【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、2022年7月14日に行われた株式会社シナジーとの企業結合について、前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、第2四半期連結会計期間に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかに回復しており、先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方で、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。さらに、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。当社グループがサービスを提供する市場におきましては、人口減少等の社会構造の変化や、ウィズコロナへの対応等から、DX(注)やデジタル化が急速に進んでおります。流通食品小売業においては、原材料や物流費の高騰を背景とする仕入価格の上昇に加え、足元では光熱費等の高騰にも直面しており、コストの吸収に苦慮しています。中長期的な視点に立てば、人口減少に伴う市場縮小の脅威にさらされており、また、業種・業界の垣根を超えた競争の激化や既存企業間の出店競争、人材不足や人件費上昇といった問題に直面しております。このように厳しさを増す経営環境を打開するには、DXの推進等により、店舗運営の効率化や、卸売業・製造業との連携によるサプライチェーンの最適化など、生産性向上に向けた取組を進めることが不可欠となっております。また、「2024年問題」をはじめとする物流危機が迫るなか、企業間の壁を越えた物流の効率化に取り組む動きがあるなど、非競争領域における協業や共同利用の考え方が広がりつつあります。官公庁においては、ガバメントクラウド(注)を活用した自治体の基幹業務システムの統一化・標準化に向けた取組のほか、2022年9月には総務省から「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画(第2.0版)」が示され、官公庁・自治体のDX化の動きが期待されます。また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化が正式に決定されるなど、マイナンバーカードの今後の普及・利用促進が期待され、住民サービスの向上と行政の効率化がさらに加速するものと考えられます。 さらに、コロナ禍を契機にはじまった商慣習の変革に伴い、紙・対面に基づく様々なやりとりをサイバー空間において実現するためのデータ流通基盤となる「トラストサービス」へのニーズは飛躍的に高まっており、簡易かつ信頼性の高いサービスが急速に普及していくと考えられます。また、デジタル庁における令和5年度予算において、「Web3.0(注)の推進に向けた環境整備に係る経費」が盛り込まれるなど、分散型のデジタル社会の実現に向けて、国を挙げての環境整備が進もうとしています。携帯電話販売市場においては、通信キャリア各社がオンラインショップで端末をユーザに直接販売する動きを活発化させております。また、株式会社NTTドコモによるエリア毎のドコモショップを適切な店舗数・店舗規模に見直す方針の発表や、ドコモショップへのインセンティブ体系の変更など、依然として厳しい環境が続いております。一方で、5Gサービスの拡大による新たな需要や、2026年3月に予定される3Gサービス終了に向けた端末買い換え需要などの事業機会も見込まれます。また、ドコモショップが地域のICTサポート拠点としての役割を担うことも期待されております。このような状況のもと、「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」をブランドコンセプトに、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質かつ高機能なクラウドサービスの提案を積極的に進めてまいりました。なお、当社は2023年4月1日施行の株式会社東京証券取引所の規則改正に伴い、スタンダード市場への上場の再選択の機会が得られたことから、同年9月15日付でスタンダード市場への選択申請を行い、同年10月20日に上場市場を移行いたしました。これは、株主の皆様が不安を持つことなく、安心して当社株式を保有・売買いただける環境を確保することが重要であると判断したためであります。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高11,046百万円(前年同期比21.4%増)、営業利益732百万円(前年同期比19.7%減)、経常利益757百万円(前年同期比17.9%減)となりました。また、モバイルネットワーク事業における吸収合併に伴うのれんの減損損失等、特別損失206百万円を第1四半期連結会計期間に計上したことにより親会社株主に帰属する四半期純利益は228百万円(前年同期比62.0%減)となりました。当社グループが経営上の重要指標と位置付ける定常収入(注)は、サービス提供の拡大等により553百万円増加し、5,740百万円(前年同期比10.7%増)となり、順調に推移しました。なお、第1四半期連結会計期間より、2022年7月に完全子会社化した株式会社シナジーの損益計算書の連結を開始いたしました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 流通クラウド事業流通クラウド事業におきましては、小売業向けEDIサービス「BXNOAH」やネットスーパーシステム「@rmsネットスーパー」等のクラウドサービス提供拡大により定常収入が増加しました。また、中大規模顧客向け「@rms基幹」に係るソフトウェア償却費が減少した反面、ウィズコロナ下での営業活動等の活発化に伴い旅費交通費が、開発力及び営業力強化のための採用に伴い人件費及び労務費が、さらに電気料金が上昇し水道光熱費がそれぞれ増加いたしました。2023年5月には、一般社団法人日本加工食品卸協会(日食協)や日食協加盟の食品卸6社等が基本合意した「EDIプラットフォーム」に関して当社がEDI基盤サービスベンダーの1社に採択されました。当第3四半期には、主力サービスである食品小売向け基幹システム「@rms」において、中大規模顧客からの受注を獲得いたしました。同サービスについては、高速処理化等の開発投資を進め、さらなる展開加速に向けて注力してまいります。また、流通業界における商談のDXを実現する企業間プラットフォーム「C2Platform」の商談支援サービスについて、大手食品小売業での稼働を開始いたしました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は3,377百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益(経常利益)は705百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
