【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進みました。一方、世界的な物価上昇と金利引き上げ、円安の急激な進行などの社会経済活動の下押し要因の高まりが想定され、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが事業展開を行うインターネット領域においては、「2022年日本の広告費」(株式会社電通)によると、日本の総広告費は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢、物価高騰などの影響を受けつつも、社会のデジタル化を背景に伸長し、7兆1,021億円(前年比104.4%)となり、インターネット広告費は3兆912億円(前年比114.3%)に増加。総広告費におけるインターネット広告費の構成比は43.5%に拡大しております。このような状況の下、当社グループでは「運用支援」、「運用支援ツールの提供」、「教育」といった当社グループ独自のソリューションを強みに、企業のマーケティング活動を総合的に支援してまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は1,653,701千円(前期比19.1%増)、営業利益80,294千円(前期比59.9%減)、経常利益79,905千円(前期比57.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益44,355千円(前期比51.4%減)となりました。セグメントごとの業績は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を「マーケティングオートメーション事業」から「DX支援事業」に変更しております。当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
(SNSマーケティング事業)企業のSNSアカウントの戦略策定から開設、運用代行、キャンペーンの企画・運用、広告出稿、レポート作成、効果検証までサポートするSNSアカウント運用支援サービス、SNSマーケティングを効率化するSaaS型のSNS運用支援ツールの開発・提供をしております。また、これらのノウハウを活かしてコンテンツ開発をしたSNSエキスパート検定講座の提供をしております。当連結会計年度におきましても、広告市場がオフラインからオンラインにシフトする中で、企業のデジタルマーケティングにおいてSNSマーケティングの重要性は高まっており、(株)コムニコでは、SNS運用支援やSNS運用支援ツールの開発強化のための人材採用を積極的に行ったほか、SNSマーケティング事業のサービス拡充や、Web3領域のサービス開発のための資本業務提携や協業を進めてまいりました。(社)SNSエキスパート協会では、様々なメディアへの寄稿や連載、セミナーへの登壇により、SNSに関する知識の普及や安全な利用の啓発に取り組み、検定受講や法人研修の獲得を進めてまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高(「セグメント間の内部売上高又は振替高」を含まない外部顧客への売上高(以下同じ))は1,563,923千円(前期比19.1%増)、セグメント利益は467,530千円(前期比9.2%減)となりました。
(DX支援事業)マーケティングオートメーション、営業支援システム、顧客管理システムの3つのクラウドサービスを用いて、顧客の経営課題に沿った戦略策定やプロセスの設計、最適なテクノロジーの選定、運用サポートまでワンストップで支援しております。当連結会計年度におきましては、Salesforceの対応サービスの拡充に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は89,778千円(前期比20.0%増)、セグメント損失は6,997千円(前連結会計年度は6,086千円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)当連結会計年度末における流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ11,803千円減少し1,271,210千円となりました。これは主に、長期借入金の返済により、現金及び預金が113,285千円減少したこと、売掛金が59,446千円、受取手形が13,024千円増加したこと等によります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ96,801千円増加し140,229千円となりました。これは主に、本社移転により、有形固定資産が50,616千円、敷金が41,992千円増加したこと等によります。その結果、資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ84,998千円増加し1,411,440千円となりました。
(負債)当連結会計年度末における流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ111,054千円減少し582,242千円となりました。これは主に、未払法人税等が71,193千円、未払消費税等が42,720千円減少したこと等によります。固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ107,739千円増加し276,439千円となりました。これは長期借入金が107,739千円増加したことによります。その結果、負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ3,315千円減少し858,681千円となりました。
(純資産)当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ88,314千円増加し552,758千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が44,355千円、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ21,139千円増加したこと等によるものであります。 この結果、企業の安定性を示す自己資本比率は37.8%(前連結会計年度末は33.7%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ113,285千円減少し、750,628千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、176,202千円(前連結会計年度は227,176千円の収入)となりました。これは主に売上債権72,470千円の増加、法人税等の支払額122,572千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、108,740千円(前連結会計年度は13,766千円の収入)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出55,773千円、敷金及び保証金の差入による支出45,007千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11,079千円減少し171,657千円(前連結会計年度は182,737千円の収入)となりました。これは主に長期借入による収入203,000千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績当社グループのサービス提供は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載は省略しております。
b 受注状況当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
SNSマーケティング事業
1,563,923
119.1
DX支援事業
89,778
120.0
合計
1,653,701
119.1
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異については、繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。
翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
(売上高)売上高は1,653,701千円(前年同期比19.1%増加)となりました。これは主に、SNSマーケティング事業において新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークや自宅での時間が増えたことから、SNS利用時間や接触時間が増加したこと。オフラインでのマーケティングがオンラインにシフトする中で、企業のデジタルマーケティングにおいてもSNSマーケティングの重要性は高まっており、新規運用案件の受注が好調に推移したほか、SaaS型のSNS運用支援ツールの導入件数も拡大したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)売上原価は772,933千円(前年同期比33.4%増加)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う外注費の増加、体制強化のための従業員数増加による労務費の増加、本社移転による家賃負担の増加によるものであります。この結果、売上総利益は880,768千円(前年同期比8.9%増加)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は800,473千円(前年同期比31.5%増加)となりました。これは主に、営業体制及び管理体制強化を企図し、株式会社コムニコの営業部門及び当社の管理部門の人員を増やしたことによる人件費増加によるものであります。この結果、営業利益は80,294千円(前年同期比59.9%減少)となりました。当社グループは営業利益率10%を経営指標としており、当連結会計年度の営業利益率は4.9%となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)営業外収益は4,668千円(前年同期比71.9%増加)となり、その主な内訳は補助金収入であります。営業外費用は5,057千円(前年同期比67.9%減少)となりその主な内訳は支払利息となります。この結果、経常利益は79,905千円(前年同期比57.3%減少)となりました。
(特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)法人税等合計は30,929千円(前年同期比65.7%減少)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は44,355千円(前年同期比51.4%減少)となりました。
b 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「3.事業等のリスク」に含めて記載しております。
c 財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
d キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、事業拡大のための人件費、採用教育費、広告宣伝費であります。投資を目的とした資金需要は、M&A投資によるものであります。これらの必要資金については、自己資本を基本としつつ、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
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