【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に引き下げられたこともあり経済活動が正常化に向かい、物価は上昇しつつも、雇用・所得環境は改善、個人消費は持ち直しの動きを見せ、景気は緩やかな回復傾向にあります。海外に関しては、米国は個人消費等が引き続き堅調に推移しておりますが、欧州は高インフレ及び利上げの影響により、景気はこのところ足踏みが続いております。中国ではゼロコロナ政策解除に伴うサービス消費の回復は見られるものの、他の需要が伸び悩み、景気は減速傾向にあります。当社グループの主力マーケットである食品業界におきましては、外食産業では個人消費の回復やインバウンド需要もあり、売上が昨年に比べて増加しておりますが、引き続き人手不足や原材料の高騰等により、厳しい経営環境が続いております。当社グループの業績に影響を与える為替相場におきましては、期初1ドルあたり133円台で始まり、5月に入って以降、米国の連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの実施とさらなる利上げの可能性への思惑等により、円安傾向が強まり、6月末では144円台となりました。コーヒー業界におきましては、コーヒー相場は期初1ポンドあたり170.50セントからスタートし、投機筋の動きにより一時的に200セントを超えましたが、その後最大生産国であるブラジルの収穫開始に伴って徐々に下落し、6月末では159.00セントとなりました。このような状況のなか、当社グループは、前連結会計年度からスタートさせた中期経営計画「SHINE2024」で掲げている、GHG(温室効果ガス)を削減しながら、社会課題解決商品の開発に積極的に取り組み、事業の持続的成長を目指しております。しかしながら当第1四半期だけを見ると、主にコーヒー関連で、販売単価と原価の動きのズレに伴って利益率が縮小し、また前年同期にあったスポットの収益がなかったこと等により、前年同期比で減益を余儀なくされています。とは言え、一定の利益確保はなされており、ペースとしては第2四半期(累計)あるいは通期の業績予想数値に概ね見合ったものになっております。以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は14,813百万円(前年同期比2.7%増加)、売上総利益は1,880百万円(前年同期比13.1%減少)、営業利益は287百万円(前年同期比56.4%減少)、経常利益は320百万円(前年同期比56.0%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は188百万円(前年同期比57.7%減少)となりました。
各事業別の状況は次のとおりであります。① コーヒー・飲料事業1) コーヒー飲料原料コーヒー生豆は、これまでのコーヒー相場高騰及び円安傾向により販売価格は上昇しておりますが、著しい価格競争を避け、また前年同期にスポット販売をした顧客への売上が今期なかったことにより、売上高が減少いたしました。飲料原料は、円安により販売価格が上がっていることに加え、飲料メーカー向けの販売が好調だったことにより売上高が増加いたしました。その結果、コーヒー飲料原料の売上高は前年同期比1.5%減少いたしました。2)コーヒー飲料製品アフターコロナにより外食需要が回復し業務用は増加する一方で、これまでのコーヒー相場高騰及び円安傾向に伴う値上げ実施により販売数量は減少しています。その結果、コーヒー飲料製品の売上高は前年同期比2.1%減少いたしました。
これらの理由により、コーヒー・飲料事業の売上高は5,597百万円と前年同期比1.8%の減少となり、売上総利益は821百万円と前年同期比22.1%の減少となりました。
② 食品事業1)加工食品ドライ商品は、量販店向けのトマト製品、メーカー原料・給食業態・製菓工場向けへのフルーツ缶詰等の販売が増加し、各商品群の価格改定もあり、売上高は前年同期比22.6%増加いたしました。フローズン商品は、中国産ポテトの取り扱いが本格化し、既存の量販惣菜業態、小売業態・外食業態への販売が増加傾向で推移し、外食チェーン向け大型商品の価格改定・市場の復調もあり、売上高は前年同期比30.2%増加いたしました。メーカー商品は、ドライ・フローズンともに、外食向けの販売が回復に向かい、売上高は前年同期比12.7%増加いたしました。その結果、加工食品の売上高は前年同期比19.5%増加いたしました。
2)水産水産は、主力のエビ関連は需要先によりまちまちでしたが、外食業界の需要回復と工場で使用されるイカ商品・タコ商品の原料販売が増加したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が増加いたしました。その結果、水産の売上高は前年同期比3.6%増加いたしました。3)調理冷食調理冷食は、円安等の影響を受けたコストアップにより一部の鶏肉製品の販売が鈍化傾向にありましたが、顧客需要の変化に伴い、鶏肉原料の販売が増加し、全体を牽引いたしました。その結果、売上高は前年同期比16.5%増加いたしました。4)農産生鮮野菜は、国産玉葱が安値で推移した影響により海外産玉葱の販売が減少いたしました。農産加工品は、トマトペーストの輸入コスト上昇により販売単価が上昇し、売上高が増加いたしました。一方で筍は値上げによりコンビニエンスストア向けの原材料販売が減少いたしました。その結果、農産カテゴリーの売上高は前年同期比8.5%減少いたしました。
これらの理由により食品事業の売上高は6,819百万円と前年同期比7.0%の増加となり、売上総利益は832百万円と前年同期比13.5%の増加となりました。
③ 海外事業コロナ明けで海外市場が正常化に向かい、日系小売店の海外出店が再開し始め、それに伴う引き合いが増えております。しかしながら、製品値上げなどの要因もあり小売向けの販売が減少傾向にあります。また、中国現地法人において、生豆の出荷数量は増加しておりますが、足元のコーヒー相場の影響を受けた販売価格下落により利益率は低下しております。その結果、海外事業の売上高は2,396百万円と前年同期比2.1%の増加となり、売上総利益は226百万円と前年同期比39.8%の減少となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,394百万円増加の38,568百万円となりました。その主な内容は、現金及び預金828百万円、棚卸資産678百万円及び投資有価証券602百万円の増加です。
(負債)負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,074百万円増加の24,941百万円となりました。その主な内容は、借入金1,652百万円増加と流動負債のその他に含まれる未払金の増加です。
(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ320百万円増加の13,627百万円となりました。その主な内容は、配当金の支払い185百万円に対し、繰延ヘッジ損益264百万円及び親会社株主に帰属する四半期純利益188百万円の増加です。
(3) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(5) 資本の財源及び資本の流動性に係る情報当第1四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資本の流動性に係る情報に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第1四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。
(7) 研究開発活動特記すべき研究開発活動はありません。