【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染が拡大と縮小を繰り返すものの、政府による各種行動制限の緩和から社会経済活動の正常化が進み、景気は持ち直しの動きが見られました。しかしながら、エネルギー・原材料価格の高騰や急激な為替変動の影響から、景気は先行き不透明な状態が続いております。
当業界におきましては、橋梁事業では、高速道路会社の大型案件の発注はあったものの、今年度の発注は低調に推移し、厳しい受注環境が継続しました。鉄構事業では、首都圏を中心とした大型再開発事業は概ね順調に発注される一方で、工程ずれ問題や鋼材・副資材の価格高騰の影響があり、値上がりを反映した適正な受注単価の確保が、ファブリケーター各社に重要な課題として残りました。
このような状況のもとで当社は、受注の確保を最重要課題として取り組み、橋梁事業では技術提案力の強化と積算精度の向上を徹底することで、当第3四半期累計期間において前事業年度を上回る実績を残すことが出来ました。鉄構事業においても、体制強化の効果が少しずつ受注獲得として表れ、低迷の時期からの脱却が見えてきました。
損益面では、橋梁事業での原価先行による利益の伸び悩みを、鉄構事業の採算改善では補うには至らず、営業利益は確保できたものの、四半期純利益は前年同期比でほぼ半減する結果となりました。
当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高11,405,926千円(前年同四半期比0.1%減)、営業利益261,165千円(前年同四半期比41.0%減)、経常利益381,372千円(前年同四半期比38.1%減)、四半期純利益272,707千円(前年同四半期比48.9%減)であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 橋梁事業
橋梁事業における当第3四半期累計期間の売上高は9,443,493千円(前年同四半期比6.4%増)、セグメント利益は364,663千円(前年同四半期比43.8%減)となりました。また、当第3四半期累計期間の受注高は13,855,217千円(前年同四半期比32.3%増)となり、当第3四半期会計期間末の受注残高は20,624,194千円(前年同四半期比9.1%増)となりました。
② 鉄構事業
鉄構事業における当第3四半期累計期間の売上高は1,962,432千円(前年同四半期比22.6%減)、セグメント損失は103,498千円(前年同四半期はセグメント損失206,191千円)となりました。また、当第3四半期累計期間の受注高は2,581,423千円(前年同四半期比1,318.4%増)となり、当第3四半期会計期間末の受注残高は5,552,349千円(前年同四半期比79.3%増)となりました。
当第3四半期会計期間末の総資産は、24,469,115千円で前事業年度末比77,002千円の減少となりました。主な要因は現金預金の減少であります。負債は、前事業年度末比39,696千円減少し、5,469,878千円となりました。主な要因は短期借入金の増加と未成工事受入金の減少であります。純資産は利益剰余金とその他有価証券評価差額金は増加しましたが、自己株式の増加により前事業年度末比37,306千円減少し、18,999,237千円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、46,563千円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。