【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が緩和され、緩やかに持ち直す動きがみられました。一方で、世界経済は高インフレに対する各国の金融引き締めの継続から減速が強まる状況にあり、先行き不透明な状況で推移しました。医療機器、医薬品業界におきましては、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増しつつあります。しかしながら、そのような状況下においても当社グループは、すべての人が適切な医療を受けることができる持続可能な世界の実現を目指して、今後もより安全な医療環境の整備の一翼を担うべく、医療機器・医薬品メーカーとしての責任と役割を果たしてまいりました。当第2四半期連結累計期間における連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されるなか、主力の透析、ホスピタル関連製品の需要機会を逃すことなく販売、プロモーション活動に注力したことに加え、為替相場が円安方向で高位安定に推移したことで輸出売上高が押し上げられため、堅調に推移しました。また昨年12月販売開始のエソメプラゾールが売上高の増加に大きく貢献しました。この結果、連結売上高は前年同期比9.8%増加となる2,858億65百万円となりました。利益面におきましては、販売数量の増加により工場の操業度が改善したことに加え、原材料・エネルギー価格の高騰によるコスト上昇分の価格転嫁も一定程度進捗したことにより利益への影響をある程度抑えることができました。また、物流費の急騰一服や治験費用の減少等で、販売費及び一般管理費が前年同期比で減少となったことにより、営業利益は前年同期比111.7%増加の134億88百万円となりました。経常利益は、高位安定する円安局面において外貨建預金や売掛金の換算替えによる為替差益はやや縮小したものの、堅調な営業利益に支えられ、前年同期比27.0%増加となる147億36百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損益として政策保有株式の売却益と中国子会社の売却損失を計上した結果、前年同期比58.8%増加の99億31百万円となりました。セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
<医療関連事業>国内販売におきましては、メディカル営業部門で植込み型補助人工心臓が引き続き好調に推移したほか、注射・輸液関連製品においても販売増加と価格改定により好調に推移しました。しかしながら、バスキュラー関連製品の当社占有市場に対する他社参入の影響や、透析装置設置の減少により全体では低調な推移となりました。医薬営業部門は、昨年12月に発売したエソメプラゾールが56大学病院本院で採用されるなど、順調に拡大しております。また、不採算算定品の値上げにつきましても市場の理解を得ながら改善に向け進んでおり、売上高、利益ともに好調に推移しました。依然として供給問題が続くなかでの、得意先への丁寧な説明と真摯な姿勢は高い評価をいただき、ニプロMRのプレゼンス向上に寄与するものとなりました。
海外販売におきましては、世界各地で積極的な販売活動を展開し、ダイアライザ・透析装置をはじめとする主力商品の販売が順調に伸長しました。10月に米国大手透析プロバイダとの長期購買契約を更新したことにより、ダイアライザを含む透析消耗品の安定的販売先を確保しました。透析関連製品の展示会としては2023年7月にマレーシアのペナンで開催されたマレーシア腎臓学会および同年8月にインドのグジャラートで開催されたインド医療機器展示会に、また、注力するバスキュラー関連製品の展示会としては同年8月にブラジルのリオデジャネイロで開催された中南米心臓インターベンション学会に出展し、同地域でのニプロブランドの浸透を図りました。自社透析センターも、引き続き世界各国で市場を拡大しており、当第2四半期においては中国、マレーシア、ブラジルで各1施設計3施設を新規開設しました。新興国を中心に質の高い治療を提供できる環境を整え、地域医療に貢献し続けてまいります。運送費におきましては、海上運賃が正常に戻りつつある一方、国内外の陸送コストは上昇傾向となっているため、今後も地産地消の促進、ハブ倉庫の活用、物流の最適化、安全在庫の確保などにより、安定供給および経費削減を推進してまいります。これらの活動を通し医療現場のニーズに迅速に対応することにより、顧客満足の向上に努め、販売強化および管理強化による売上高の拡大、利益の確保につなげてまいります。生産拠点としましては、大館工場で2021年7月に着工した第7工場が本年7月に完成しました。第3四半期において当該工場でのダイアライザ新生産ラインの稼働を予定しています。加えて、2024年7月に東洋紡株式会社と共同でダイアライザ一貫生産ラインの稼働を計画しており、さらなる供給能力の拡大に尽力しております。この結果、当事業の売上高は2,202億34百万円(前年同期比9.7%増)、セグメント利益(営業利益)は225億61百万円(前年同期比21.4%増)となりました。