② 官公庁クラウド事業官公庁クラウド事業におきましては、ネットワーク工事案件等が増加したことに加え、前連結会計年度に連結子会社となった株式会社シナジーの寄与もあり、売上高は前年同四半期を大幅に上回りました。一方、株式会社シナジーの子会社化に伴う取得原価の配分にあたり識別した無形資産及びのれん等の償却費186百万円を計上したことにより、減益となりました。また、電子認証サービス「マイナサイン」について、株式会社トラストバンクが提供する「LoGoフォーム」と連携し、2023年4月より同サービスを利用する自治体向けへの本格展開を開始しました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は5,125百万円(前年同期比28.6%増)、セグメント利益(経常利益)は401百万円(前年同期比29.3%減)となりました。
③ トラスト事業トラスト事業におきましては、2023年5月よりデジタル証明書発行サービス「CloudCerts」を用いた「TOEIC® Program」公開テストのデジタル公式認定証発行を開始する等、サービス提供拡大により定常収入が増加し、増収となりました。一方、既存事業であるタイムスタンプサービスに関する支出が発生し、売上原価が増加しました。また、2023年8月には株式会社サムポローニアと共同開発をした、マイナンバーカード認証を活用した司法書士向け電子署名サービス「サムポロトラスト電子署名」がリリースされました。さらに、第4四半期には不動産業界向けの電子契約サービスリリースに向け準備を進めております。引き続き、不動産取引のデジタル化に貢献すべく取組を進めてまいります。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は65百万円(前年同期比79.0%増)、セグメント損失(経常損失)は186百万円(前年同期はセグメント損失177百万円)となりました。
④ モバイルネットワーク事業モバイルネットワーク事業におきましては、2022年12月に実行した吸収合併により店舗数が拡大し、総販売台数が増加したため増収となりました。一方、株式会社NTTドコモによるインセンティブ体系変更の影響等により、減益となりました。今後に向けた取組としては、今期より法人営業の体制強化を実施しており、DXソリューションの提供等の新たな収入の獲得に向けた取組を進めております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,477百万円(前年同期比29.9%増)、セグメント利益(経常利益)は2百万円(前年同期比98.7%減)となりました。
(注)上記に用いられる用語は以下のとおりであります。DX:デジタルトランスフォーメーション。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。ガバメントクラウド:政府共通のクラウドサービスの利用環境。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とするもの。 Web3.0:次世代インターネットとして注目される概念。巨大なプラットフォーマーの支配を脱し、分散化されて個と個がつながった世界。電子メールとウェブサイトを中心としたWeb1.0、スマートフォンとSNSに特徴づけられるWeb2.0に続くもの。定常収入:情報処理料や保守料等の継続的に得られる収入で、安定収益の拡大を目指す当社グループ独自の管理指標のこと。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は12,376百万円となり、前連結会計年度末に比べ370百万円減少しました。流動資産は、524百万円の減少となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が367百万円、現金及び預金が171百万円、仕掛品が143百万円減少したことと、流動資産のその他に含まれる前払費用が74百万円、リース債権及びリース投資資産が56百万円、商品及び製品が20百万円増加したことによるものです。 固定資産は、153百万円の増加となりました。これは主に取得等により無形固定資産のその他に含まれるソフトウエア仮勘定が170百万円、ソフトウエアが106百万円、有形固定資産のその他に含まれる工具、器具及び備品が122百万円、建設仮勘定が104百万円増加したことと、減損損失の計上等によりのれんが332百万円減少したことによるものです。 負債は、477百万円の減少となりました。これは主に返済により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が339百万円、買掛金が315百万円減少したことと、賞与引当金が207百万円増加したことによるものです。純資産は、107百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により228百万円増加した一方で剰余金の配当により144百万円減少したことと、新株予約権の権利行使等により資本金が16百万円、資本剰余金が16百万円増加したことによるものです。
(2)経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は169百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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