【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に対する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の概要
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が懸念される中、個人消費を中心に持ち直しの動きが見られるなど、社会生活や経済活動の正常化が図られました。しかしながら、ウッドショックやウクライナ情勢の長期化に伴う各種原材料価格や資源価格の高騰、さらには急激な円安の進行等により、先行きは極めて不透明な状況で推移しました。
住宅業界におきましては、コロナ禍における生活様式や働き方の変化を背景に、新設住宅着工戸数の総数は底堅く推移しておりましたが、利用関係別では持家が前年を下回る着工戸数となりました。一方、ウッドショックによる原材料価格の高騰やその他資源価格の上昇、円安の進行による調達コストの増加が続くなど、企業を取り巻く環境は厳しい状況で推移しました。
このような状況下、当社グループでは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」の実現に向けて、本計画の基本方針に基づく各施策への取り組みを進めてまいりました。とりわけ、顧客ニーズを取り入れた新製品の市場投入による住宅分野及び非住宅分野の販売拡大に注力しました。一方で、原材料価格の高騰が続いていることを踏まえ、更なる生産性の向上や経費削減を図るとともに、資材の安定調達と製品の安定生産、安定供給に努めつつ、販売価格の適正化を推し進めました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、住宅資材事業、木質ボード事業とも堅調に推移し、32,966百万円(前年同四半期比17.8%増)となりました。損益面では、ウッドショック等による各種原材料価格や資源価格の高騰が続く中、売上増による増益効果に加え、徹底したコスト低減や高付加価値製品の販売拡大、さらには販売価格の適正化による収益確保に努めました。しかしながら、販売価格の適正化を上回るペースで資材価格の高騰が続いていることや、2022年11月に商用生産への移行を予定しているENボード株式会社の販管費が圧迫要因となり、営業損失712百万円(前年同四半期は営業損失293百万円)、経常損失650百万円(前年同四半期は経常損失198百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失522百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益93百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(住宅資材事業)
住宅資材事業におきましては、フローリング、室内階段、室内ドア、収納等の色柄・デザインを体系化した基軸ブランド「Skism(スキスム)」の販売拡大に注力しました。さらに今年度は、コロナ禍以降、穏やかに過ごせる住空間のニーズが増加していることから、「自身を平常の穏やかな状態に戻してくれる柔らかい雰囲気のインテリアコーディネート」を意味する「ニュートラルインテリア」を一つの切り軸として、グレージュ等のトレンドカラーを追加した「Skism(スキスム)2022」を発売しました。また、ウッドショックによる原材料価格の高騰などに対応するため、各分野ともコスト低減活動と並行して販売価格の適正化を推し進め、収益の確保に努めました。
このほか、各分野別の取組は以下のとおりであります。
建材分野では、「銘樹モクトーン」と「銘樹エルテージ」をクリア系ラインナップの「銘樹モクトーン」及び着色系ラインナップの「銘樹モクトーンC」に再編し、それぞれに新製品を追加するなど、銘樹ブランドの強化を図りました。
内装システム分野では、最上位シリーズの「グランマジェスト」にフロートタイプのTVボードを追加するなど、販売拡大に注力するとともに、異素材融合のトレンドを取り入れた「マテリアルミックス」をリニューアルし、品揃えの充実を図りました。また、「セーフケアプラス 大開口間仕切り吊り戸」に、和のテイストを取り入れた新デザインを追加するなど、「セーフケアプラス」製品群を強化しました。
住設分野では、「ラフィーナ ネオ」「ラポッテ」をはじめとするシステムキッチンに加え、感染予防策の観点から帰宅後はすぐに手を洗いたいというニーズを取り入れ、玄関などに単独でも設置することができるコンパクトでインテリア性の高い手洗い「セカンドサニタリー」の販売拡大に注力しました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は29,807百万円(前年同四半期比17.2%増)と堅調に推移しましたが、販売価格の適正化を上回るペースで資材価格の高騰が続いていることが圧迫要因となり、セグメント利益は554百万円(同20.1%減)となりました。
(木質ボード事業)
木質ボード事業におきましては、パーティクルボードの堅調な需要を背景に、既存顧客への販売拡大や顧客の新規開拓などに取り組んだ結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は3,091百万円(前年同四半期比24.9%増)となりました。一方、原油価格の上昇に伴い接着剤や化粧シートをはじめとする原材料価格の高騰が続く中、徹底したコスト低減や販売価格の適正化による効果はあったものの、2022年11月に商用生産への移行を予定しているENボード株式会社の販管費を補うには至らず、セグメント損失は414百万円(前年同四半期はセグメント損失152百万円)となりました。
(その他事業)
当社グループは、上記事業のほか、不動産有効活用事業、太陽光発電事業を推進しております。
当第2四半期連結累計期間の売上高は66百万円(前年同四半期比4.9%減)、セグメント利益は41百万円(同3.5%増)となりました。
(2)財政状態の概要
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,352百万円増加し、91,206百万円となりました。主な要因は、現金及び預金、建設仮勘定がそれぞれ減少したものの、売上債権、棚卸資産、未収入金及びリース資産がそれぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,520百万円増加し、50,572百万円となりました。主な要因は、短期借入金が減少したものの、リース債務、支払手形及び買掛金、未払金、仮受金(流動負債その他)がそれぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,168百万円減少し、40,633百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上及び配当金の支払いによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で404百万円、投資活動で333百万円の資金を獲得し、財務活動に2,835百万円の資金を使用したことにより、前連結会計年度末に比べ2,095百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末には3,718百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは404百万円の増加(前年同四半期は253百万円の増加)となりました。主な要因は、売上債権の増加1,945百万円及び棚卸資産の増加1,726百万円があったものの、その他資産の減少1,497百万円、未払金の増加1,167百万円及び減価償却費963百万円の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは333百万円の増加(前年同四半期は6,553百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出1,050百万円があったものの、ENボード株式会社の設備等に対する補助金の受取額1,320百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,835百万円の減少(前年同四半期は3,101百万円の増加)となりました。主な要因は、短期借入れによる収入6,829百万円があったものの、短期借入金の返済による支出9,369百万円及び配当金の支払額265百万円によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループにおける優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は306百万円であります。なお、研究開発費については、各事業部門に配分できない基礎研究費用101百万円が含まれております。
また、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の研究開発費については、住宅資材事業は184百万円、木質ボード事業に係る研究開発費は20百万円であります。
その他、当第2四半期連結累計期間において、当社グループが行っている研究開発活動について、重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは製品製造のための原材料の調達、経費等の支払いを始めとした運転資金のほか、安定した製品の生産を行うための設備投資資金、ソフト開発資金の需要があります。これらの資金需要に対し、自己資金並びに外部からの資金調達も含め安定的かつ機動的な対応を基本としております。また、金融機関と総額5,000百万円の融資枠を設定し流動性リスクに備えております(当第2四半期連結会計期間末において借入未実行)。
なお、当第2四半期連結会計期間末の借入金残高21,475百万円は、ENボード株式会社の設備投資資金に係るものであります。
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