【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化などによる原材料価格の不安定化や、為替相場の急激な変動など、海外経済の下振れリスクがある中で推移した。
このような状況のもと、当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前年同期に比べ原料炭市況の上昇や円安影響などがあり、当期の連結売上高は、前期比493億5千万円増加の1,740億6千2百万円となった。
利益面では、原料炭市況の急騰とその後の市況急落による割高在庫影響などによって、連結営業損益は、3億9千7百万円の営業損失(前年同期は122億5千3百万円の営業利益)となったほか、連結経常損益は、7億5千2百万円の経常損失(前年同期は114億5千4百万円の経常利益)となった。
特別損益については、固定資産売却益などによる特別利益1億8千3百万円に対し、固定資産除却損などにより、特別損失8億6千7百万円を計上した。
これより、法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は10億7千5百万円の純損失(前年同期は73億8千万円の純利益)となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
a.コークス事業
コークス事業については、当社グループの販売数量は、2Aコークス炉更新工事の実施による生産量減少などがあり、前期比27万トン減少の148万3千トンとなったが、売上高は、原料炭市況の上昇や円安影響などにより、増収となった。
利益については、原料炭市況の急騰とその後の市況急落による割高在庫影響などによって、減益となった。
この結果、コークス事業の連結売上高は、前期比259億9千3百万円増加の1,102億4千3百万円となり、連結営業損益は、38億8千万円の営業損失(前年同期は103億8百万円の営業利益)となった。
b.燃料・資源リサイクル事業
燃料・資源リサイクル事業については、主要顧客の稼働率減などがあり、前期比15万1千トン減少の109万2千トンとなったが、売上高は、一般炭市況の上昇や円安影響などにより、増収となった。
この結果、燃料・資源リサイクル事業の連結売上高は、前期比220億4千1百万円増加の517億6千8百万円となり、連結営業利益は、前期比9億8千6百万円増加の32億4千3百万円となった。
c.総合エンジニアリング事業
総合エンジニアリング事業については、化工機事業において、顧客の多くが新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、設備投資の増加などがあったことで、増収となった。
この結果、総合エンジニアリング事業の連結売上高は、前期比11億8千7百万円増加の81億5千9百万円となり、連結営業利益は、前期比3億6千5百万円増加の12億7千5百万円となった。
d.その他
その他の事業については、運輸荷役事業において、取扱数量の増加などにより、増収となった。
この結果、その他の事業の連結売上高は、前期比1億2千8百万円増加の38億9千1百万円となり、連結営業利益は、前期比1億4千6百万円増加の5億9千8百万円となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、5億9千7百万円増加の56億1千6百万円となった。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、124億2百万円(前年同期比170億1千万円増加)となった。
これは主に、減価償却費53億8千1百万円、売上債権及び契約資産の減少額48億4千9百万円などによる資金の増加に対し、棚卸資産の増加額114億1千万円、仕入債務の減少額56億6千2百万円、法人税等の支払額36億円などによる資金の減少があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、80億9千4百万円(前年同期比39億3千2百万円増加)となった。
これは主に、固定資産の取得による支出76億3千3百万円などによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、210億9千1百万円(前年同期比221億6千5百万円増加)となった。
これは主に、短期借入れによる収入3,957億1千9百万円、長期借入れによる収入28億1千5百万円などに対し、短期借入金の返済による支出3,683億7千4百万円、長期借入金の返済による支出70億2千万円などによるものである。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
コークス事業
コークス
112,497
151.6
燃料・資源リサイクル事業
石炭
766
96.6
その他
15
103.1
合計
113,278
151.1
(注)金額は生産原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
総合エンジニアリング事業
10,547
122.6
6,657
156.0
(注)セグメント間の取引については、相殺消去している。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
コークス事業
110,243
130.9
燃料・資源リサイクル事業
51,768
174.1
総合エンジニアリング事業
8,159
117.0
その他
3,891
103.4
合計
174,062
139.6
(注)1.金額は販売価格に基づき、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額 (百万円)
割合(%)
金額 (百万円)
割合(%)
日本製鉄株式会社
9,138
7.3
24,938
14.3
住友商事株式会社
15,860
12.7
14,246
8.2
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項については、提出日現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営成績
当社グループの業績は、主力のコークス事業において、前年同期に比べ原料炭市況の上昇や円安影響などがあり、当期の連結売上高は、前期比493億5千万円増加の1,740億6千2百万円となった。
利益面では、原料炭市況の急騰とその後の市況急落による割高在庫影響などによって、連結経常損益は、7億5千2百万円の経常損失(前年同期は114億5千4百万円の経常利益)となった。
これより、特別損益・法人税等を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は10億7千5百万円の純損失(前年同期は73億8千万円の純利益)となった。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,402億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ114億3千5百万円増加となった。増減の主なものは、商品及び製品の増加81億7千7百万円、建設仮勘定の増加35億2千7百万円、原材料及び貯蔵品の増加31億6千万円、流動資産「その他」の増加11億1千2百万円、売掛金の減少51億8千4百万円等である。
当連結会計年度末の負債は、859億2千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ145億1百万円増加となった。増減の主なものは、短期借入金の増加234億9千6百万円、支払手形及び買掛金の減少56億6千2百万円、未払法人税等の減少28億4千5百万円等である。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、30億6千6百万円減少の542億7千7百万円となった。また、当連結会計年度末の自己資本比率は、38.7%となった。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ5億9千7百万円増加の56億1千6百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、124億2百万円(前連結会計年度比170億1千万円増加)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、80億9千4百万円(前連結会計年度比39億3千2百万円増加)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、210億9千1百万円(前連結会計年度比221億6千5百万円増加)となった。
資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、原材料・商品等の仕入代金の支払、販売費および一般管理費の支払、借入金の返済および法人税等の支払等である。
当社グループは、事業活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローおよび借入金によって継続的に調達することが可能であると考えている。
財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金および借入金により賄っている。
当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は375億9千1百万円(うち、1年以内に返済予定の長期借入金31億1千1百万円)、長期借入金の残高は87億4千2百万円である。
また、当社および一部の連結子会社は、取引銀行16行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、効率的な資金調達を行っている。当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額および貸出コミットメントの総額は498億円である。
当社グループは、資金効率を高めるため、売上債権および棚卸資産の圧縮に努めており、有利子負債の残高を減少させ借入金依存度を引き下げ、財務基盤の強化に取り組んでいる。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりである。
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