【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、コロナ禍からの経済活動及び個人消費の正常化に向けた行動制限の緩和や各種政策等により、持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、資源価格や原材料価格を背景とする世界的な物価上昇、円安の進行等により、国内景気の先行きは不透明な状況が続いております。
また、国内の雇用情勢は2月の有効求人倍率(季節調整値)が1.34倍、完全失業率(季節調整値)が2.6%と緩やかな回復が続いております。
このような事業環境の中、当社グループでは新たな注力分野の開拓、グループ内での連携強化等により、人材に関する顧客企業の課題解決をサポートし、他社との差別化や顧客満足度の向上に取り組みました。さらに、生産性向上のための組織体制の再構築にも取り組み、事業基盤の強化も進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における連結総資産は20,179百万円(前年同期比12.1%増)となり、前連結会計年度末と比較して2,176百万円増加しました。
連結総負債は6,454百万円(前年同期比9.3%増)となり、前連結会計年度末と比較して550百万円増加しました。
連結純資産は13,724百万円(前年同期比13.4%増)となり、前連結会計年度末と比較して1,626百万円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は27,794百万円(前年同期比17.8%増)、営業利益は4,487百万円(同34.1%増)、経常利益は4,543百万円(同32.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,261百万円(同45.1%増)と、売上高・利益とも過去最高を更新いたしました。
なお、前連結会計年度において非連結子会社でありました㈱クイックケアジョブズは重要性が増したため、第1四半期連結会計期間より連結の範囲(人材サービス事業)に含めております。また、2022年10月3日付で㈱クロノスの全株式を譲渡したため、第3四半期連結会計期間より連結の範囲(IT・ネット関連事業)から除外しております。
セグメントごとの経営成績(報告セグメント)は、次のとおりであります。
(人材サービス事業)
1.人材紹介
人材紹介では、建設や電機・機械、自動車、IT等の分野で企業の採用ニーズが旺盛でした。また、医療・福祉分野における看護師や保育士の採用ニーズも依然として高水準で推移しました。こうした中、新規領域の開拓や登録者獲得に向けたプロモーション強化、求人企業及び転職希望者との面談強化、迅速かつ丁寧な対応等に継続して取り組みました。この結果、建設関連職種や各種エンジニア、製薬関連職種、看護師、保育士等、特定の領域における人材紹介は順調に拡大しました。
2.人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等
人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等では、医療・福祉分野における看護師ニーズが高い水準で推移する中、新型コロナウイルス感染症に関する問い合わせ対応スタッフの派遣ニーズにも引き続き対応したことで、看護師派遣は順調に推移しました。また、保育士派遣は、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの影響による派遣スタッフの休職等が一部で発生したものの、旺盛な派遣ニーズを背景に大幅な増収となりました。
これらの結果、人材サービス事業の売上高は19,080百万円(前年同期比18.0%増)、営業利益は3,876百万円(同28.3%増)となりました。
(リクルーティング事業)
リクルーティング事業では、年明け以降の観光需要やインバウンド需要の拡大、新年度からの学生アルバイト等の入れ替え等を背景に、飲食業や宿泊業、サービス業の企業の採用ニーズがさらに改善しました。また、コロナ禍での宅配需要が高まった運輸・物流業のほか、慢性的な人手不足に悩む医療・福祉分野でも企業の採用ニーズは引き続き旺盛でした。こうした中、注力商品であるIndeed及びアルバイト・パート募集のための求人広告の取り扱いが順調だったことに加え、派遣スタッフ募集のための求人広告取り扱いも堅調に推移しました。一方、新卒採用をはじめとする当社取り扱いの正社員採用メディアは競合企業との競争激化に伴い、わずかに減収となりました。また、求人広告取り扱い以外のサービスについては、新卒採用のためのインターンシップや会社説明会のプログラム作成、社員研修、採用サイトや会社案内等の制作を中心に、引き続き好調でした。
この結果、リクルーティング事業の売上高は3,373百万円(前年同期比21.0%増)、営業利益は645百万円(同15.8%増)となりました。
(情報出版事業)
情報出版事業では、生活情報誌において、コロナ禍の出口が見え始めたことによる消費者の購買意欲及び顧客の販促マインドの改善に伴い、飲食店やショップ等を中心に販促広告の取り扱いが回復しました。また、北陸及び新潟の旺盛な求人需要を背景に、引き続き求人広告の取り扱いも好調でした。一方、住宅関連広告の取り扱いが減収となり、生活情報誌全体の業績は横ばいとなりました。また、各家庭に配布する折り込みチラシ等のポスティングサービスは、コロナ禍における直接的な情報提供手段であることや、エリアを絞った販促活動が可能という特性から、住宅や小売り関連のチラシの取り扱いを中心に、業績は堅調に推移しました。また、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービスでは、製造業を中心に旺盛な採用ニーズを背景に転職領域が大きく増収となりました。その他、Indeedの取り扱いやWeb制作をはじめとするWeb関連サービスの業績も順調に推移しました。
この結果、情報出版事業の売上高は2,320百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益は193百万円(同3.2%増)となりました。
