【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
わが国経済は、ウィズコロナの下で感染症対策と社会経済活動の両立が図られ、企業収益や設備投資に緩やかな持ち直しの動きが見られるものの、物価上昇、供給面での制約等による下振れリスクが存在し、不透明な状況で推移しました。
当社グループを取り巻く経営環境は、エネルギー資源高騰による電力業界の収益性悪化と電力設備投資の抑制が継続する一方で、世界的な脱炭素社会に向けた潮流の中で、省エネ・脱炭素化に向けた積極的な設備投資が見込まれております。
このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2021年度~2023年度)に基づき、「基盤事業の強靭化と新事業領域の更なる拡大による企業価値の向上」を図るため、昨年7月に組織改編を実施し、地域・社会課題の発掘・解決を目的としたグリーンエネルギー事業を新たな柱として、従来事業とともに鋭意取り組んでまいりました。
具体的には、火力・原子力・水力発電所の建設・点検・保守、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務や福島復興関連業務、原子力発電所の安全対策工事を着実に遂行するとともに、コージェネレーション分野や太陽光・水力・バイオマスといった再生可能エネルギー分野において、EPC(設計・調達・建設)からO&M(運転・保守)まで一貫したワンストップサービスをご提案するなど全国各地で受注活動を精力的に展開し、中・長期的な売上の拡大と利益の創出に努めてまいりました。
この結果、財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
①財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて54億80百万円増加し、1,084億62百万円となりました。これは主に建設仮勘定が減少した一方で、建物・構築物(純額)及び機械・運搬具(純額)が増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べて53億13百万円増加し、438億24百万円となりました。これは主に短期借入金が増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べて1億66百万円増加し、646億38百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間の受注高は、太陽光やバイオマス発電所の建設工事の増加があったものの、バイオマス発電所の長期運転保守受託や福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務が減少したことにより、503億36百万円(前年同期比38.3%減)となりました。一方、売上高は、火力発電所の保修工事や大型建設工事、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、水力発電所及び送配電施設工事の進捗により、571億88百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
次期繰越高は、1,214億70百万円(前年同期比4.8%増)となりました。
利益面につきましては、売上高が大幅に増加しましたが、第1四半期連結会計期間において柏崎刈羽原子力発電所7号機固定式消火設備配管溶接部の溶接不良に伴う再施工の追加費用(売上原価:1億20百万円、特別損失85百万円)の計上に加え、同6号機についても調査・検証を進めた結果、今般、再施工が必要と判断され、当第3四半期連結会計期間において溶接不良に伴う再施工の費用を計上したことから、営業利益は15億96百万円(前年同期比26.0%増)、経常利益はデリバティブ評価損を計上したことから11億24百万円(前年同期比14.8%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は以下に記載の特別利益を計上したことから9億99百万円(前年同期比27.0%増)となりました。
柏崎刈羽原子力発電所6号機の再施工費用につきましては、その要因に応じて工事損失引当金として売上原価に6億85百万円、損害補償損失引当金として特別損失に10億15百万円をそれぞれ計上することとなりました。
また、同6、7号機の工事を施工した一部の協力会社と費用負担について合意したことから、16億80百万円を損害補償損失引当金戻入額として特別利益に計上することとなりました。
これらの溶接不良に伴う再施工費用に関わる特別損益については、当第3四半期連結累計期間において、その純額である5億79百万円を損害補償損失引当金戻入額として四半期連結損益計算書に掲記しております。
当該事案につきましては、改修工事を着実に進めることを最優先としつつ、工事を施工したその他の協力会社と引き続き協議を進めてまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(設備工事業)
受注高は、電力部門や原子力部門の減少により、484億64百万円(前年同期比40.0%減)となりました。一方、売上高は、電力部門や原子力部門の増加により、554億61百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
セグメント利益は、58億57百万円(前年同期比49.2%増)となりました。
(その他の事業)
受注高は、18億70百万円(前年同期比124.8%増)となりました。
売上高は、17億26百万円(前年同期比201.2%増)となりました。
セグメント損失は、3億5百万円(前年同期はセグメント損失48百万円)となりました。
参考:セグメントの名称に対応した部門等の名称
セグメントの名称
部門等
設備工事業
グリーンエネルギー事業部門、エネルギー・産業部門、電力部門、原子力部門、海外事業部、溶接・検査センター
その他の事業
発電事業、不動産事業、リース・レンタル事業、保険代理業、製造・販売事業、卸売業
(注)第2四半期連結会計期間における組織改編に伴い、「設備工事業」セグメントにグリーンエネルギー事
業部門を設置しております。これにより、バイオマス燃料・発電プロジェクトをグリーンエネルギー事
業部門へ編入しております。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は56百万円であります。
(5) 設備の状況
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、当第3四半期連結累計期間に変更はありません。また、当第3四半期連結累計期間に新たに確定した重要な設備の新設、除却等の計画はありません。
なお、前連結会計年度末における重要な設備の新設等の計画の当第3四半期連結累計期間の完了分は、次のとおりであります。
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容
建設関連費用
(百万円)
資金調達方法
営業開始時期
合同会社境港エネルギーパワー
境港バイオマス発電所
(鳥取県境港市)
発電設備
11,203
自己資金及び借入金
2022年10月
