【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 財政状態の状況(資産)当第2四半期連結会計期間末における流動資産は496億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ42億7百万円増加(9.3%増)いたしました。これは主に現金及び預金の増加(45億5千6百万円)によるものであります。固定資産は730億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ114億4千2百万円増加(18.6%増)いたしました。これは主に投資有価証券の増加(88億9千8百万円)によるものであります。この結果、総資産は1,227億6千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ156億5千万円増加(14.6%増)いたしました。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における流動負債は202億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ34億3千4百万円減少(14.5%減)いたしました。これは一年以内返済予定の長期借入金の減少(45億5千万円)によるものであります。固定負債は254億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ106億3千4百万円増加(71.6%増)いたしました。これは主に長期借入金の増加(79億2千7百万円)及び繰延税金負債の増加(26億5千4百万円)によるものであります。この結果、負債合計は、457億4千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億9千9百万円増加(18.7%増)いたしました。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は770億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ84億5千1百万円増加(12.3%増)いたしました。これは主に利益剰余金の増加(13億6千3百万円)、為替換算調整勘定の増加(7億1千8百万円)及びその他有価証券評価差額金の増加(62億4千5百万円)によるものであります。この結果、自己資本比率は59.1%(前連結会計年度末は60.0%)となりました。
② 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における主要取引先の自動車生産台数は、国内では需要の回復により増加となりました。一方海外では、中国市場での景気悪化もあり、海外全体では増加が限定的なものとなりましたが、グローバル全体では国内増の牽引により増加となりました。このような状況のなか、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高が前年同四半期に比べ69億4千1百万円増収(16.0%増)の503億4千4百万円となりました。この売上高は鋼材高騰の売価反映と為替変動の影響等約36億円を含み、実質的な売上高の増収は33億円となりました。損益の状況につきましては、営業利益が前年同四半期に比べ3億4千万円増益(99.8%増)の6億8千1百万円となりました。売上高の増加影響、合理化改善努力による増益効果が、鋼材、資材、動力光熱費のインフレ影響、新製品開発に対する研究開発費及び従業員の生活レベル向上のための人的投資など「意志ある固定費増」を上回り増益となりました。当期間におけるインフレ影響は前年に比べ収まりを見せてきたものの、前年後半期のインフレ分につきましては売価反映の計上が当年前半期に出来ていないものもあり、減益影響がでました。合理化改善としては、直材調達において単なるコスト比較を超えた仕入先の工程改善を支援して仕入先とともに原価を下げる取組みをグローバルで推進するなど従来の枠を超えた活動にチャレンジいたしました。また、地域別では事業構造改革を実施している北米地域では第1四半期に続き、黒字を確保しております。今後はチャレンジングな原価低減活動をグローバルレベルで継続し、収益向上につなげてまいります。経常利益は前年同四半期に比べ2億1千2百万円増益(10.4%増)の22億5千6百万円となりました。経常利益と営業利益の差は為替が円安方向に振れたことが主要因です。当社は基本自己資金によるグローバルオペレーションを実施しており、外貨建保有資産の評価換算益が営業外のプラス収益方向に振れたためです。親会社株主に帰属する四半期純利益は14億1千4百万円(前年同四半期比28.6%増)となりました。新製品、新技術の開発としては、操縦安定性と悪路走破性を両立させる新型スタビライザー「SDM」を量産開始いたしました。また、電動化対応では、主要取引先の中国におけるバッテリーEV戦略車に対し、当社のシャシばねが採用されました。さらに、非自動車分野へのビジネス拡大に関しましては、自動車用ばね、コントロールケーブルの開発、製造で培ったコア技術を活かし、鉄道分野での「レール締結用ばね」、ヘルスケア分野での「車いす牽引装置」の生産を開始いたしました。今後も、クリエイティブ・カンパニーとして信頼され続ける『100年企業』を目指し、持続的に企業価値を高め続けられる会社づくりに邁進します。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。なお、売上高はセグメント間の売上高を含んでおります。〔日本〕主要取引先の自動車生産及び販売台数が増加したことに加え、鋼材高騰分の一部売価反映及び客先からの発生費用回収等により、売上高354億9千2百万円(前年同四半期比16.0%増)、営業利益6億3千2百万円(同35.9%増)となりました。〔北米〕鋼材高騰分の一部売価反映により、売上高50億9百万円(前年同四半期比20.2%増)、営業利益8千8百万円(前年同四半期は5千8百万円の営業損失)となりました。〔中国〕主要取引先の自動車生産及び販売台数が増加したため、売上高62億1千4百万円(前年同四半期比3.0%増)、営業利益4億7千2百万円(同2.9%増)となりました。〔アジア〕鋼材高騰分の一部売価反映により、売上高86億9千7百万円(前年同四半期比7.4%増)、営業利益3億6千8百万円(同47.3%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は145億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ、45億5千6百万円の増加となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は42億6千1百万円(前年同四半期比358.3%増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益22億5千6百万円と、仕入債務の増加5億3千9百万円などの資金の増加によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は31億2千4百万円(前年同四半期比32.6%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出31億円などの資金の減少によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は31億4千5百万円(前年同四半期比35.9%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入80億円などの資金の増加と、長期借入金の返済による支出46億2千3百万円などの資金の減少によるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5億9千4百万円(前年同四半期比4.0%増)であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。