(IT・ネット関連事業)
IT・ネット関連事業において、「日本の人事部」関連サービスに関するマーケットは、HR領域の課題解決に向けた業務の効率化・DX化のための設備投資のほか、採用や育成、モチベーション・定着率向上のためのサービス等へのニーズが依然として高い状況でした。また、新型コロナウイルス感染症に関する規制緩和がさらに進む中、人事労務に関する研修やセミナーへの集客ニーズも一層高まり、人事・労務に関するポータルサイト「日本の人事部」の広告収入は大幅増収となりました。さらに、2022年5月及び11月に開催したオンライン人事イベント「HRカンファレンス」の盛況等もあり、「日本の人事部」関連サービス全体の業績は過去最高を大きく更新しました。
なお、システム開発及びラーニング分野につきましては、2022年10月に㈱クロノスの全株式を譲渡したことに伴い、第3四半期連結会計期間より同社の業績は含まれておりません。
この結果、IT・ネット関連事業の売上高は1,662百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は765百万円(同56.7%増)となりました。
(海外事業)
海外事業において、米国では引き続き旺盛な採用ニーズに加え、インフレによる給与水準の上昇を背景とした紹介手数料及び派遣売上の増加等により、人材紹介、人材派遣ともに業績が拡大しました。こうした中、来期以降のさらなる業績拡大に向けて、米国内4拠点目となるシカゴオフィスを2022年12月に開設しました。また、メキシコでも営業強化や登録者獲得のための知人紹介等の施策が奏功し、コロナ禍の影響により落ち込んだ業績が大きく回復し、黒字転換を果たしました。
英国では、コロナ後の景気回復局面において転職希望者が増加し、企業の採用ニーズも旺盛な状況が続いたことから、転職マーケットが活性化しました。さらに、自社コンサルタントの増員及び早期戦力化が進んだこと等を背景に、人材紹介、人材派遣ともに業績は順調に拡大しました。
中国では、上海市での都市封鎖解除後、企業の営業活動や採用活動の再開に伴い、相談顧問サービスや研修サービスを中心に、人事労務コンサルティングの業績が改善傾向となりました。一方、ゼロコロナ政策の緩和措置に伴う感染再拡大を受け、再び企業の営業及び採用活動が停滞したことで、人材紹介は減収となりました。ベトナムでは、IT業界や運輸業界等の慢性的な人手不足に悩む業界を中心に、既存顧客のフォローや新規顧客開拓、自社コンサルタントの採用と育成を並行して進めた結果、業績はほぼ横ばいでした。また、タイでは、景気及び企業の採用ニーズが回復する中、引き続き採用強化によるマンパワーの充実や採用ニーズの高い領域への営業強化等に努めました。
この結果、海外事業の売上高は1,358百万円(前年同期比44.6%増)、営業利益は104百万円(前年同期は営業損失6百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増減額は、法人税等の支払、配当金の支払等はありましたが、税金等調整前当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ1,764百万円資金が増加し、当連結会計年度末における残高は12,213百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
法人税等の支払1,671百万円等により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益4,574百万円の計上等により資金が増加したため、営業活動の結果得られた資金は3,545百万円(前年同期比7.8%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入122百万円等により資金が増加しましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出601百万円等により資金が減少したため、投資活動の結果使用した資金は497百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
自己株式の取得による支出330百万円、配当金の支払1,016百万円等により資金が減少したため、財務活動の結果使用した資金は1,370百万円(前年同期比30.7%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当社グループの各事業における仕入実績につきましては、提供するサービスの性格上該当事項がない又は金額が僅少であることから、記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
人材サービス事業(千円)
19,080,498
118.0
リクルーティング事業(千円)
3,373,551
121.0
情報出版事業(千円)
2,320,078
108.4
IT・ネット関連事業(千円)
1,662,613
107.4
海外事業(千円)
1,358,153
144.6
合計(千円)
27,794,894
117.8
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度末における連結総資産は20,179百万円(前年同期比12.1%増)となり、前連結会計年度末と比較して2,176百万円増加しました。主な要因は、投資有価証券は減少しましたが、現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したこと等によるものであります。
連結総負債は6,454百万円(前年同期比9.3%増)となり、前連結会計年度末と比較して550百万円増加しました。主な要因は、未払法人税等は減少しましたが、買掛金、賞与引当金が増加したこと等によるものであります。
連結純資産は13,724百万円(前年同期比13.4%増)となり、前連結会計年度末と比較して1,626百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して0.8ポイント改善し68.0%となりました。
