【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの急激な感染再拡大が見られたものの、経済活動が正常化に向かい、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。その一方、ウクライナ問題等に起因する世界的な資源価格高騰、さらには円安に伴う物価上昇圧力も相まって、依然として先行き不透明な状況が続いております。海外に関しては、米国や欧州において高インフレと利上げの影響に注目が集まり、さらにウクライナ問題の長期化も懸念されております。また、中国ではゼロコロナ政策の緩和後、新型コロナウイルスの感染が拡大しており、景気は総じて足踏みないし減速傾向にある模様です。当社グループの主力マーケットである食品業界におきましては、外食産業では行動制限もなく売上高は回復傾向にあるものの、コロナ禍での生活習慣の変化で夜間利用の客足は鈍く、加えてエネルギー価格や原材料の高騰及び人件費の上昇等によって厳しい経営環境が続いております。当社グループの業績に影響を与える為替相場におきましては、期初1ドルあたり122円台で始まり、日米の金融政策の違いに関する思惑からドル高円安傾向が強まり、一時151円台まで円安が進んだものの、期末にかけて米国の利上げペース減速の思惑や日本の長期金利の変動許容幅が拡大されたことも相まって、12月末は132円台となりました。コーヒー業界におきましては、コーヒー相場は期初1ポンドあたり228.40セントからスタートし、最大生産国であるブラジルの降霜懸念や降雨過不足懸念、収穫量予測、また世界の需給状況を背景に乱高下を繰り返しています。8月には最大240セント付近まで上昇しましたが、10月に200セントをきってからは150セントから170セントの間で動いており、12月末では167.30セントとなりました。このような状況のなか、当社グループは、新たな中期経営計画「SHINE 2024」をスタートさせました。これは、「少しでも多くの少しでも大きな食の幸せを創る」を目標にGHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組むものです。コロナ禍を経て大きく変化していく世の中の動きを機会ととらえて、迅速かつ的確に対応するとともに投資の効率性を追求しながら、事業の持続的成長を目指します。当第3四半期連結累計期間においてはグループ上げてのこれまでの取り組みが成果にあらわれ、売上高は44,504百万円(前年同期比27.6%増加)、売上総利益は5,933百万円(前年同期比12.2%増加)、営業利益は1,199百万円(前年同期比43.2%増加)、経常利益は1,311百万円(前年同期比50.2%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は797百万円(前年同期比41.8%増加)となりました。
各事業別の状況は次のとおりであります。なお、ここ数年の海外子会社の事業拡大に伴い、当連結会計年度より国内外の販売市場に主眼を置く管理区分に変更いたしました。そのため、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
各事業別の状況は次のとおりであります。① コーヒー・飲料事業 1) コーヒー飲料原料コーヒー生豆は、コーヒー相場の高騰及び円安により販売価格が上昇し、売上高が大幅に増加いたしました。また、輸出や、自家焙煎店、量販店などの家庭用ルートが好調で販売量が増加し、加えてコロナが落ち着き始めたことにより業務用卸への販売も回復傾向にあることも売上高の増加を支えました。飲料原料は、円安により販売価格が上がっていることに加え、飲料メーカー向けの販売が好調だったことにより売上高が増加いたしました。その結果、コーヒー飲料原料の売上高は前年同期比44.9%増加いたしました。 2) コーヒー飲料製品WITHコロナが浸透したことにより外食関連の業務用の受注が増加しております。また、コーヒー相場高騰及び円安の影響によりバルク原料の販売価格が上昇し、売上高が増加いたしました。また、製造ラインを増設したことによりコーヒーバッグの販売量が順調に増加いたしました。その結果、コーヒー飲料製品の売上高は前年同期比29.1%増加いたしました。
これらの理由により、コーヒー・飲料事業の売上高は17,134百万円と前年同期比34.8%の増加となり、売上総利益は2,501百万円と前年同期比6.9%の増加となりました。
② 食品事業 1) 加工食品ドライ商品は、量販店向けの野菜缶詰、メーカー原料・給食業態向けのフルーツ缶詰等の販売が増加したことに加え、価格改定が進んだことにより売上高は前年同期比20.2%増加いたしました。フローズン商品は、中国産ポテトの取り扱いが本格化し、量販惣菜業態、小売業態及び外食業態への販売が増加したことに加え、外食向け大型商品の価格改定が進んだこともあり売上高は前年同期比43.1%増加いたしました。メーカー商品はドライ・フローズンともに、昨年落ち込んだ外食向けの販売が回復に向かい、売上高は前年同期比13.1%増加いたしました。その結果、加工食品の売上高は前年同期比21.1%増加いたしました。 2) 水産水産は、新型コロナウイルスの行動制限の緩和による外食業界の復調、及び観光地宿泊施設等の需要回復の影響によりエビ商品の販売が増加したことに加え円安による販売単価上昇により売上高が増加いたしました。その結果、水産の売上高は前年同期比19.6%増加いたしました。 3) 調理冷食調理冷食は、想定を上回る早いペースでの円安に一部商品の価格改定が間に合わず売上高に影響が出る結果となりました。一方で一部の量販店では、鶏肉原料の需要が堅調に推移いたしました。その結果、調理冷食の売上高は前年同期比7.0%増加いたしました。 4) 農産生鮮野菜は、台湾向けの国産玉葱の輸出が本格化し大幅に売上高が増加いたしました。また中国産玉葱の輸入販売におきましては、既存得意先の販売シェアが増加したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が大きく増加いたしました。農産加工品は、既存得意先の販売シェア拡大及び新規得意先開拓が進み、れんこん加工品、唐辛子の販売が増加いたしました。その結果、農産の売上高は前年同期比30.2%増加いたしました。
これらの理由により食品事業の売上高は20,584百万円と前年同期比20.3%の増加となり、売上総利益は2,461百万円と前年同期比10.4%の増加となりました。
③ 海外事業日本からの食品輸出事業に関しては、輸出先国でのWITHコロナ政策の浸透により、家庭用商品から飲食店向け業務用食材へ需要が大きくシフトしていく環境にあります。そうしたなか、当社の主たる販売ルートで業務用食材にて新たな商機が生まれましたが、商品価格上昇が続く状況下で、新たな需要獲得には至りませんでした。一方、上海の都市封鎖を独自の物流網を構築して乗り切った中国の現地法人では、中国国内向けの出荷量をさらに伸ばし、売上高・収益を大きく引き上げました。その結果、海外事業の売上高は6,785百万円と前年同期比33.8%の増加となり、売上総利益は971百万円と前年同期比34.7%の増加となりました。
(2) 財政状態の状況(資産)当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,537百万円増加の38,384百万円となりました。その主な内容は、期末日休日要因の影響に伴う売上債権4,061百万円及び棚卸資産2,336百万円の増加です。(負債)負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,072百万円増加の25,165百万円となりました。その主な内容は、借入金4,106百万円の増加及び期末日休日要因の影響に伴う仕入債務2,232百万円の増加です。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ465百万円増加の13,219百万円となりました。その主な内容は、親会社株主に帰属する四半期純利益797百万円及び非支配株主持分119百万円の増加と繰延ヘッジ損益429百万円の減少、配当金の支払額107百万円です。
(3) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当第3四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報に重要な変更及 び新たに生じた問題はありません。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第3四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(7) 研究開発活動特記すべき研究開発活動はありません。