【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの業界がかつてない打撃を受け、厳しい状況のうちに推移しました。こうした状況の中で、当連結会計年度の当社グループ(当社及び連結子会社)における業績は、売上高が494億1千9百万円(前連結会計年度売上高410億5千3百万円)と前年同期と比べ83億6千5百万円の増収となりました。主な増収の要因は、海外向車両が増加したことによるものです。営業利益は3億2千万円(前連結会計年度営業損失2億9千5百万円)と前年同期と比べ6億1千6百万円の増益となりました。主な増益の要因は、在米連結子会社の収支改善によるものです。営業外収益は2億6千3百万円(前連結会計年度営業外収益1億9千1百万円)と前年同期と比べ7千1百万円の増加となり、営業外費用は2億6千2百万円(前連結会計年度営業外費用8億9千3百万円)と前年同期と比べ6億3千1百万円の減少となりました。主に当連結会計年度末の為替レートが前連結会計年度末に比して円安となり外貨建て売掛金に対する為替差益を計上したことにより、為替差損を計上した前年同期と比較すると営業外収益が増加し営業外支出が減少しております。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は1百万円(前連結会計年度△7億1百万円)となり、経常利益は3億2千1百万円(前連結会計年度経常損失9億9千7百万円)と前年同期と比べ13億1千9百万円の増益となりました。また、当連結会計年度は、保有資産の有効活用及び財務体質の強化を図るため、当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことにより7億5百万円を投資有価証券売却益として特別利益に計上しております。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億6千2百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純利益7億4百万円)と前年同期と比べ4千2百万円の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。鉄道車両関連事業国内向車両の西日本旅客鉄道株式会社向電車及び近畿日本鉄道株式会社向電車、海外向車両のカタール鉄道会社向電車等により、売上高は486億1千8百万円(前連結会計年度売上高402億6千万円)と前年同期と比べ83億5千7百万円の増収となり、営業利益は7億6千万円(前連結会計年度営業損失4千4百万円)と前年同期と比べ8億5百万円の増益となりました。不動産賃貸事業東大阪商業施設及び所沢商業施設を中心に売上高は8億1百万円(前連結会計年度売上高7億9千2百万円)となり、営業利益は6億2千2百万円(前連結会計年度営業利益6億9千1百万円)となりました。
なお、当連結会計年度につきましては、当社グループの鉄道車両関連事業は受注生産品が多くを占めており、新型コロナウイルス感染症の長期化による鉄道利用者の減少に伴って、当社グループの顧客である鉄道事業者にて投資計画の見直し等が行われた影響により工場稼働率が低下してきているため収支に影響を及ぼしております。不動産賃貸事業は長期の定期借地権契約であるため新型コロナウイルス感染症拡大による影響はありませんでした。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
鉄道車両関連事業
39,941
88.6
合計
39,941
88.6
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
鉄道車両関連事業
18,202
46.7
85,132
72.9
合計
18,202
46.7
85,132
72.9
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
鉄道車両関連事業
48,618
120.8
不動産賃貸事業
801
101.1
合計
49,419
120.4
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度
相手先
販売高(百万円)
割合(%)
Los Angeles County
Metropolitan Transportation Authority(ロサンゼルス郡都市交通局)
12,735
31.0
東京地下鉄株式会社
4,289
10.4
西日本旅客鉄道株式会社
4,149
10.1
当連結会計年度
相手先
販売高(百万円)
割合(%)
三菱商事株式会社
18,231
36.9
近畿日本鉄道株式会社
6,997
14.2
西日本旅客鉄道株式会社
6,818
13.8
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態(資産)当連結会計年度末の資産合計は660億2千1百万円(前連結会計年度末759億1千2百万円)と98億9千1百万円の減少となりました。流動資産は主に仕掛品の減少により、488億9千1百万円(前連結会計年度末576億8千5百万円)と87億9千4百万円の減少となりました。固定資産は主に有形固定資産について新規取得資産がほとんど無く減価償却費の計上により簿価が減少となったこと及び投資有価証券の時価変動による減少により、171億3千万円(前連結会計年度末182億2千7百万円)と10億9千7百万円の減少となりました。(負債)当連結会計年度末の負債合計は447億2百万円(前連結会計年度末534億6千2百万円)と87億5千9百万円の減少となりました。流動負債は1年内返済予定の長期借入金について固定負債からの振り替えにより増加したものの、主に案件進捗に伴い前受金が減少したことにより、398億3千8百万円(前連結会計年度末421億2千1百万円)と22億8千2百万円の減少となりました。固定負債は主に長期借入金を流動負債の1年内返済予定の長期借入金に振り替えたことにより、48億6千3百万円(前連結会計年度末113億4千万円)と64億7千7百万円の減少となりました。(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は213億1千8百万円(前連結会計年度末224億5千万円)と11億3千1百万円の減少となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。 鉄道車両関連事業当連結会計年度末のセグメント資産は598億6千万円(前連結会計年度末695億3千8百万円)と96億7千8百万円の減少となりました。 不動産賃貸事業当連結会計年度末のセグメント資産は15億9千2百万円(前連結会計年度末15億8千5百万円)と6百万円の増加となりました。
(3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、43億4千4百万円(前連結会計年度末52億1千4百万円)と前年同期に比べ8億7千万円の減少となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が10億2千7百万円となり、主に売上債権の増加により、2千4百万円の収入(前連結会計年度143億7千3百万円の収入)と前年同期と比べ143億4千9百万円の収入の減少となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、1億2千8百万円の支出(前連結会計年度7億7千4百万円の収入)と前年同期と比べ9億2百万円の収入の減少となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出により、6億9千5百万円の支出(前連結会計年度118億2千9百万円の支出)と前年同期と比べ111億3千3百万円の支出の減少となりました。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、売上債権の回収までに必要な資金については金融機関からの借入による短期資金調達やコミットメント契約の利用により流動性を維持しております。また、採算性の悪い案件の進捗などによる資金不足につきましては有形固定資産や投資有価証券の売却によりその一部を確保しております。一方、設備資金など長期的な資金については、国内外での資金調達について、市場金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの借入による長期借入金により流動性を維持しております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。当社グループの当連結会計年度末の資金は、前年同期と比べ8億7千万円減少し43億4千4百万円となりました。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、一般的に海外案件はプロジェクトの進捗度に応じて代金支払いスケジュールが決まっており、一時的に売上債権が増加するため、売上債権が増加したことなどにより143億4千9百万円収入が減少し2千4百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により9億2百万円収入が減少し1億2千8百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度は、前年同期と比べ短期借入金の返済による支出が減少したことなどにより111億3千3百万円支出が減少し6億9千5百万円の支出となりました。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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