b.経営成績の分析
売上高
当社グループでは新たな注力分野の開拓、グループ内での連携強化等により、人材に関する顧客企業の課題解決をサポートし、他社との差別化や顧客満足度の向上に取り組みました。さらに、生産性向上のための組織体制の再構築にも取り組み、事業基盤の強化も進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、27,794百万円と前年同期比17.8%の増加となりました。人材サービス事業の売上高は、建設関連職種や各種エンジニア、製薬関連職種、看護師、保育士等、特定の領域における人材紹介が順調に拡大し、また、看護師派遣も順調に推移したこと等により、19,080百万円(前年同期比18.0%増)となりました。また、他のセグメントについては、リクルーティング事業では、注力商品のIndeed及びアルバイト・パート募集のための求人広告の取り扱いが順調だったことに加え、派遣スタッフ募集のための求人広告取り扱いも堅調に推移したこと等により売上高は3,373百万円(同21.0%増)となりました。情報出版事業では、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービスにおいて製造業を中心に転職領域が増収となったこと等により売上高は2,320百万円(同8.4%増)となりました。IT・ネット関連事業では、「日本の人事部」の広告収入が大幅増収となるなど「日本の人事部」関連サービス全体の業績が過去最高を大きく更新し、売上高は1,662百万円(同7.4%増)となりました。海外事業では、米国、英国において人材紹介、人材派遣の業績が拡大したこと等により売上高は1,358百万円(同44.6%増)となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度における当社グループの売上原価は、前年同期比10.1%増の9,374百万円となりました。人材紹介の売上高が増加したこと等もあり、売上原価率は33.7%となり、前年同期より2.4ポイント改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、人材投資に係る人件費の増加等もあり、前年同期比18.8%増の13,932百万円となりました。
営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、営業利益は前年同期比34.1%増の4,487百万円となりました。営業外収益において、為替差益15百万円等の計上、また、営業外費用において支払手数料25百万円等が計上された結果、経常利益は前年同期比32.7%増の4,543百万円となりました。
さらに、特別利益において関係会社株式売却益171百万円、また、特別損失において減損損失114百万円等を計上したほか、法人税等1,313百万円の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比45.1%増の3,261百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、投資を行うための十分な資金を獲得しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に事務所等に係る設備投資や社内システムへの投資であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払でありますが、フリー・キャッシュ・フローの範囲内であり、事業の運営に影響を与えるものではありません。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資本政策については、財務の健全性や資本効率等を考慮し、将来の事業展開のための内部留保の充実と、株主への利益還元とのバランスを考えながら実施していくことを基本としております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員に係る人件費等であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、事業所等の附属設備への投資、社内システムへの投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関から資金調達することとしております。また、設備投資や長期運転資金についても必要に応じて金融機関から資金調達することとしております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は123百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,213百万円となっております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは事業規模の拡大を目指しつつ、独自の営業網や転職希望登録者の獲得ノウハウ等、グループ内の事業資産の有効活用により、収益力重視の体制を構築していく方針です。これらにより安定的な成長と堅実な財務体質を構築し、中長期的に売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を目指してまいります。
当連結会計年度においては、売上高経常利益率は16.3%(前年同期比1.8ポイント改善)となり、自己資本当期純利益率は25.3%(前年同期比5.6ポイント改善)でありました。引き続き当該指標の向上に取り組んでまいります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりでありますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合に、減損処理が必要となる可能性があります。
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