【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における国内医療用医薬品業界は、2023年4月に薬価改定(中間年改定)が実施された一方で、患者さんの受診行動が新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復したことにより、医療用医薬品市場は1桁台前半の成長率で推移しました。
当社グループは、創業100周年を迎えた今年度、新たに策定した長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」及び中期経営計画「Vision 110 -Stage1-(2023年度~2025年度)」を開始しました。その初年度となる2024年3月期は、経営方針に「事業体制の刷新と新たな取り組みによる成長」を掲げ、事業活動のポイントとして①創薬体制の刷新、②パイプラインの拡充、③新薬の普及最大化、④コスト競争力の向上に積極的に取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱7%台)の影響はあったものの、新薬の成長により、新医薬品等(国内)の売り上げは前年同期を上回る実績で推移しました。後発医薬品の売り上げも増加し、全体の売り上げは27,854百万円と前年同期比3,234百万円(前年同期比13.1%増)の増収となりました。
利益面では、売上原価率は上昇したものの売上増加により売上総利益が前年同期に対して1,193百万円増加する一方、販売費及び一般管理費は前年同期に対して972百万円増加(研究開発費は273百万円減少)となり、その結果、営業利益は710百万円と前年同期比220百万円(前年同期比45.1%増)の増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に計上した西日本配送センターにおける火災により被災した委託保管製品に関わる保険差益の反動減等の影響により、676百万円(前年同期比506百万円減)となりました。
当第1四半期連結累計期間の業績
売上高 27,854百万円(前年同期比 13.1%増)
営業利益 710百万円(前年同期比 45.1%増)
経常利益 913百万円(前年同期比 17.2%増)
親会社株主に帰属する
四半期純利益 676百万円(前年同期比 42.8%減)
売上高の状況につきましては、以下の通りです。
〔新医薬品等(国内)〕
薬剤費の抑制を目的として継続的に実施される薬価改定等により、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。このような環境に対応すべく、杏林製薬㈱はFC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとして、ソリューション提供型営業(課題解決策の提案)による新薬の普及最大化を中期経営計画の重点戦略に掲げ、積極的に活動を展開しています。当第1四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行収束期となるなか、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談を行うとともに、デジタルプロモーションの効果的な活用により複合的な情報提供を実施することで営業力の補完・強化を図り、新薬の成長加速に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」が伸長しました。また2023年5月に処方日数制限解除となった咳嗽治療薬「リフヌア」も売上増加に寄与しました。他方、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少しました。
診断事業に関わる取り組みとしては、2023年3月期に新発売した体外診断用医薬品(新型コロナウイルス核酸検出キット、インフルエンザウイルス核酸キット)の拡販に注力しました。今後ともPCR検査の時間短縮等、検査体制の充実に向け、より一層の貢献を目指します。
以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は18,944百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
〔新医薬品(海外)〕
新医薬品(海外)の売上高は55百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
〔後発医薬品〕
安定供給問題への対応に最大限注力するとともに、追補収載品の売り上げ寄与により前年同期を上回る実績で推移し、売上高は8,854百万円(前年同期比9.3%増)となりました。
品質確保の取り組みについては、杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全てのグループ会社が一丸となって、GMP※などの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めています。今後とも信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品を提供していきます。
※医薬品等の製造管理及び品質管理の基準
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して3,502百万円減少し、172,542百万円となりました。このうち、流動資産は114,447百万円と前連結会計年度末と比較して4,582百万円の減少となりました。主な増減要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少4,437百万円、商品及び製品の減少1,542百万円等によるものです。また、固定資産は58,094百万円と前連結会計年度末と比較して1,080百万円の増加となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加411百万円、投資有価証券の増加425百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して2,794百万円減少し、47,789百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の減少2,063百万円、未払法人税等の減少1,673百万円、賞与引当金の減少1,066百万円、流動負債のその他の増加2,024百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して707百万円減少し、124,753百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の減少1,184百万円、その他有価証券評価差額金の増加314百万円等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費は1,993百万円(前年同期比12.1%減)となりました。
当社グループは、医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供し、人々の健康に貢献することが使命だと考えています。杏林製薬㈱は、疾患研究から見出された新規作用機序による創薬に加え、革新的な技術により新たな価値を創出する創薬にも取り組んでいます。これまで注力してきた低分子創薬のみならず、新たなモダリティとして核酸創薬や外部の革新的な技術の活用を積極的に展開することで創薬基盤を強化し、疾患研究との組み合わせによって価値の高い新薬を生み出す創薬イノベーションに挑戦しています。
さらに導入による開発パイプラインの拡充を最重要課題と位置付けており、資金及び人的資源を最大限投入することによりライセンス・アライアンス機能を強化し、早期に開発パイプラインの拡充を図るべく活動を展開しています。
当第1四半期連結累計期間における国内外開発の進捗状況としましては、臨床試験の相移行などの進展はありませんでしたが、治療用アプリ「KRP-DT123」の特定臨床研究の準備、前臨床の各プロジェクトは着実に進展しており、早期の臨床試験入りを目指します。
(6)従業員の状況
①連結会社の状況
当第1四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はありません。
②提出会社の状況
当第1四半期累計期間において、提出会社の従業員数は前事業年度末から1,372名増加し、1,489名となりました。この従業員数の増加は、旧杏林製薬㈱を吸収合併したことによるものです。
