【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済の状況は、引き続き新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和が進む一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化などによる原材料やエネルギーの供給不足に加え、円安の影響も相まって急激な物価上昇に直面しています。先行きについても、金利上昇に伴う欧米の景気後退懸念、地政学リスクの高まり、我が国の金融政策の変化など不透明感は増しています。
住宅業界では、貸家や分譲は好調ですが、当社グループが得意とする持ち家や木造住宅は前年同期比で減少しており、足元で減少幅が広がるなど今後の需要面での不安材料となっています。
このような状況下、当社グループは、3年半ぶりとなるジャパン建材フェアを8月に開催し、営業活動を活発化させました。また、並行して、新中期経営計画『Further Growth 24』の初年度として、次代に向けた諸施策を推進しています。
この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は以下の通りとなりました。
売上高につきましては、3,096億71百万円(前年同期比10.7%増)と2桁の増収となりました。利益面では、仕入れ値の上昇により足元で利益率が低下しているものの、通期では、過去最大の増益となった昨年度の利益水準を維持しています。具体的には、営業利益は103億34百万円(同2.2%増)、経常利益は107億64百万円(同0.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は69億15百万円(同7.1%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 総合建材卸売事業
「ウッドショック」の影響がやわらぎ、木材は値下がり傾向にありますが、合板の価格水準は比較的維持されています。中心的な取り扱い商材の違いにより、各社の業績に若干のバラツキはありますが、セグメント全体では好調を維持しています。
この結果、当事業の売上高は2,551億44百万円(前年同期比10.8%増)の増収、営業利益は69億32百万円(同19.7%増)と増収、増益を維持しました。
② 合板製造・木材加工事業
当事業の中核を占める株式会社キーテックは、主力のキーラム(LVL)事業がロシア産単板の輸入停止により減産を余儀なくされましたが、国産合板を製造する山梨合板工場の稼働率アップにより、同社の売上、利益をともにカバーしました。他方、ティンバラム株式会社は、欧州から輸入する原材料の仕入れ価格が相対的に高い水準を維持する一方、国内の製品相場が急激に軟化し、売上、利益とも苦戦しています。
この結果、当事業の売上高は132億91百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は21億71百万円(同35.9%減)と減収減益となりました。
③ 総合建材小売事業
総合建材小売事業につきましては、第1四半期連結累計期間に当社連結子会社の株式会社ブルケン四国に同株式会社ブルケン松山を吸収合併し組織の再編を図る一方、愛媛県今治市を拠点に建材卸及び建築業を営む株式会社協和を新たに同社の子会社として四国地区における業容の拡大を図りました。第2四半期連結累計期間には、当社連結子会社の株式会社ブルケン・マルタマが、群馬県前橋市を拠点に木材・建材販売及び建築工事業を手掛ける株式会社ブルケン前橋銘木を新たに子会社化するとともに、当社連結子会社の株式会社ブルケン・ウエストが、熊本県玉名市を拠点に合板・建材販売及び建築工事業を手掛ける有限会社原口建材店を新たに子会社化し、関東及び九州における業容拡大を図りました。第3四半期連結累計期間には、当社連結子会社である株式会社ブルケン関東(旧株式会社ハウス・デポ関東)に同新いずみ建装株式会社及び同株式会社三栄社を、同株式会社ブルケン東日本に同株式会社ダイエイを、同株式会社ブルケン・マルタマに同株式会社ブルケン前橋銘木を各々吸収合併し組織の再編を図りました。総合建材小売事業セグメントでは、積極的にM&Aを推進するとともに適宜組織再編を実施し、各地の事業承継ニーズに応えながら、グループのネットワークをダイナミックに拡大しています。
この結果、当事業の売上高は385億62百万円(前年同期比15.3%増)、営業利益は10億89百万円(同45.0%増)と、大幅な増収増益となりました。
④ その他
その他には、建材小売店の経営指導を中心にフランチャイズ事業を展開している株式会社ハウス・デポ・ジャパンのほか、建設工事業の子会社4社、物流関係の子会社等5社及び純粋持株会社でありますJKホールディングス株式会社の一部事業等を区分しております。これらの子会社のうち建築工事業を手掛けるJKホーム株式会社に対する新型コロナウイルス感染症の影響は依然大きく、引き続き売上、利益両面で苦戦を強いられています。
この結果、当事業の売上高は26億72百万円(前年同期比13.4%増)、営業損失は34百万円(前年同期は68百万円の営業利益)となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末における総資産は2,455億5百万円となり、前連結会計年度末に比べて205億73百万円増加いたしました。増減の内訳としては、現金及び預金が86億39百万円、受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権の合計額が83億77百万円、棚卸資産が37億95百万円増加したことにより、流動資産が210億98百万円増加いたしました。
固定資産は、有形固定資産が5億10百万円、投資その他の資産が49百万円減少し、無形固定資産が35百万円増加したことにより、固定資産全体では5億24百万円減少いたしました。
負債は1,863億26百万円となり、前連結会計年度末に比べて146億74百万円増加いたしました。増減の内訳としては、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計額が142億94百万円、短期借入金が36億23百万円増加したことなどにより流動負債が150億99百万円増加いたしました。
一方、固定負債は、長期借入金が7億47百万円減少したことを主因として、4億24百万円減少いたしました。
純資産は591億79百万円となり、前連結会計年度末に比べて58億99百万円増加いたしました。利益剰余金が55億31百万円増加したことなどによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。