<医薬関連事業>医薬関連事業におきましては、複数の新規受託品の出荷開始や前年に受注が減少していた製品の回復に伴い、注射剤の出荷数が増加しました。また原価上昇に伴う仕切価格の変更も寄与し、他の製品の出荷減少分を上回り、売上高は前年同期比で微増となりました。営業利益につきましては、依然として原材料・エネルギー価格の高騰により製造経費は高止まりしておりますが、仕切価格の変更による利益率の改善、ニプロファーマ・ベトナム・リミテッドでの生産効率の改善活動による収益改善に加え、ニプロファーマの在庫評価損益の改善による一過性の要因もあり、前年同期比で大幅増となりました。しかしながら、後発品を中心とした販売終了品による生産減の影響、ならびに第3四半期以降の新規設備の稼働に伴う設備償却費の増大が見込まれるため、利益は減少傾向に転じる見込みです。この結果、当事業の売上高は352億33百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益(営業利益)は37億34百万円(前年同期比339.9%増)となりました。
<ファーマパッケージング事業>ファーマパッケージング事業におきましては、医薬用包装容器およびガラス管(医薬用包装容器の材料)の増産体制を整備するとともにインフレに伴う利益減少を緩和するための施策を進めました。顧客向けの販売単価適正化に加え、各工場の最適活動を追求、グローバル規模での生産効率とコスト競争力向上に注力しました。販売面では欧米市場における医薬用包装容器が二桁増収となった一方、ガラス管は世界的な在庫調整局面にあることから軟調な経過となりました。中国市場では、ワクチン需要減少に伴い収益率が減少しましたが、付加価値の高い医薬用包装容器やデバイス、ゴム栓等の輸入販売も含め、プロモーション活動を精力的に実施しました。また日本国内市場においては、高利益品である輸液システムや注射システム関連製品、バイアル製剤の販売が堅調に推移しました。なお当事業期間において、フランスのガラス管新工場立ち上げに伴う関連費用を一括費用計上しております。この結果、当事業の売上高は299億80百万円(前年同期比19.7%増)、セグメント利益(営業利益)は14億50百万円(前年同期比30.8%減)となりました。
<その他事業>その他事業におきましては、不動産賃貸等による売上高が4億17百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント損失(営業損失)は1億9百万円(前年同期は1億68百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の資産合計は1兆957億29百万円で、前連結会計年度末に比べ683億29百万円の増加となりました。このうち流動資産は356億92百万円の増加、固定資産は326億37百万円の増加となりました。流動資産の増加の主な要因は、商品及び製品が119億49百万円増加したことによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、有形固定資産の建物及び構築物(純額)が343億51百万円増加したことによるものであります。一方、負債合計は8,217億56百万円で、前連結会計年度末に比べ365億31百万円の増加となりました。このうち流動負債は449億90百万円の増加、固定負債は84億59百万円の減少となりました。流動負債の増加の主な要因は、短期借入金が229億66百万円増加したことによるものであり、固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が58億65百万円減少したことによるものであります。純資産合計は2,739億72百万円で、前連結会計年度末に比べ317億98百万円の増加となりました。このうち株主資本は84億43百万円の増加、その他の包括利益累計額は223億44百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ1.5ポイント増加し、21.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当社グループは医療関連、医薬関連、ファーマパッケージングの各部門の積極的な営業活動による現金及び現金同等物の収入と市場からの資金調達等により得た収入で、将来の当社グループ発展へ重点を置いた積極的な手元資金の運用に努めてまいりました。当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べて8億87百万円減少し、838億8百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は187億24百万円(前年同期は37億12百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、減価償却費258億20百万円、税金等調整前四半期純利益174億55百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額124億59百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、支出した資金は355億20百万円(前年同期は412億77百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入85億94百万円であり、支出の主な内訳は、固定資産の取得による支出407億69百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、得られた資金は89億26百万円(前年同期は238億21百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入322億10百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出343億70百万円であります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は85億45百万円であります。
