【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当第3四半期連結累計期間における経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における業績は、工程集約、自動化、DX(デジタルトランスフォーメーション)化による粗利益率の改善が持続したことにより、売上収益は3,330億円(2,449百万EUR、前年同四半期比21.4%増)、営業利益は268億円(197百万EUR、前年同四半期比59.9%増)、税引前四半期利益は243億円(179百万EUR、前年同四半期比71.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は166億円(122百万EUR、前年同四半期比67.8%増)となりました。(ユーロ建表示は2022年1月から9月の期中平均レート136.0円で換算しております。)
第3四半期累計の連結受注額は、高水準を維持し前年同期比27%増の4,320億円となりました。5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX化の需要が増加しました。お客様への付加価値提供が浸透していることに加え、円安の影響もあり、2022年1月から9月の機械1台当たりの受注単価が49.3百万円(2021年度平均:39.4百万円)へと大きく上昇したことも受注額の大幅増加に寄与しました。連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年同期比23%増となりました。また、半導体製造装置向けの超精密計測部品を製造・販売するグループ会社の(株)マグネスケールも高水準の受注を確保しました。
地域別累積受注は、日本(構成比:14%)が前年同期比38%増、米州(同:20%)が同34%増、欧州(同:50%)が同21%増、中国(同:10%)が同21%増、中国を除くアジア(同:6%)が同47%増と、それぞれ伸長しました。産業別には、宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)関連、温暖化ガス排出削減関連など、新たな市場分野が引き続き好調に推移しました。
第4四半期以降も、工程集約、自動化、DX化を促進する工作機械の受注拡大が継続するものと考えており、2022年度の連結受注見通しを再度増額修正し、5,500億円程度を見込んでいます(従来計画:5,300億円以上)。また、受注残高は、2021年末の1,640億円から、2022年9月末には2,740億円まで増加し、第4四半期以降の収益安定に寄与する見込みです。
経営理念にも掲げているとおり、工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエア及びソフトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、お客様の生産性向上に貢献することを、当社は目指しております。
2022年10月には、お客様専用のポータルサイト「my DMG MORI」において新サービス「パーツセレクター」及び「チャットボット」の提供を開始いたしました。「パーツセレクター」では、お客様ご自身でスペアパーツや消耗品を選定、ご注文いただくことが可能です。「チャットボット」は、機械操作や不具合等に関する質問をチャットにご入力いただくと、AIが自動で回答する仕組みです。従来の電話応対に比べ、お客様をお待たせすることなく回答することが可能となりました。今後も当社は、my DMG MORIを通して、お客様のさらなる生産性向上に貢献してまいります。
技術面では、送り軸に振動を与えることで切りくずを分断するテクノロジーサイクル「チップブレーキング」を開発いたしました。機械加工の現場で発生する長くつながった切りくずは、加工不良や機械の故障といったトラブルにつながります。これを細かく分断することで切りくずトラブルを防ぎ、生産工程の自動化を促進します。その他、小型の複雑形状ワークを1台で加工する、シリーズ最小の複合加工機「NTX500」を販売開始しております。最高回転速度42,000min-1のターンミル主軸による高速・微細加工が可能で、限られた据付面積で最大限の生産能力を実現することができます。今後もより多くのお客様のニーズにお応えできるよう、高機能で信頼性が高く、投資価値のある商品を市場へ投入してまいります。
販売面では、デジタルツインショールームのアップデートを実施し、新規展示及び新機能を追加しております。また、11月8日~13日までの間、東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022」に出展いたします。開催期間中は、当社の東京グローバルヘッドクォータにてオープンハウスを同時開催する他、当社ブースを3DCGソフトウエアによるフルCG制作(4K画質)のデジタルツインで再現し、特設Webサイトにて公開いたします。その他、小規模商談会「テクノロジーフライデー」も引き続きグローバルに開催しております。今後もデジタルとリアルの両方でお客様とつながり、お客様ニーズに沿ったご提案を行ってまいります。
また、当社では「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、社員の働き方改革と生産性向上、社員それぞれが長く健康に活躍できる環境整備に取り組んでおります。日本において、2022年7月に社員の給与改定を実施した他、2023年4月からは新卒初任給の引上げを実施いたします。高度な人材を確保することで、激動する外部環境に適切に対応できる企業として成長を続けてまいります。
さらに、当社は持続可能な社会を目指し、人と自然が共生できる社会、資源循環型の社会に向けた取組みを行っております。2022年9月には、グループ最大の生産拠点である伊賀事業所の工場棟屋根に太陽光発電システムを導入することを決定いたしました。2023年2月より発電を開始する予定で、さらに今後、奈良事業所への導入も計画しております。
