【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期累計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症分類が2類から5類に引き下げになったことや、原材料価格の高騰が一服したことから、先行きの景気見通しの改善が進みました。化粧品業界においても、観光業や飲食業と同様に、「脱マスク」の進展で、需要が急速に回復しており、各社とも増産体制を敷いております。
このような状況下、当社は令和5年5月からコロナ禍後を見すえ、笑顔あふれる日常を目指そう!という取り組みとして「Good-byeコロナ禍運動」を展開し、「脱マスク!笑顔の愛用者づくり」に取り組んでおります。特に、3年間開催を見送っていた「アーチストセミナー」が活況を呈し、積極的に推進している「ホームパーティ」の開催も全国的に好調に推移しております。
当第1四半期累計期間の売上につきましては、令和5年6月に新発売しました洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」(全品医薬部外品)が、当初の想定を上回る受注状況となり、製造が追いつかず、一部の出荷が第2四半期にずれ込むこととなりました。また、同じく令和5年6月に新発売しました「リップリペアクリーム」(リップトリートメント)についても、好調な受注状況となりました。同じく令和5年6月に新発売しました「ホワイトスティック C」(スティック状クリーム)については、季節的な要因もあり想定を下回る状況ではありますが、年間を通じては好調に推移すると考えております。
また、全般的にレギュラー製品の受注状況が前年同四半期累計期間を上回る状況で推移しました。新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」が好調に推移していることが、他レギュラー製品にも波及しつつあり、洗顔を切り口に、「同じ志をもつ仲間づくり、愛用者づくり」に取り組んでおります。
その結果、当第1四半期累計期間の売上高は、前年同四半期累計期間比47.8%増となり、増収で推移しました。
利益面におきましては、売上原価率は前年同四半期累計期間比で1.8ポイント増加しました。これは、資材原料の値上がりが徐々に波及してきたことによるものです。一方、当期は、前事業年度よりさらに経費使用方針に基づく予実管理を徹底しております。当第1四半期累計期間においては、売上増にも関わらず販売費及び一般管理費は前年同四半期累計期間比で138百万円減少しました。この経費節減効果は年間を通じて効果があると考えております。
これらの取組みにより売上総利益は前年同四半期累計期間比43.8%増となり、営業損益、経常損益ともに前年同四半期累計期間よりも赤字幅が縮小しました。
以上の結果、当第1四半期累計期間の業績は、売上高334,858千円(前年同四半期累計期間比47.8%増)、営業損失245,408千円(前年同四半期累計期間は営業損失448,365千円)、経常損失248,334千円(前年同四半期累計期間は経常損失451,464千円)、法人税等調整額を3,229千円計上した結果、四半期純損失254,439千円(前年同四半期累計期間は四半期純損失344,636千円)となりました。なお、当社は例年第1四半期累計期間の売上高が少なく、損益についても損失となっております。
SDGsへの取組みについては、当社が取り組める範囲内で地に足がついた形で、環境に配慮した製品づくりに努めております。一例として、新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」には、バイオPET樹脂使用資材を採用しております。当事業年度はISOの仕組みを活用し、SDGsに関わる品質目標を掲げ取り組んでおります。
なお、海外事業については、準備は整いましたので、第2四半期以降の出荷を予定しております、
また、当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(流動資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産の残高は1,780,353千円(前事業年度末は2,306,646千円)となり、前事業年度末に比べ526,293千円減少しました。これは主に、現金及び預金が113,363千円、商品及び製品が56,143千円、その他が42,520千円増加したものの、前事業年度末に計上した売上債権が回収され、売掛金が746,797千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当第1四半期会計期間末における固定資産の残高は1,544,001千円(同1,547,429千円)となり、前事業年度末に比べ3,427千円減少しました。これは主に、建物(純額)が3,006千円、前払年金費用が10,555千円、差入保証金が16,232千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債の残高は999,612千円(同1,158,328千円)となり、前事業年度末に比べ158,716千円減少しました。これは主に、1年内償還予定の社債が8,000千円増加したものの、支払手形及び買掛金が36,808千円、短期借入金が24,099千円、1年内返済予定の長期借入金が20,000千円、未払金及び未払費用が75,874千円、未払法人税等が11,690千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当第1四半期会計期間末における固定負債の残高は597,048千円(同713,613千円)となり、前事業年度末に比べ116,564千円減少しました。これは主に、定時返済などで社債が36,000千円、長期借入金が31,661千円、その他が52,133千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産の残高は1,727,693千円(同1,982,133千円)となり、前事業年度末に比べ254,439千円減少しました。これは主に四半期純損失を254,439千円計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、51.7%(同51.2%)となりました。
③経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
