【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
業績当連結会計年度の国内経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気は、緩やかに持ち直す中、原材料価格、エネルギー価格の高騰等の影響もあり厳しい状況となりました。このような状況の中、当社は「私たちを取り巻く脅威に対処し、遠い未来・近い将来・今の社会に貢献する」ことを経営理念として活動して参りました。地球温暖化・災害・衛生リスクという3つの脅威に対し、省エネルギー設備の導入、その他施設改修等のソリューションに加え、当期からはリノベーション事業を開始し、グループをあげて受注活動を行って参りました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は、3,402百万円(前連結会計年度比2,367百万円増)となりました。損益に関しましては、販売費及び一般管理費が787百万円(前連結会計年度比353百万円増)となり、営業損失155百万円(前連結会計年度 営業損失260百万円)、経常損失210百万円(前連結会計年度 経常損失298百万円)となりました。純損益に関しましては、主に、前期より行っていた新規事業でのライセンス料等支出額について今後の回収可能性を鑑みて事業整理損失引当金繰入額75百万円を特別損失に計上したことと当連結会計年度より連結子会社となった株式会社イエローキャピタルオーケストラでは課税所得が見込めることから、繰延税金資産の計上により法人税等調整額として10百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失296百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失333百万円)となりました。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、当社グループの事業はこれまで単一セグメントとしておりましたが、当連結会計年度より「省エネルギー関連事業」と「リノベーション事業」の2区分に変更しております。そのため「リノベーション事業」における売上高及び営業利益の前年同期との比較・分析を行っておりません。セグメントの業績については、次のとおりであります。(省エネルギー関連事業)省エネルギー関連事業におきましては、省エネルギー事業の推進により、顧客企業にエネルギー・ソリューション・サービスの提供を行っております。また省エネルギー関連における設備導入、企画、設計、販売、施工及びコンサルティング業務を行っております。当連結会計年度における業績は、売上高702百万円(前年同期比332百万円減)、セグメント損失(営業損失)は246百万円(前年同期 セグメント損失 260百万円)となりました。(リノベーション事業)リノベーション事業におきましては、リノベーション及びリノベーション後の物件販売、資産運用に関するコンサルティング、宅地建物取引業、不動産の分譲、売買、賃貸及び管理並びにそれらの仲介及びコンサルティングを行っております。当期連結会計年度における業績は、売上高2,699百万円、セグメント利益は93百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して87百万円減少し、381百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは717百万円の支出となりました。これは主に、資金の減少要因として、税金等調整前当期純損失281百万円の計上、たな卸資産の増加586百万円、仕入債務の減少63百万円、資金の増加要因としては、売上債権の減少163百万円などによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは657百万円の支出となりました。これは有形固定資産の取得による支出465百万円と、子会社株式の取得による支出180百万円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,287百万円の収入となりました。これは主に、借入金による収入3,382百万円と借入金の返済による支出2,298百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)
生産実績当社グループの業態は、生産活動を行っておりませんので、記載を省略いたします。
(2) 受注状況当連結会計年度における受注状況を事業内容ごとに示すと次のとおりであります。
事業の名称
受注高
受注残高
金
額
前期同期比
金
額
前期同期比
千円
%
千円
%
省エネルギー関連事業
702,000
67.9
182,139
98.9
合
計
702,000
67.9
182,139
98.9
(3)
販売実績当連結会計年度における販売実績を事業内容ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称
販売高
金
額
前期同期比
千円
%
省エネルギー関連事業
702,284
67.9
リノベーション事業
2,699,731
―
合
計
3,402,015
328.7
(注)主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5
経理の状況
1
連結財務諸表等
(1) 連結財務諸表
注記事項
