【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績
当第1四半期連結累計期間は、前年度後半に発現した経済と市場の情勢が全般として好転することなく、当社の主要製品の関わる分野で調整が続きました。その中にあって当社は、顧客との意思疎通を密に保ち、求められる品質の製品を安定供給し、機敏な販売を遂行しました。その結果、前年同期比では減益となったものの、前四半期比では増益となりました。経済情勢は楽観を許さないとの認識のもと、業績の伸長に取り組んでいきます。今後とも、顧客にとって価値ある製品の開発を急ぎ、かつ顧客と市場からの要望・需要に適時に応えられるよう、中長期の展望を持って、投資と開発を継続します。
当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は、前年同期に比べ8.8%(575億6百万円)減少し、5,992億1百万円となりました。営業利益は、前年同期に比べ23.6%(588億円)減少し、1,908億2千万円となり、経常利益は、前年同期に比べ17.3%(455億1千8百万円)減少し、2,171億1千5百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ16.6%(304億9千1百万円)減少し、1,536億3千3百万円となりました。
セグメントごとの状況は以下のとおりです。
[生活環境基盤材料事業]
塩化ビニルに関しては、中国における建設や住宅投資の弱さから、輸出圧力が収まらず、市況の改善が期待通りに進みませんでした。か性ソーダについても、同様な状況でした。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ17.0%(493億6千6百万円)減少し、2,404億1千7百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ37.6%(484億1千4百万円)減少し、801億7千9百万円となりました。
[電子材料事業]
半導体市場は、昨年秋以降の調整局面が当該期でも続きました。その収束にはまだ時間を要すると見込まれます。そのような事情のなか、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を計画通りに出荷することに注力しました。希土類磁石も、ハードディスクドライブ向けや産業機器用で調整が続きましたが、他市場向けへの拡販に努力しました。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ4.5%(94億1千万円)増加し、2,205億2千7百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ3.3%(25億4千8百万円)増加し、800億5千3百万円となりました。
[機能材料事業]
汎用製品群で在庫調整や市況下落の影響を受けましたが、機能性の高い製品群で収益を補うことに努めました。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ13.6%(170億8千3百万円)減少し、1,080億6千8百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ30.1%(110億5千1百万円)減少し、256億5千2百万円となりました。
[加工・商事・技術サービス事業]
半導体ウエハー関連容器は300mm用を中心に販売好調で、自動車用入力デバイスも自動車産業の回復を受け堅調を維持しました。食品包装用塩ビラッピングフィルムはインバウンド需要の増加を背景に外食産業向けの販売が伸びました。
その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ1.5%(4億6千8百万円)減少し、301億8千7百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ22.5%(15億7千8百万円)減少し、54億3千9百万円となりました。
(2)財政状態
当第1四半期連結会計期間末(以下「当四半期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて271億8千万円増加し、4兆7,575億7千4百万円となりました。主に円安の影響を受け在外連結子会社の円換算額が増加しました。
当四半期末負債合計額は、前期末に比べ486億5千4百万円減少し、6,555億3千1百万円となりました。主に法人税等の未払額や買入債務が減少しました。
当四半期末純資産は、前期末に比べ758億3千3百万円増加し、4兆1,020億4千2百万円となりました。これは、剰余金の配当による減少の一方、親会社株主に帰属する四半期純利益や円安に伴う為替換算調整勘定の増加等によるものです。
その結果、自己資本比率は、前期末に比べ1.0ポイント上昇し、82.8%となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は15,548百万円です。 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。