その他、国内すべての拠点でCO₂フリーの電力を使用するなどカーボンニュートラルに向けてはグループ一丸となって取り組んでおります。2021年には、グローバルで生産する全商品の部品調達から商品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを達成した他、2030年に向けた温室効果ガス削減目標についてSBT(Science Based Targets)認定を取得いたしました。また、自社での活動のみではなく、環境に配慮した商品の提供を通じて、お客様におけるGX(グリーントランスフォーメーション)化も促進しております。今後も持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
なお、セグメントの動向及び業績は以下のとおりです。以下の売上収益及びセグメント損益には、セグメント間の内部取引を含めて表示しております。
マシンツールセグメントでは宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)関連、温暖化ガス排出削減関連向けの業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は393,083百万円(前年同四半期比22.7%増)となり、セグメント損益は14,672百万円(前年同四半期比21.3%増)のセグメント利益となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、部品販売、修理復旧の業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は145,807百万円(前年同四半期比24.7%増)となり、セグメント損益は20,270百万円(前年同四半期比65.7%増)のセグメント利益となりました。
②資産、負債及び資本の状況
(ⅰ)資産
流動資産は、主として棚卸資産が41,410百万円、営業債権及びその他の債権が14,166百万円、その他の流動資産が3,854百万円増加したことにより、317,728百万円(前期比63,035百万円の増加)となりました。
非流動資産は、主として有形固定資産が23,893百万円、その他の無形資産が8,771百万円、のれんが6,681百万円増加したことにより、385,331百万円(前期比42,906百万円の増加)となりました。
この結果、資産合計は703,059百万円(前期比105,942百万円の増加)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は、主として契約負債が31,484百万円、営業債務及びその他の債務が14,440百万円、引当金が7,112百万円増加したことにより、320,943百万円(前期比66,534百万円の増加)となりました。
非流動負債は、主としてその他の金融負債が9,979百万円増加した一方で、社債及び借入金が4,036百万円、退職給付に係る負債が2,001百万円減少したことにより、130,993百万円(前期比5,564百万円の増加)となりました。
この結果、負債合計は451,936百万円(前期比72,098百万円の増加)となりました。
(ⅲ)資本
資本は、主としてその他の資本の構成要素が22,872百万円、利益剰余金が9,935百万円増加したことにより、251,123百万円(前期比33,843百万円の増加)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、50,119百万円(前年同四半期48,737百万円)となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、46,176百万円の収入(前年同四半期26,610百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益24,309百万円、契約負債の増加額23,525百万円、減価償却費及び償却費17,425百万円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加額28,313百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、33,354百万円の支出(前年同四半期10,809百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出19,115百万円、無形資産の取得による支出10,210百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、14,387百万円の支出(前年同四半期1,389百万円の支出)となりました。主な増加要因は、短期借入金の純増加額10,928百万円であり、主な減少要因は、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払額7,260百万円、リース負債の返済による支出3,975百万円であります。
(2) 経営方針・経営戦略等
グローバルで高水準な受注が継続したことから、前事業年度の有価証券報告書に記載した今期目標とする経営指標について、下記のとおり修正いたしました。
(単位:億円)
連結受注高
売上収益
営業利益
前事業年度有価証券報告書
4,800
4,300
400
今回修正
5,500
4,650
450
(注)1.為替レートにつきましては、米ドルレートは131.0円、ユーロレートは137.0円と想定しております。
2.連結業績予想につきましては、現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、実際の業
績等は業況の変化等により、予測数値と異なる場合があります。
なお、経営方針及び経営戦略について重要な変更はありません。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更を行っております。詳細については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (6)要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載のとおりであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の無形資産に計上された開発費を含む研究開発費の金額は、16,377百万円となっております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