重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析①流動資産当連結会計年度末における流動資産は、2,848百万円(前連結会計年度末比1,949百万円増)となりました。これは主に、新規連結子会社とした株式会社イエローキャピタルオーケストラを受け入れたことによる販売用不動産2,110百万円が増加したこと等によるものであります。②固定資産当連結会計年度末における固定資産は、1,607百万円(前連結会計年度末比1,585百万円増)となりました。これは主に、新規連結子会社とした株式会社イエローキャピタルオーケストラを受け入れたことによる建物553百万円の増加、土地814百万円の増加等によるものであります。③流動負債当連結会計年度末における流動負債は、2,481百万円(前連結会計年度末比2,209百万円増)となりました。これは主に、新規連結子会社とした株式会社イエローキャピタルオーケストラを受け入れたことによる短期借入金の増加2,021百万円と1年内返済予定の長期借入金136百万円の増加等によるものであります。④固定負債当連結会計年度末における固定負債は、1,353百万円(前連結会計年度末比1,300百万円増)となりました。これは主に、新規連結子会社とした株式会社イエローキャピタルオーケストラを受け入れたことによる長期借入金の増加1,235百万円等によるものであります。⑤純資産当連結会計年度末における純資産は、620百万円(前連結会計年度末比24百万円増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失296百万円を計上したことと新株予約権の行使による新株発行で222百万円の資本金等の増加によるものであります。
(3) 経営成績の分析①
売上高及び売上総利益「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 業績」に記載したとおりであります。②
販売費及び一般管理費当連結会計年度における販売費及び一般管理費は 787百万円(前年同期比353百万円増)となりました。これは主に新規連結子会社とした株式会社イエローキャピタルオーケストラを受け入れたことによるものであります。③
営業利益当連結会計年度における営業損失は 155百万円(前年同期 260百万円の営業損失)となりました。これは新規連結子会社とした株式会社イエローキャピタルオーケストラのリノベーション事業が大きく利益に寄与したものの既存の省エネルギー関連事業が受注競合等で粗利率が下がってしまったため営業損失となっております。④
経常利益当連結会計年度における経常損失は 210百万円(前年同期 298百万円の経常損失)となりました。これは借入金の支払利息58百万円の計上等によるものであります。⑤
親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は296百万円(前年同期 333百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これは主に経常損失の計上と新規事業のライセンス料等を事業整理損失引当金繰入額として75百万円の特別損失の計上等によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、381百万円(前年同期比 87百万円減)となりました。なお、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2
事業の状況
3
事業等のリスク」に記載したとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し当社グループは、「脅威に立ち向かい、社会に貢献する」ことを重点テーマに、地球温暖化、災害、衛生リスクという3つの脅威に対するソリューションを、社会に提供することを基本方針としております。2050 年のカーボンニュートラルという政府目標の実現、異常気象や震災など非常事態に対する対応の需要増大、新型コロナ感染症拡大による衛生需要の急増、などを背景に、当社グループが推進する事業には、中期的な成長が見込まれます。その一方で、現状では、原材料の供給制限や価格高騰などの事業環境の変化が、業績回復の妨げとなっており、このような状況への対処が急がれています。そうした中、当社グループでは、これらの環境変化に対し、自助努力による業績回復が困難な体質を改革するため、受託事業や補助金関連事業への依存から脱却し、自らの力で付加価値を作り、市場を開拓することが可能な事業を、新たな柱とすることを検討して参りました。その結果、リノベーションによる住宅販売を主要な事業とする、株式会社イエローキャピタルオーケストラをグループに加え、LED、空調設備機器、非常用電源等を活用した、省エネ・BCP 対応のコンセプト住宅等の企画・開発・販売を行うことを企図しております。不動産事業と省エネソリューション事業の融合によるシナジー効果で、株式会社イエローキャピタルオーケストラが行う中古マンション等の不動産販売事業を、より付加価値が高いものとすると同時に、当社グループとしては、「脱炭素」をコンセプトとした、より収益規模の大きな事業の展開が可能になるものと考えております。また当社グループは、新たに個人向けの市場へ参入することとなりますが、これまでに比べ、より幅広い市場に向けて、成長性のある事業を展開することにより、業容の拡大をはかってまいります。現時点での次期の連結業績見通しは、次のとおりであります。売上高
3,450百万円営業利益
10百万円経常利益 △60百万円親会社株主に帰属する当期純利益 △120百万円
(注)業績予想に関しましては現時点で入手可能な情報に基づき当社にて判断したものであり、リスクや不確定要素が含まれております。そのため、様々な要因の変化により、実際の成果や業績等は記載の予測とは異なる可能性があります。
(7) 事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策当社グループには、「3.事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該重要事象等を解消し、経営基盤の安定化への対応策は、「第2「事業の状況」3「事業等のリスク」(4) 継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおりであります。