【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績
当第2四半期連結累計期間は、経済規模1位と2位の国の経済が対照的な様相を呈し、日本とユーロ圏の経済が程度の差こそあれ対照を成しました。産業ごとに見ても、好・不調の差が顕著でした。流動的な情勢の中にあって当社は、顧客との意思疎通を密に保ち、求められる品質の製品を安定供給し、機敏な販売を遂行しました。その結果、前年同期比では減益となったものの、前四半期比ではほぼ同水準となりました。引き続き業績の伸長に取り組んでいきます。今後とも、顧客にとって価値ある製品の開発を急ぎ、かつ顧客と市場からの要望・需要に適時に応えられるよう、中長期の展望を持って、投資と開発を継続します。
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は、前年同期に比べ15.1%(2,134億3千4百万円)減少し、1兆1,959億2百万円となりました。営業利益は、前年同期に比べ28.8%(1,543億1千8百万円)減少し、3,819億1千9百万円となり、経常利益は、前年同期に比べ23.5%(1,315億1千8百万円)減少し、4,275億8百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ23.2%(908億8千5百万円)減少し、3,014億3千9百万円となりました。
セグメントごとの状況は以下のとおりです。
[生活環境基盤材料事業]
塩化ビニルに関しては、中国における建設や住宅投資の弱さから、中国メーカーによる輸出圧力が収まらない状況が継続しましたが、価格水準を維持しました。か性ソーダについても、同様な状況でした。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ24.7%(1,606億7千4百万円)減少し、4,909億6千6百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ43.0%(1,245億9千4百万円)減少し、1,652億9千1百万円となりました。
[電子材料事業]
半導体市場は、昨年秋以降の調整局面が当第2四半期でも続きました。その収束にはまだ時間を要すると見込まれます。そのような事情のなか、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を計画通りに出荷することに注力しました。希土類磁石も、ハードディスクドライブ向けや産業機器用で調整が続きましたが、車載市場ほかへの拡販に努力しました。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ3.3%(144億8千2百万円)減少し、4,248億4千万円となり、営業利益は、前年同期に比べ3.3%(53億4千万円)減少し、1,542億3百万円となりました。
[機能材料事業]
一部の汎用製品群で在庫調整や市況軟化の影響が継続しましたが、機能性の高い製品群で収益を補うことに努めました。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ15.6%(398億7千万円)減少し、2,154億9千1百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ29.6%(217億6千3百万円)減少し、517億6千6百万円となりました。
[加工・商事・技術サービス事業]
半導体ウエハー関連容器は300mm用を中心に販売好調で、自動車用入力デバイスも自動車産業の回復を受け堅調を維持しました。食品包装用塩ビラッピングフィルムはインバウンド需要の増加を背景に外食産業向けの販売が伸びました。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ2.5%(15億9千1百万円)増加し、646億4百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ15.0%(21億1千1百万円)減少し、119億5千8百万円となりました。
(2)財政状態
当第2四半期連結会計期間末(以下「当四半期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて3,625億1千5百万円増加し、5兆929億9百万円となりました。主に円安の影響を受け在外連結子会社資産の円換算額が増加したこと、有形固定資産が増加したことによるものです。
当四半期末負債合計額は、前期末に比べ136億6千2百万円増加し、7,178億4千7百万円となりました。主に円安の影響を受け在外連結子会社負債の円換算額が増加しました。
当四半期末純資産は、前期末に比べ3,488億5千2百万円増加し、4兆3,750億6千1百万円となりました。剰余金の配当及び自己株式の取得による減少の一方、親会社株主に帰属する四半期純利益や円安に伴う為替換算調整勘定の増加によるものです。
その結果、自己資本比率は、前期末に比べ1.1ポイント上昇し、82.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,855億4千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,618億円減少しました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動の結果得られた資金は、3,805億4千7百万円(前年同期比119億5千4百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益4,398億5千7百万円、減価償却費1,080億9千8百万円等により資金が増加した一方、法人税等の支払額938億8千2百万円、売上債権の増加額314億7千7百万円等により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は、6,952億2千6百万円(前年同期比6,362億3千7百万円の増加)となりました。これは、定期預金の純増額5,330億2千9百万円、有形固定資産の取得による支出1,973億3千5百万円等により資金が減少した一方、有価証券の売却・償還による収入220億円等により資金が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動の結果使用した資金は、1,934億7千1百万円(前年同期比849億9千3百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額1,109億6千5百万円、自己株式の取得による支出607億2千9百万円等によるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は31,757百万円です。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。