④優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
⑤研究開発活動
当第1四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は、36,253千円であります。
なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間末現在において判断したものであります。
①当第1四半期累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当第1四半期累計期間の経営成績等は、上記記載のとおりですが、経営者が判断している重要な指標等につきまして、補足いたします。
a.上代売上(小売価格ベース)と下代売上(会計上の売上)の関連性について
当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しております。当社は、販売会社と小売価格ベースである上代売上で目標を共有しております。通常、上代売上に対する商品売上(下代売上)の平均掛率は36~40%です。この掛率は、販売契約で定めておりますので、大きく変動することは少ないですが、総じて上代売上高の好調な時は低く、上代売上高が不調な時は高くなる傾向があります。会計上の売上は、商品売上(下代売上)から売上割戻額を引いて算出いたします。
当第1四半期累計期間における上代売上高は、874,493千円(前年同四半期累計期間は540,416千円)でした。当社は、四半期ごとの売上高等の変動性が高く、例年第1四半期は業績が低調に推移する傾向があります。当社としては、上代売上目標を販売組織とともに達成することを最重要視しております。
b.経営重要指標(KPI;Key Performance Indicator)について
経営重要指標(KPI)として、棚卸資産回転期間、自己資本比率、売上高経常利益率を経営状況のバランスを測る指標としております。
棚卸資産回転期間については、当社は四半期ごとの売上高や原価の変動性が高いため、通期で正常な水準値に近づけることを目的に、構成要素ごとに管理を行っております。当第1四半期累計期間においては、その要素の一つである棚卸資産額が917,951千円(前事業年度末855,972千円)となり、前事業年度末に比べて7.2%増となっております。これは、新製品在庫等が増えていることによるものです。
自己資本比率につきましては、51.7%(前事業年度末51.2%)となりました。これは、前事業年度末より総資産額が529,720千円減少したこと、当第1四半期累計期間において四半期純損失を254,439千円計上したことによるものです。引き続き、正常な水準(目標60.0%)に戻せるように取り組んでまいります。
売上高経常利益率につきましても、△74.2%(前年同四半期累計期間△199.2%)となりました。なお、当社は例年第1四半期累計期間の売上高が少なく、損益についても損失となっております。引き続き正常な水準(目標15.0%)に戻せるように取り組んでまいります。
c.研修動員数
当社の経営成績に重要な影響を与える要因の一つとして、販売組織における研修動員数が重要であると考えております。当第1四半期累計期間におきましては、研修動員をしやすい環境になってきたものの、理念研修としての「SA研修」の新規動員は138名(前年同四半期累計期間は214名)、美容研修としての「美容教室」の新規動員299名(前年同四半期累計期間は445名)となり、前年同累計期間を下回って推移しました。「アーチストセミナー」や「ホームパーティー」への動員は出来ていることから、当第2四半期以降に関しては、「SA研修」や「美容教室」の新規動員も上がってくると考えております。
d.流通在庫
当社の経営成績に重要な影響を与えるもう一つの要因としては、販売会社の経営状態であると考えております。販売組織における流通在庫は、ヒアリングにより大まかな把握を行っております。当第1四半期会計期間末におきましては、前事業年度末よりも流通在庫は減少していると推定しており、ほとんどの販売会社の在庫は適正水準に収れんしたと考えております。一方、販売会社から収集している最新の決算報告書を分析すると、販売組織の実売状況は、当社からの仕入(当社売上)を上回って推移しており、売上回復に向けた一定水準の顧客は維持していると考えております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社が判断しているキャッシュ・フローの状況につきまして、補足いたします。
a.キャッシュ・フロー分析
当第1四半期会計期間末において、現預金残高は361,033千円(前事業年度末比113,363千円増)となりました。
販管費は、前年同四半期累計期間比で138,093千円減少し、経費節減管理は、順調に進捗しております。今後については、売上高をあげるとともに仕入及び経費支出を抑え、手元資金の確保を優先してまいります。当社といたしましては、引き続き財務内容の改善に全力で取り組んでまいります。
b.資本の財源について
当社の資本の財源については、資本金、資本剰余金及び利益剰余金等によって構成されております。当第1四半期会計期間末におきましては、四半期純損失を254,439千円計上した結果、当第1四半期会計期間末の純資産は1,727,693千円となりました。配当政策については、収益の状況を勘案しながら、利益還元を行う方針です。
c.資金の流動性について
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入(社債含む)により資金調達することとしております。当社の運転資金は季節変動が大きく、3月頃及び9月頃に手元流動性が低くなる傾向があります。この時期に必要な現預金を運転資金として保持できるように努めてまいります。また、当第1四半期会計期間末においてまだ在庫が多い状態と認識して、仕入を抑制することにより手元資金を生み出し、内部留保した利益と合わせて、負債の削減を行う予定です。また、新株予約権の行使にともなう入金も含め、手元の運転資金の確保を確実に行ってまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期累計期間において、当社の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。