【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、ワクチン接種の普及により経済活動の回復がみられたものの、新型コロナウイルスの新たな変異株の再拡大により回復のペースは緩やかで厳しい状況にあります。また、ウクライナ情勢の変化や世界的な原材料の高騰による影響で、景気の先行きは極めて不透明な状況が続いております。
当社においては、従業員の安全性を考慮し、恒久的なテレワーク(在宅勤務)制度を導入しており、通勤時間が不要になるなど、従業員満足度の向上が図られたとともに、場所を問わずチーム体制が有効に機能したこともあり、ゲームアプリの運用・開発面での生産性向上につながっております。
当社の事業領域であるモバイルゲーム事業を取り巻く環境につきましては、2021年の世界ゲームコンテンツ市場は、前年比6.1%増の21.9兆円、日本国内においては前年比0.8%減の微減となり、2020年に引き続き2兆円規模を維持し、ほぼ横ばいの状態となっております。しかし2021年の日本国内ゲーム人口は5,535万人と、初の5,000万人超えとなった前年の5,273万人からさらに増加しております。中でもゲーム人口が特に増えたのは、スマホのアプリゲームユーザーで6.4%増とゲームアプリが国内ゲーム市場を牽引しており、引き続き堅調に推移していくことが期待されます。(出典:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2022」)
このような事業環境の中、当社では、2022年2月11日にリリースいたしました大人気作品『進撃の巨人』のスマートフォンゲーム最新作「進撃の巨人 Brave Order」が累計555万ダウンロードを突破しており、業績に大きく貢献しております。2023年3月にはTVアニメ『進撃の巨人 The Final Season完結編』の放送が開始しており、引き続きゲーム内のさらなる活性化を図るため、出演人気声優を起用した公式放送を行い、番組とゲームで連動した企画の実施や機能改善など、引き続き魅力的なイベント施策を行い、収益寄与につなげてまいります。
リリース2周年を迎えたアニメ『五等分の花嫁』初のスマートフォンゲーム「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」は、累計800万ダウンロードを突破し、引き続き当社の業績に貢献しております。イベント施策や書き下ろしイラストの充実など、引き続き魅力的な施策を行い収益寄与につなげてまいります。
リリース12年目を迎えた「ぼくのレストラン2」や「ガルショ☆」は、12周年施策やコラボレーション施策等が好調に推移し、引き続き当社の売上収益に貢献しております。よりきめ細やかな対応を図り、ユーザーの皆様の満足度向上に努めてまいります。
また、足元の状況としては、アニメ『ゆるキャン△』初となるスマートフォンゲーム「ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!」を2023年春のリリースに向け、鋭意開発を進めております。事前登録者数は40万人を突破しており、今後の収益寄与が期待されます。なお、当事業年度において、新規IPタイトルの開発コストが計上されております。
その他、収益構造の最適化の観点から、当社の非連結子会社である中国子会社(Enish China Limited.)の縮小を行いました。本取り組みにより、現地の人件費やその他経費の圧縮が図られましたが、当事業年度において、主に退職する従業員の転職支援金として、子会社整理損35百万円の特別損失を計上しております。
当事業年度においては、既存タイトルの効果的運営を推進するとともに、新規IPタイトル開発及びブロックチェーンゲーム開発に人材を投入しております。引き続き、有力案件を確保し、年1~2本ペースでの新規タイトルリリースを行うことで利益を積み上げ、企業価値向上を図ってまいります。
この結果、当事業年度の業績は、売上高は4,118百万円(前事業年度は3,892百万円)、営業損失は335百万円(前事業年度は257百万円の営業損失)、経常損失は375百万円(前事業年度は267百万円の経常損失)、当期純損失は415百万円(前事業年度は279百万円の当期純損失)となっております。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しているため、当事業年度における経営成績に関する説明において、前事業年度と比較した増減額及び前事業年度比(%)の記載は省略しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
また、当社はエンターテインメント事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産につきましては、前事業年度末に比べて713百万円増加し、2,250百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加(前事業年度末比909百万円の増加)があった一方で、未収入金の減少(前事業年度末比250百万円の減少)によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債につきましては、前事業年度末に比べて148百万円増加し、1,122百万円となりました。これは主に、契約負債の増加(前事業年度末比173百万円の増加)、買掛金の増加(前事業年度末比44百万円の増加)があった一方で、未払金の減少(前事業年度末比101百万円の減少)によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末に比べて565百万円増加し、1,127百万円となりました。これは主に、当期純損失を415百万円計上したものの、第三者割当による行使価額修正条項付第15回新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ526百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ964百万円増加し、1,330百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は、206百万円となりました。これは主に、税引前当期純損失411百万円、売上債権の増加額51百万円があった一方で、仕入債務の増加額44百万円、契約負債の増加額101百万円、その他の資産の減少額57百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により獲得した資金は、67百万円となりました。これは主に、敷金の回収による収入231百万円があった一方で、資産除去債務の履行による支出83百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により獲得した資金は、1,104百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,045百万円があったことによるものであります。
④生産・受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は次のとおりであります。
事業の名称
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
エンターテインメント事業(千円)
125,000
-
-
-
合計(千円)
125,000
