りました。現状の厳しい事業環境は当面続くことを想定し、こうした環境下においても安定的な収益を確保すべく、組織・人員体制のスリム化や生産体制の見直しを進め紙・板紙事業とホーム&パーソナルケア事業の構造改革を加速してまいります。当第2四半期連結累計期間の連結業績は、以下の通りです。
売上高
308,679
百万円
(前年同四半期比
4.0%増
)
営業損失(△)
△7,265
百万円
(前年同四半期は営業利益19,235百万円)
経常損失(△)
△7,792
百万円
(前年同四半期は経常利益17,688百万円)
親会社株主に帰属する四半期純損失(△)
△8,301
百万円
(前年同四半期は親会社株主に帰属する
四半期純利益11,456百万円)
セグメントの状況は、次の通りです。① 紙・板紙
売上高
165,770
百万円
(前年同四半期比
4.4%増
)
セグメント損失(△)
△3,933
百万円
(前年同四半期はセグメント利益12,199百万円)
紙・板紙事業においては、板紙・段ボールではコロナ禍から国内需要が回復しつつあり販売数量は堅調に推移しましたが、新聞用紙、グラフィック用紙は国内需要の減少が続いており、紙・板紙事業全体では、販売数量は前年同期を下回りました。また、印刷用紙、産業用紙の製品価格の改定を進めてきたことで販売金額は前年同期を上回りました。 セグメント利益は、製造コストの急激な悪化を、省エネや固定費等のコスト削減や製品価格への転嫁では再生産可能な利益を確保するまでには至らず前年同期を大幅に下回る結果となりました。 セグメントの売上高、営業利益の推移、当第2四半期連結累計期間の品種別販売数量・金額の増減要因は以下の通りです。
② ホーム&パーソナルケア
売上高
129,505
百万円
(前年同四半期比
4.3%増
)
セグメント損失(△)
△4,552
百万円
(前年同四半期はセグメント利益5,847百万円)
ホーム&パーソナルケア事業においては、国内事業では、衛生意識の向上によるペーパータオルの販売需要増や、ベビー用紙おむつでのデザイン企画品や人気キャラクターを活用したキャンペーンによって、衛生用紙、紙加工品の一部の製品では販売数量は伸長しましたが、ティシュー、トイレット等の紙製品での販売価格改定に伴う一時的なシェアダウン、少子化の影響によるベビー用紙おむつの需要減少等により、販売数量、販売金額ともに前年同期を下回りました。 海外事業においては、中国でのベビー用紙おむつのプレミアム品拡販、各国での製品価格改定の浸透、為替レートの影響もあり売上高は前年同期を上回りました。 セグメント利益は、国内外ともに、石炭、重油、パルプ、荷資材等の原燃料価格高騰による製造コスト悪化を自助努力や価格改定だけでは吸収できず前年同期を大幅に下回りました。セグメントの売上高、営業利益の推移、当第2四半期連結累計期間の品種別販売数量・金額の増減要因は以下の通りです。
③ その他
売上高
13,403
百万円
(前年同四半期比
3.3%減
)
セグメント利益
1,200
百万円
(前年同四半期比
3.0%増
)
主に売電事業、機械事業、木材事業及び物流事業であり、売上高、セグメント利益ともに前年同期並みの水準で推移しました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産や棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ70,084百万円増加し、910,525百万円となりました。負債はコマーシャル・ペーパーや長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ61,501百万円増加し、635,238百万円となりました。純資産は為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ8,582百万円増加し、275,287百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント低下し、29.2%となりました。(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して6,934百万円増加し、95,832百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、22,851百万円の支出(前第2四半期連結累計期間比46,950百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失8,857百万円、棚卸資産の増加(支出)23,772百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、19,613百万円の支出(前第2四半期連結累計期間比12,183百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19,959百万円、無形固定資産の取得による支出1,884百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、46,640百万円の収入(前第2四半期連結累計期間比77,799百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入による収入56,100百万円によるものです。(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、1,851百万円です。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、為替の影響や原燃料価格の高騰により紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業で製造コストが悪化したこと等により、両事業の製造原価が上昇しました。セグメント別の生産実績は次の通りです。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同四半期比(%)
紙・板紙
157,443
117.7
ホーム&パーソナルケア
103,200
120.6
報告セグメント計
260,643
118.8
その他
12,985
112.3
合計
273,628
118.5
(注)金額は製造原価によっています。