-
-
-
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度の数値については、当該会計基準を適用した後の数値となっており、前年同期比(%)は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
事業の名称
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
エンターテインメント事業(千円)
4,118,782
—
合計(千円)
4,118,782
—
(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度の数値については、当該会計基準を適用した後の数値となっており、前年同期比(%)は記載しておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
Apple Inc.(注)3
1,312,917
33.7
1,629,209
39.6
グリー株式会社(注)3
773,461
19.9
724,938
17.6
Google Inc.(注)3
657,792
16.9
651,116
15.8
3.相手先は決済会社又はプラットフォーム事業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りについては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内で合理的に判断を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症については、収束時期が予測できないため、影響の及ぶ期間を正確に把握することが困難であります。このような状況を踏まえ当社は、会計上の見積りにあたって当該感染の影響が及ぶ期間が長期にわたる可能性があると考えております。これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③経営成績の分析
当事業年度の業績は、売上高4,118百万円(前事業年度は3,892百万円)となりました。売上原価は3,770百万円
(前事業年度比11.3%の増加)、販売費及び一般管理費は683百万円(前事業年度比10.5%の減少)となり、この結果、営業損失は335百万円(前事業年度は257百万円の営業損失)、経常損失は375百万円(前事業年度は267百万円の経常損失)、当期純損失は415百万円(前事業年度は279百万円の当期純損失)となりました。
a.売上高
当事業年度の売上高は4,118百万円となりました。詳細については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
b.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は売上高増加に伴い支払手数料等の変動費の増加があり、前事業年度比11.3%の増加の3,770百万円となりました。これは主に、労務費838百万円、既存・新規タイトル制作に伴う外注費722百万円及びプラットフォーム事業者等への支払手数料1,712百万円となり、この結果、売上総利益は348百万円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費は683百万円となりました。これは主に、労務費196百万円、広告宣伝費252百万円、カスタマーサポート等の外注費30百万円となり、この結果、営業損失は335百万円となりました。
d.営業外収益、営業外費用及び経常損益
営業外収益は16百万円、営業外費用は57百万円となりました。営業外収益は主に債務免除益9百万円、償却債権取立益3百万円、営業外費用は主に支払利息44百万円、貸倒損失7百万円であり、この結果、経常損失は375百万円となりました。
e.特別損失及び当期純損益
特別損失は35百万円となりました。特別損失は主に、当社の非連結子会社である中国子会社(Enish China Limited.)の縮小による子会社整理損35百万円となり、この結果、税引前当期純損失は411百万円となり、法人税、住民税及び事業税の計上により、当期純損失は415百万円となりました。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤経営戦略の現状と見通し
今後の見通しにつきましては、既存タイトルの売上高の維持と効率的な運営体制の見直しを行い収益力の強化を図ってまいります。また、売上収益の拡大を目的に、新規で年間1~2タイトルをリリースしていく方針です。今後の新規タイトルにつきましては、新規開発に注力できる体制を構築・維持することで、開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減を図りながら、高品質なIPタイトルの開発を行ってまいります。
さらに、ブロックチェーンゲーム市場の急速な拡大と活性化のなかで、当社はブロックチェーン技術を活用したサービス開発に早期参入しノウハウを得る方針です。なお、ブロックチェーンゲームの開発にあたり体制を強化し推進してまいりますが、受託開発方式により先行コストが増加しないよう努めてまいります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主な内容は、モバイルゲームの開発・運営に係る人件費及び外注費並びに広告宣伝費等の運転資金であります。当社では、運転資金につきましては、自己資金及び借入金等により資金調達をしておりますが、必要に応じて資本性の資金調達を実施しております。なお、2022年1月11日付で発行した第三者割当による行使価額修正条項付第15回新株予約権が2022年6月23日までにすべて行使された結果、1,050,529千円の資金調達をしております。
当事業年度においては、営業活動により206百万円を使用し、投資活動により67百万円、財務活動により1,104百万円の資金を調達しております。
各項目の主な要因については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑧経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高及び営業利益を継続的に成長させ、企業価値向上を目指してまいりたいと考えております。このため、売上高及び営業利益を重要な指標として位置付けております。
売上高については、ブラウザタイトルが引き続き堅調に推移したこと、2022年2月リリースした「進撃の巨人 Brave Order」や「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」が大きく業績に寄与した一方、2023年1月に配信終了した「彼女、お借りしますヒロインオールスターズ」の収益貢献が限定的でありました。コストについては、外注費及び広告宣伝費のコントロール等を行ったが、新規IPタイトル及びブロックチェーンゲームの開発コストが計上された結果、当事業年度の業績は、増収減益となりました。
当事業年度における売上高4,118百万円(前事業年度は3,892百万円)、営業損失は335百万円(前事業年度は257百万円の営業損失)となっております。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。
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